私にとっての「阿倍野~通天閣辺り」~父の訃報を受け取って~
母がハルカスで景色を見ながら「自分が死んだら一心寺さんに」の話を聞いて数ヵ月後
父の訃報が届いた
母は離別、妹は父の顔も覚えていないだろう
手続きは全て1人でしなくてはならなかった
九州から何度も大阪に通った
母はいつものように阿倍野で待ち合わせ、付いてきてくれた
ある日、母は「今日はあっちに行こう」と線路沿いをゆっくり歩きだした
「どこに行くの?」と聞くと「あんたのお父さんが好きやったとこや」と
通天閣の方に向かっていた
商店街の入口にある串カツだるまに入った
そこは昔、父と来たところだと言う
私は「そう言えば小さい頃、お父さんに連れられて立ち飲み屋で串カツを食べた思い出がある」と言ったら
母は「それがここかどうかは私は知らん」と
そりゃそうだ、母が家を出ていった後の事だ。わかるはずがない
そうして、商店街を歩きながら「ここは前は◯◯のお店やったのに」などと話していた
通天閣の辺りには沢山の観光客がいて、沢山の飲食店が出来ていてビックリした
更に驚いたのは綺麗なホテルがいくつか建っていた
「この場所で泊まる人がいるの?」私は信じられなかった
父の四十九日を前に永代供養をどこにお願いするか、そこが一番困った
地元にいないのでどうしたらいいかわからない
以前、母が話していた一心寺さんとその近くの四天王寺さんが浮かんだ
両方のお寺に電話で問い合わせた
四十九日までに、と焦る私は母に聞いた
「お父さんの永代供養を一心寺さんにお願いしてもいい?」
母は「いいよ。あっちに逝ったら仲良くするわ」と笑って言ってくれた
それからは母娘ランチのコースに一心寺さんが加わった
いくつになっても「お母さん」がいてくれるだけで心強かった
お母さんありがとね
コロナで集まれないのでいつになるかわかりませんが、母の納骨は一心寺さんではなく四天王寺さんにお願いする予定になりました。
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