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静 霧一/小説
2021年9月22日 22:02
物語を書いていると、ふと思うことがある。「本当にこれは私が考えた物語なの?」と。もう、何百年も前から物語は存在する。歴史上のありとあらゆる人物が、筆に手を取り、数千万、数億万という物語を書いている。世に出ていないだけで、ノートの切れ端に書いた落書きの物語も含めれば、それはもう数え切れないほどの膨大な数だろう。文化は発展し、価値観も多様化した現代。あろうことか、物語は飽和し、