茶道を通じて気づいた「一期一会」の癒し
春に突然茶道を始めました。
コロナで停滞した社会の雰囲気、ちょっとしたことに行き詰まって悶々とする日々。
何か変化が欲しい、新しいことを始めたいなぁ。
そんな時『日々是好日』という映画を思い出しました。
ひょんなことから茶道を始めた女性の人生を追い、
人生の節々で茶道にさりげなく支えられる様を描く映画です。
思い立ったが吉日、近場の茶道教室の体験を申し込んで、そのまま入会しました。
その茶道教室は、当日夕方好きな時間に向かい、お稽古を受けられます。
順番、きっちりとした時間は決められておらず、毎回違う人と顔を合わせます。
お茶を一杯立て、お菓子をいただきます。
先生以外と特に会話をしたりするわけではありません。
生徒さんたちは、特にお互い干渉することもなく、順番を待ち、軽く会釈したり一言挨拶する程度です。
普段の生活では同じようなメンバーと授業を受けたり、遊んだりします。
普段知り合いと会っているとき、知らず知らずのうちに私は「彼らの中の自分」を意識している気がします。
無意識のうちに「自分らしさ」を保っています。
茶道で会う生徒さんは、名前も知らない、毎週会うわけでもない。
見たことある人も、ない人もいます。
茶道の作法は決まっています。
けれど、お椀やお菓子、その時居合わせた人は毎回ちょっとづつ違います。
好きなお椀を選び、一杯のお茶をたてる時間。
好きなお菓子を選び、一人で味わう時間。
次の順番の人に軽く会釈をする時間。
なんかちょっと普段の自分から自由になった気がするんです。
帰り道、今日はお茶が上手に立てれたなとか、今日のお菓子はおいしかったなとか考える。
それも含めて、自分一人だけが知っている、特別な時間に思えます。
ふとした瞬間に、自分にはそういう特別な時間があるって思い出します。
そんなとき、ちょっと心強くなるんです。