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〈すかがわスケッチ2024〉②芭蕉さんが7泊8日逗留した江戸時代の宿場街

ウルトラマンとウルトラ怪獣と、可憐な少年少女像が通りを彩る須賀川市中町から南方向へ車を走らせ、芭蕉さんゆかりの場所や資料館が点在する大町方面へ。

〈すかがわスケッチ2024〉①はコチラ↓

今回からできる限りGoogleマップを掲載することにしました。ついつい地元の人に話しかける感覚で書いてしまうのですが、土地勘のない方には位置関係などが伝わりにくいですよね。といいますか、位置関係をわかりやすく説明するのは、難しい…

「風流のはじめ館」サイトに掲載されている街歩きマップ↓


芭蕉さんと須賀川の関係を中心に書く予定でしたが、書き始めたら、ただの「街歩きスナップ」になってしまいましたm(_ _)m
芭蕉さんが須賀川に逗留した7泊8日については、途中にリンクを貼った福島民友さんの記事がすばらしくまとまっていて、参考になります!(とテーマを丸投げ)

軒の栗庭園で、芭蕉さん一行と等躬さんにご挨拶

まずは上記の地図にも掲載されているローソン須賀川大町店に車を停めてトイレ休憩。
店を出て、通りの反対側(須賀川市役所方面)を見ると、こんもりとしたシダレザクラの低木が…。

まるでキノコのよう

シダレザクラの下には「軒の栗庭園」と名付けられた小さな休憩スペースがあり、『おくのほそ道』の旅で、芭蕉さんと曾良(そら)さんをもてなした宿場・須賀川町の俳人、相楽等躬(さがらとうきゅう)さんの像が迎えてくれます。

等躬さん、ごめんなさい。写真がブレましたm(_ _)m

芭蕉さんの俳句友達(?)・等躬さんについて詳しくはコチラ↓

同じ敷地内に、緑に染まる俳聖とそのお弟子さんの像も。

……と、須賀川での芭蕉さんの足跡をサックリ紹介するその前に。
須賀川で芭蕉さんが詠んだ句を紹介しないと、なぜ「軒の栗庭園」で、「風流のはじめ館」なのかが伝わらないことに気づきました。

というワケで、芭蕉さんが須賀川で詠んだ句をご紹介。

「風流の初やおくの田植うた」(須賀川で田植え風景を見て?)
「世の人の見付ぬ花や軒の栗」(等躬さん宅の一角に住んでいた僧・可伸さんの暮らしぶりに感銘を受けて)
「五月雨の滝降りうづむ水かさ哉」(石河の滝=現在の乙字ヶ滝で)

そして「世の人の…」の句に詠まれた可伸さんが暮らしていた庵は、この庭園の近くNTTの裏だったりします。

可伸さんについては、地元紙の福島民友新聞さんの記事をご参照ください。新聞社さんらしい、端的かつわかりやすい文章です。見習うのは難しいと思いますが、なんとなくジェラシー💦

上記の民友さんの記事より引用

「須賀川宿の隅に、大きな栗の木陰に庵を結び、世俗を避けて住む僧がいる(可伸のこと)。西行法師の歌にある、栃(とち)の実を拾う深山の生活もこんな具合だろうかと、静かな生活に共感して、持っていた懐紙に書き付けた。『栗という字は、西の木と書き、西方浄土に縁があるというので、行基菩薩(ぼさつ)(奈良時代の勧進僧)が一生頼りにして、つえにも柱にもこの木をお用いになったとか』

福島民友新聞「おくのほそ道・まわり道」より

軒の栗通りを歩き、可伸庵跡へ

「軒の栗庭園」から市役所へ向かう通称「軒の栗通り」に入ると、すぐ「軒の栗ギャラリー」なる建物が見えてきました。
OPENしているのかどうか不明だったため、立ち寄りませんでしたが、蔵をギャラリーとして使っているのかも?

通り沿いには、芭蕉さんはじめ須賀川ゆかりの俳人たちが詠んだ句を記した行燈風の照明が並んでいます。

左手に和菓子の「近江屋」さん。もしかして、祖先は近江商人?

その数軒向こうにお肉の「やまのい」さんと、だんご屋の「千成菓子店」さん。ここのおだんご、おいしかったなあ。

お肉の「やまのい」さんがある交差点を右折。右手のこんもり木立が見えるあたりが「可伸庵跡」です。

マンホールの蓋が「牡丹の街」らしい

以前、このへんで大きな猫ニャンに会いました。まだご存命でしょうか?

上記の民友さんの記事によると、等躬さんの邸宅はこのへん一帯から馬町の「結の辻」あたりまでと、かなり広かったようです。

上記の福島民友さんの記事によると、本当の可伸庵跡は別な場所だったらしい。

タタミ何帖分でしょうか。こぢんまりとした佇まいでした。実際の可伸庵は違う場所とのことですが、「こんな感じだったんだろうなあ」と簡素な可伸さんの暮らしぶりをイメージしたり。

可伸庵跡をあとにして、「軒の栗庭園」へ戻ると、「本陣跡」の案内が。須賀川宿の本陣はここにあったらしい。ということは、民友さんの記事にある等躬さんの邸宅のすぐ隣が本陣だったようです。

あらためて「風流のはじめ館」へ。施設名は、「風流のはじめや…」から名付けられたもの。アプローチには「須賀川宿」と記された行燈風の照明が設置されていました。

門をくぐると、ここにも相楽等躬さん。このへんも等躬さんの邸宅があった場所でした。

等躬さん像の左側には、「風流のはじめ館が建つこの場所は、須賀川俳諧の祖相楽等躬のゆかりの地であり、相楽本家の子孫である定邦氏の協力を得て建設に至ったものである」と記されています。

と、ここで問題が…!
近くとはいえ、ローソンに車を停めたままなのは申し訳ないと思い、車を移動させたのですが、「来館される方は須賀川市役所駐車場をご利用ください」との案内が…! 

来館される方、街歩きされる方は須賀川市役所へどうぞ♪ 

市役所の駐車場に車を停めて……しまった! 市役所前には「ウルトラの父」の像があった! 撮影すればよかった!

国道118号から市役所へ至る通りは、須賀川市ゆかりの銅版画家、亜欧堂田善(あおうどうでんぜん)にちなみ「田善通り」と名づけられています。

「猫のほっとみるく」ン10年前に訪ねたことがあります。あのお店と同じかなあ? 震災後、市役所周辺の復旧と整備が進み、街中の風景が変わってしまったので、位置関係がわからなくなってしまいました。

亜欧堂田善さんとは?
詳しくはコチラのサイト様をどうぞ♪
この時代の絵画とは一線をかくすヨーロッパ風の表現は一見の価値あり。

風情ある建物が並ぶ市役所から馬町入り口まで

車を停めて、歩いて「風流のはじめ館」へ。徒歩5分程度でしょうか。

須賀川の中心市街地では、古い建物の保存と街並みの整備が進んでいて、古い建物や海鼠壁が点在していたりします。

格子戸が風情ある建物

1階はフジ薬局さんが使っています。薬局の向かい側が大高眼科さん。母の通院につきそって、こちらの薬局で薬をもらっていたことを思い出します。
すぐ近くの安藤獣医さんは、知る人ぞ知る名医。安藤獣医さんにもお世話になりました。

もう少し行くと見えてくる「八木甚本店」さんの建物。空き家になっていますが、とても風情ある建物です。

味噌や醤油のお店だったような記憶がありますが、さだかではありません。

さらに進むと大町の通りとの交差点へ。交差点の向こうは「馬町通り」。昭和30年代に流行した感じの商業ビルや、馬のデザインが入ったアーケードが昭和レトロな感じ。

いきなり最近の話題ですが、須賀川市の中心市街地では、数年前から空き家や路地を利用したRojima(ロジマ)なる定期市(フリーマーケット)がおこなわれ、かなりの人を集めています。
今も昔も、人とモノが行き交う場所。宿場町として栄えた須賀川らしい風景かもしれません(しかし、行ったことはないのでした💦)

こちらは大町の通りと馬町商店街の交差点にある「結の辻」。整備されたのは数年前だったと思います。
7月のきうり天王祭など祭やイベント時には、テーブルや椅子を並べて飲食コーナーとして使われます。

以前はどんな建物があったのか、全く思い出せません💦

「結の辻」でも芭蕉さんと曾良さんが一休み(確か芭蕉さんの句が残る乙字ヶ滝にも、おふたりの像があったような気が…)

ここで、大町の通りを南方面(右折)
以前はちょっと雑多な感じでしたが(そこもよかったなあ)、歩道整備と電柱の地中化工事が進み、整った街並みに。

こちらはパン屋のアンジュールさん。食パンがおいしいです。
須賀川市のパン屋さんといえば、個人的にはこちらと、ハード系がおいしいマルジューさん、そして思い出の「三色パン」を販売するカギセイさん、忘れちゃいけない「玄米パン」のかめまんさん。

カギセイさん、かめまんさんは、学校の購買部でおなじみ。「三色パン」や「玄米パン」は、郡山市で行ったらクリームボックス的な……って、そもそもクリームボックスは全国区なのだろうか?

みなさん、オシャレな店舗にリニューアルされました。

それから、ふと思い出しましたが、「大黒屋cafe」という古民家っぽい隠れ家的なカフェがありました。震災後CLOSEされてしまったのが残念です。

風流のはじめ館で、芭蕉さんの旅路を再確認

余談が長くなってしまいましたが、ようやく(記事が)風流のはじめ館へ。

施設の詳しい説明は、コチラをどうぞ♪(丸投げ💦)

石と苔で市松模様を描いたアプローチ。

地面に埋め込まれた瓦のカケラ

施設前のシンボルツリー的な樹木

その横にちょっとした休憩スペース。緑陰がうれしい

施設前に咲いていたクチナシの花。撮影のために近づくと、甘く重いかおりがしました。

こちらも休憩所的なスペースなのかな? 格子がいい感じです。

施設入り口

展示室のほか、お茶会や和文化のおけいこなどに利用できる茶室や和室が整備されています。

軒下では、南部鉄でしょうか、風鈴が涼しげな音を立てていました。

夏らしい空

このあと、展示室でテーマ展「46歳、旅する芭蕉さん」を見学。
残念ながら施設内は撮影禁止でしたが、「おくのほそ道」の旅程を再確認し、全く意識していなかったけれど、自分が結構芭蕉さんゆかりの地を訪ねていることに気づきました(これは後述します)

それから「荒海や佐渡によこたふ天の河」など、芭蕉さんの句から浮かびあがる情景の解説が興味深かったです。

一通り展示を拝見して、施設の外へ。
ふたたび地面に埋め込まれた瓦を撮影。

その後、同僚と合流して、郡山へ戻りました。

もう少しだけ続きます。

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まほろ@2000年代にタイムスリップ中
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