懐かしい場所
息子家族と大阪に帰る時には、実家から遠くないところのホテルを取ってくれる。
チビ達がいるので、広くて洗濯も出来るところ
それが、偶然この街だった。
昨秋の母の三回忌の時、コンビニを探して早朝にこの商店街に行った。
ヘッダーの写真の先には駅があり右手には区役所がある、青春の1ページを彩ってくれた懐かしい場所だ
昔はこの場所で母とお寿司を食べた
妹、義妹、母と4人でランチをした
その時は弟が「次は僕も休みを取って参加する」と残念がっていたなぁ
いつだったか母と2人でここを歩いた。
ハルカスじゃない場所に行く日は日帰りでは無い日だ。
2人でこの商店街を話しながら歩いた。
その商店街は、その頃ももう寂れてきていた。
昔は映画館だったところが演劇場になり、大衆演劇が始まったばかりのようだった。
母は立ち止まりその看板をじっと見ていた。
「観る?」と聞くと
「良いの?」とまるで子どものように目が輝く
チケットを2枚買い、中に入った。
私達は1番後ろのパイプ椅子に座った。
○○一座
目にすることはあるけれど観劇は初めてだった。
薄暗い席で母はリュックから手帳を取り出しメモをし始めた。
着物の着付けや帯結びを見てメモしていた。
母はシルバー人材センターで着付け教室にいた。
昔は呉服屋さんに勤めていたらしい。
着物が大好きで、私は成人式の振袖は高校生の時から着せてもらっていた。
そのメモを母がどんな風に生かしたのかは知らない。
それでも、「良いの?」と聞いた時の嬉しそうな母
「ありがとう」と笑顔の母
そして、ここにも思い出があったことを改めて思い出した。
私も長く生きてきている。
そこここに思い出は散らばっているのだ。
それを私が拾えるかどうかだ。
母の納骨も済ませた。
もう実家に近い場所には泊まる必要は無くなった。
次にこの場所を訪れるのはいつになるだろう。
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また寒さが厳しくなってきましたね
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