性の問題と表現問題
noteのTLをチェックしていたら、このような記事がありました。
LGBTに関する問題を特集で追っていたという内容。
これは、キャスターを務めるテレビ朝日の平石アナウンサーが執筆したまとめ記事です。
LGBT問題で外せないのが性に関する話。
表立って言えない問題だからこそ、偏見が多い悪循環に陥っている印象があります。
この問題については、イチ表現者として悩んだことがありました。
だからこそ、真剣に考えなければならない問題だと考えます。
性的表現に関する個人レーティングは人さまざま。
とてもじゃないですが、この手の表現がダメな人に媚を売ってもコンテンツが堕落するだけですし、かといってあからさまで暴力的な表現を許すかと言われれば、それはそれでよろしくないです。
作品に性的目的は全く含まれていないにしろ、あからさまな表現が一つでもあれば垢BANされるご時勢です。ただ、それで不快な思いをする視聴者がいるかもしれない、下手をすると表現活動自体が潰れる可能性などを考慮すれば、自主規制はしないといけません。
性的表現ってどこからがセーフでどこまでがアウトなのか?
民放連の放送基準11章「性表現」によると、このようになっています。
(以下、一部抜粋)
(73) 性に関する事柄は、視聴者に困惑・嫌悪の感じを抱かせないように注意する。
(75) 一般作品はもちろんのこと、たとえ芸術作品でも過度に官能的刺激を与えないように注意する。
(76) 性的犯罪や変態性欲・性的倒錯を表現する場合は、過度に刺激的であってはならない。
(78) 全裸は原則として取り扱わない。肉体の一部を表現する時は、下品・卑わいの感を与えないように特に注意する。
(出典:日本民間放送連盟 放送基準)
要約すると「あからさまなえっちい表現はしないでね!エッチな話題を出すならほどほどにね!」ということです。
AVなどでよく見かけるワードなんかは問答無用で規制です。
ただ、統一された放送禁止用語リストは存在せず、放送局が自主規制するにとどまっています。
ところ変わってYoutubeでは、放送局以上に厳しいガイドラインが設定されています。
性的満足を意図した露骨なコンテンツは、YouTube で許可されていません。ポルノを投稿すると、コンテンツが削除されたり、チャンネルが停止されたりすることがあります。
フェティッシュを含む動画は、削除されるか、年齢制限が設けられます。
暴力的、生々しい、あるいは侮辱的なフェティッシュは、ほとんどの場合に許可されません。
(出典:Youtubeヘルプ)
おぉ、厳しい厳しい。
1人1台スマホを持っている時代ですから、いかがわしいコンテンツは見せないように取り組んでいるのでしょう。
その他にも、小説サイトや画像サイトなど、様々な媒体で性的表現に関するポリシーが設定されていました。
問題なのは「イチシーンとしての性的表現」をどうするかについてです。
これは、全ての表現者が頭を抱えているのではないでしょうか。
小説ひとつに取りましても、めちゃくちゃ比喩表現を使っていやらしさを軽減したとしても、R18指定されてしまいます。
しかもどの表現がまずかったのか、運営は教えてくれないので自分で粗探しをしなければなりません。
そこがもどかしいのです。自主規制をしろといっても、個人レーティングは人それぞれなのですから、知らない人は本当に知りません。
小説に関していえば「官能小説」というジャンルがありますので、そういった類いの表現はある程度寛容な側面があります。
しかしながら、あからさまな表現はNG。R18レーティングをかけても、ダメな表現はいくらでもあります。
でも、どんな表現がダメなのかまでは教えてくれません。
というか、線引きがかなり難しく、曖昧にせざるを得ないから、自主規制に委ねられているのでしょう。
作者はそういう意図をしていなくても、たった一人の読者にそう思わせてしまった時点で負けです。
精魂込めて作り上げた作品が運営によって削除されるのはとても悲しいことです。
だからこそ、ガイドラインは定期的に見て、自分のレーティングと照らし合わせて考える必要があります。
ガイドラインとの戦いは永遠に続きます。
わたしとあなたのレーティングは、万物に通用するものではないと心得ましょうね。