![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99433137/rectangle_large_type_2_d8055e554dcabe2492bc110148993d1f.jpg?width=1200)
家庭科が苦手だったのに家庭科教師になりました
現役高校家庭科教師のkiquです。
中高生時代、家庭科以外の成績は5なのに、家庭科だけは3でした。2をとったこともあります。
この過去が私を苦しめる一方、原動力にもなっています。
なぜ家庭科だけ成績不振?
受験科目でないからです。
また、当時の高校の家庭科は女子だけ。
同じ時間に男子は体育。
釈然としませんでした。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99432983/picture_pc_8351697d15237e7b41200ddc7f1d3814.png?width=1200)
当時の授業内容
当時(1990年)の高校の家庭科の授業で、今も思い出せるのは
1.タイトスカート作り
2.調理実習
3.必須アミノ酸(当時は8種類)をトロリバスフメイで暗記したこと
の3つです。
調理実習でのやらかし
1 親子どんぶりの調理実習
どんぶりの器だと勘違いして、蓋の方を食器棚から持ってくるというミスをおかし、先生から呆れられました。
2 天ぷらの調理実習
揚げる過程で、恐怖心から天ぷら鍋の遠くから放り込むようエビを投げ入れて、先生から叱られました。
当時の友達と再会すると大抵この話題になり、
kiquちゃんが家庭科の先生って信じられない!と言われます。
大学は家政学部へ
高校時代、このようなひどい有様にもかかわらず、大学は家政学部の家庭経営学科に入学しました。
知名度だけで選び、学部学科は二の次だったのです。今では信じられませんが、当時は割とあるあるの進路選択でした。
興味を惹かれた授業
やましい志望動機で入学した家庭経営学科でしたが、授業は意外にも興味を惹かれるものでした。
人類学
家族の起源、男女の役割の変化、サルからヒトへの進化の過程について。
法学
子どもの権利条約における、権利行使の主体としての子ども観について。
有責配偶者からの離婚請求を認めない判例「踏んだり蹴ったり裁判」について。
教員免許はとりあえず取る
大学時代は、将来、教員、特に家庭科教員になろうとは思っていませんでした。
しかし、とりあえず的な気持ちから教員免許取得に必要な科目を履修していました。
在学していた家政学部でとれる免許は中高の家庭科のみ。
苦手な調理実習や被服製作実習は優秀なクラスメイトを頼りに頼ってなんとか単位を修得しました。
なぜ、採用試験を受験したのか
当時は就職氷河期。
民間企業を受けては落ちの繰り返し。
今までの人生は勉強して点数さえとれれば成功してきたのに、就職活動はそうはいかないということを知りました。
そんななか、教員採用試験なら勉強さえすれば合格できるかもと考え、猛勉強を開始しました。
採用試験の面接では、このように語りました。
私は大学に入って家庭科のおもしろさを知りました。
高校では気づくことができませんでした。
私は家庭科が苦手で嫌いな生徒でした。
ですからそんな生徒の気持ちがよくわかります。
私のような高校生に、家庭科のおもしろさ、大切さを伝えていけたらと思っています。
劣等感が原動力
めでたく採用されて家庭科の授業をするようになったものの、
私以外の先生に教わっていたら、この生徒さんたちはもっと成長していたかもしれない
という思いが常に心の奥底にあります。
成績不振の過去と技術力に劣等感があるからです。
特に採用されて間もないころは、あまりの辛さに転職を考えていました。
「自分でできる」の先の「人に教える」にたどり着くまでが途方もなく苦しかったからです。
当時は顔中に吹き出物が出ていました。
今でも家庭科ができない生徒、嫌いな生徒の気持ちが非常によくわかるので、いかにわかりやすく、おもしろい授業にするかに心を砕いています。
しだいに生徒さんから
わかった!おもしろかった!
と言われることが励みになっていきました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99434892/picture_pc_561a66afc463b64fb119e483d26e8582.png?width=1200)
懺悔の職業人生
今の私は、高校時代にナメていた家庭科の先生に対する懺悔の人生を生きているのだと思います。
特に被服製作、調理実習の前は高校時代の家庭科をもっとしっかりやっていれば、、、といまだに日々後悔です。
長文お読みいただき、ありがとうございました。
高校時代の家庭科のA先生にこの文章を捧げます。