ADHDにはどんな学習支援・対応が有効なの?→集中を復活させるのがポイント
ADHDの子は集中が続かないし、落ち着きがないし、なかなか学習支援が難しい!と感じられている支援者の方や保護者の方も多いのでは?
その理由は、ADHDは神経伝達物質であるドーパミン(興奮、快楽を感じると分泌される)とノルアドレナリン(緊張を感じると分泌される)が不足しているため、常に覚醒が低く、集中力が低い状態にある=刺激を求めてしまうところにあるとお話ししました。
ということは、覚醒を上げればいいんじゃない?
そこで、今回はどのようにして覚醒を上げ、ADHDの子どもに支援するのか、実際の支援方法や対応方法についてお伝えします。
「ADHD」って何?といった方は、前回記事をお読みいただけると理解が深まるかと思います。
↓前回記事
「ADHD(注意欠如多動症)って何?困り感がどこにあるのか」
【ADHDの子には覚醒を上げる支援が必要】
ADHDの子は刺激を与えて脳を活性化すると、集中力が高まりやすいです。そのため学習前に少し体に刺激を入れることが効果的。
私が実際に行っているのは・・・運動と学習を交互に行うというものです。
◆カウントダウン方式
プリント学習をさせる時などに、「あと3分で終わらそう!」と言って実際にタイマーをセットします。
3・2・1・・・とカウントダウンすることによって緊張感が高まるのでノルアドレナリンが分泌され、集中することできます。
→一部の定型の子やASDの子は、カウントダウンは緊張感が高まりすぎてしまい、動けなくなる子が多いので注意です。
◆場所を変える
トイレに行くなど、一時的に居場所を変えることで気持ち切り替わり、学習に戻れるようになる
◆運動刺激を取り入れる
例えば、私は手押し相撲をしてから学習に入らせることもあります。集中が切れたら学習の途中でもすることもあります。
運動刺激はADHDにとても有効で、海外の学校だとペダルを漕ぎながら授業を受けてたりします。
その他、自分のお子さんであれば、
・集中が切れてきたら肩のツボを押す
・集中が切れてきたら二の腕をギュッとにぎる
といったボディタッチも有効です。
つまり、体への直接的な刺激を入れることによって切れてしまった集中を復活させるのがポイントです。
ADHDは集中が切れる特性なので、集中を切れないように、という対策は難しいです。切れた集中をどう復活させるか?を色々試してみましょう。
この時期では、中3や高3など部活が引退となり運動する機会が減ったため症状が出てくるお子さんもいらっしゃいます。そういった場合は、何かお家でできるスポーツや運動を取り入れてみてください。
個人的にはトランポリンがおすすめ。
◆ADHDの子には姿勢が悪い子も多い
脳と身体機能の問題なので道具を使います。
足が崩れないように足置きを準備したり、一本足椅子やバランスボール付きの椅子に座らせるなどがおすすめ。
◆いつも落ち着かない、手足が動いている子
手が落ち着かないことで集中がそがれる子も多いです。手足そわそわする子、いませんか?
そういった子は、手で何かいじりながら勉強することで効率が上がるので、何かにぎにぎできるものや、ハンドスピナーなどがおすすめ。
科学的な証明は出ていませんが、ハンドスピナーはアメリカではADHDのカウンセリングや症状を落ち着けるために使用されていたりします。
また、聴覚優位のADHDの子は音楽を聴きながら勉強すると集中したりします。
足がそわそわする子には、私は足置きを設置しています。
漫画雑誌を何冊か、ぐるぐるガムテープで巻いたものですが、全然問題ないです。足を置くことで安心感を感じ、学習に取り組むことができます。
◆報酬をうまく使う
報酬に弱いのがADHD! ということはそれを使わない手はない!
いわゆる「エサで釣る」です。
ですが、一般的に効果的な「勉強が終わったらおやつね!」がADHDの衝動性が強い子どもの場合は通じないことが多いです。
今欲しい!と駄々をこねたり暴れたりします。
なので、基本ADHDの子には「先報酬」です。報酬を分割し、半分先にあげて学習終了後残り半分を上げるといった方法が有効です。
我慢させたくなる、駄々が通るのが心情的に嫌だ、と感じる方も多いかと思いますが、ADHDは「我慢できない」という特性のため折衷案が妥当です。
また、これで成功して学習が完了した場合、行動の獲得(自分にもできた)にもなるので、より自信がつき少しづつ学習が進むようになります。
◆忘れ物・時間を守れる仕組みづくり
忘れ物をする、遅刻をするという障害なので、それを責めたり叱っても効果はありませんし、関係性が崩れ支援がより届かなくなってしまいます。
叱るのではなく、そうならないような仕組みを作る方が効果的ですし手っ取り早いです。
例えば・・・
・一つのカバンに使うもの全部入れて、どこに行くにもそのカバンを使う(=忘れ物という概念がなくなる)
・学校に相談をして合理的配慮として置き勉
・日課を時間でルーティン化して時間内で行動できるようにする
朝7時に起きたら15分までに歯を磨いてから顔を洗う、
そのあと15分から30分の間に朝食を食べてから30分から40分の間で
準備をする
=準備するものがなくても、1日のうちに準備をする時間を設けるということです
【まとめ】
この②は具体的な学習支援、対策に触れさせていただきました。
ADHDの子には刺激を与えてドーパミンの分泌させたり、少し緊張感を与えることによってノルアドレナリンを覚醒させることで集中しやすい状態にできることをお話しさせていただきました。
次の記事では子どもたちの支援、というよりは大人の発達障害、大人のADHDについて触れさせていただきますので、もしよろしければお読みいただけると嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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