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デンプン」の性質② 「老化」

◇長時間放置したスポンジ生地

焼成してすぐ後の、スポンジ生地やパンは

ふっくらとやわらかい食感であるのが特徴です。

しかしこれらを長い時間放置すると

乾燥させたわけでもないのに少しずつパサパサとした硬い状態になってきます。

これは

デンプンの「老化」

と言われる現象が起きるためです。


◇デンプンが老化する流れ

「老化」は2種類のデンプンである、

「アミロース」と「アミロペクチン」による

状態の変化によって起きています。

以下の3つの段階に分けて解説します。


○最初のデンプン

まだ生の小麦粉の状態時、

「アミロース」「アミロペクチン」は

硬い結晶状の構造をもち、

「デンプン粒」の中に隙間なく詰め込まれています。


○糊化したデンプン

デンプンに水と熱を与えると「糊化」します。

これは熱によってアミロペクチンの構造がゆるみ

その隙間の中に水の分子が入り込んで膨張。

デンプンを包んでいたデンプン粒が膨らむことで

粘りを生みます。

焼き上げてすぐのスポンジ生地やパンがふんわり

したボディを持つのはこの「糊化」のおかげです。


○「老化」したデンプン

しかし、上記の「アミロペクチン」が抱えた水分が

時間経過で無くなっていくと、

ゆるんでいた構造が、再び元の硬い結晶の状態に

もどってしまいます。

また、もう一方のデンプンである「アミロース」も

冷えることでゲル状になり硬くなる性質です。


放置したスポンジ生地やパンが

固くなってしまうのはこの状態変化が原因です。

つまりデンプンの「老化」とは

「糊化したデンプンが元の状態に
戻ろうとする働き」
のことなのです。


◇冷蔵よりも冷凍保管

ちなみに「老化」が進みやすい環境は

  • 温度 0〜3℃

  • 水分含有 30〜60%

つまり冷蔵温度帯です。

なので、スポンジ生地やパンを保管したい時は

「冷凍」がオススメです。

冷凍することで、デンプン構造内の水分が保持され
なるべく長い間美味しい状態を保つことが可能です。


◇トーストするとやわらかくなる食パン

時間がたってパサついた食パンをトーストすると、

ある程度ふんわりした食感が戻った。

という経験はありませんか?

これは前述した「糊化」トーストした際の「熱」によって再び起きたからです。

しかし「水」はないため、以前のような食感にはもちろんおよびません。


ちなみに、生地内の砂糖量が多いと老化しにくく
なる傾向にあります。

これは砂糖に「保水性(水を吸着して保持する)」という性質があって、
糊化した後のアミロペクチンが抱えた水分を保持するからです。

※bitesjapansquadの投稿 : Ironman_fe

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