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〈三春町への旅2024〉八雲神社祭礼の荒獅子①新町の長獅子を見たなら、荒町も見なくちゃね!

旧三春城下に伝わる3つの長獅子

7月14日(日)の田村大元神社祭礼の長獅子に続き、7月26日(金)、福島県三春町の八雲神社祭礼に奉納される荒町の荒獅子を見に行きました!

三春町では、旧新町の田村大元神社、荒町の八雲神社のほか、八幡町の八幡神社に長獅子と呼ばれる獅子舞が受け継がれ、祭礼で奉納されています。

今回「八雲神社の荒獅子を見よう!見たい!」と思ったきっかけは、昨年秋の三春大神宮の祭礼でした。

三春大神宮の祭礼には、新町と荒町が隔年で長獅子を奉納しており、昨年は新町の別火講中の当番でした。
そこで、まるで生きているかのような長獅子のエネルギッシュな動きにすっかり魅せられてしまい、あの感動をもう一度!と新町に鎮座される田村大元神社の祭礼を見に行ったところ、7月26日(金)におこなわれる八雲神社の祭礼で、荒獅子が奉納されることを知り、「荒町の荒獅子も見たい!」と、こちらも足を運ぶことにしたのでした。

田村大元神社祭礼の記事はコチラ↓

同じ三春城下に伝わる獅子舞でも、雰囲気が違うのでしょうか? 新町の田村大元神社に参加されていた氏子と思しき方は、「長獅子の動きは俺たちのほうが激しいからね」とチラリとライバル心をのぞかせていましたが、果たして…?

三春町内に残る3つの長獅子のうち、もう一つの八幡神社の長獅子も見たいので、来年の祭礼に足を運ぶ予定です!


はじまりは戦国時代。元々のご祭神は牛頭天王

八雲神社は荒町の鎮守で、地元では「きゅうり天王」と呼ばれています。

戦国時代に、京都祇園の八坂神社から疫病を祓うといわれる牛頭天王(ごずてんのう)を勧請したのがはじまりと伝えられ、提灯には八坂神社と同じ「五瓜に唐花(ごかにからはな)」の紋が使われています。

キュウリの断面に似ていますが、キュウリではないらしい

牛頭天王は、疫病を防ぐ神として、全国で広く信仰されていましたが、元々はお釈迦様が説法をしたと伝わる古代インドの僧院「祇園精舎」の守護神だそう。

神仏習合(日本古来の神道の神と仏教が結びついた信仰のカタチ)の神で、薬師如来を※本地仏とし、神道の神では素戔嗚尊(すさのおのみこと)とされます。つまり、素戔嗚尊とは仮の姿で、真実の姿は薬師如来だった…的な感じでしょうか。

※本地仏=「神道の神は、人びとを救済するために仏が姿を変えたもの」という本地水迹説(ほんちすいじゃくせつ)に基づいて作られた仏像。鎌倉時代から室町時代にかけて、全国の神社で本地仏が定められました。 明治初期の神仏分離令によっておこった廃仏毀釈により、多くは散逸してしまったそう。

牛頭天王をはじめとする神仏習合の神を祀っていた神社は、明治初期の神仏分離令により、神道の神を祀るようになりました。未確認ですが、三春町の八雲神社も、現在は素戔嗚尊をお祀りしているのかも?

7月26日の祭礼では、疫病を払うといわれるキュウリを2本奉納し、神様のキュウリを1本いただく風習があります。これは元々牛頭天王をご祭神としてしていた神社に伝わる風習のようです(間違っていたらすみません。ちなみに須賀川市の「きゅうり天王」は市内旭ヶ岡の岩瀬神社のご祭神、石背国(いわせのくに)の17代国造・豊足彦…‥あれ? 牛頭天王や素戔嗚と関係ない?)

商店街に露店が並び、人びとが集う。夏祭りの賑わい

ここからは写真で祭りの様子をご紹介♪

驚いたのは、人出の多さ! 
「菓子処 三春儀同」さん前の通りや、その前の広場には露店が並び、地元と思われる家族連れや浴衣姿の若者で賑わっていました。
三春大神宮の祭礼は、鳥居前に数軒が並ぶのみ、新町も神社前の広場にキッチンカー数台が並ぶだけだったので、ちょっと意外でした。

軒下に吊るされた御神燈
儀同さん前の広場の賑わい
荒獅子到着前、露店めぐりを楽しむ地元の皆さん(宮城のほうから来た方もいらしたようです)

参道下の石段脇に待機中のお神輿。○に「あ」と記された提灯が下がります

祭礼の最後、若連の皆さんが石段を担いで上がります

神様のキュウリと神笹、御神酒をいただく

通りに設置された案内所の方から「荒獅子の神社前到着は19時過ぎ」とうかがったので、まずは神社を参拝しました。

神社は高台にあり、そこまでは石段の参道が続いています。すでに日が落ちていたこともあり、石段の写真は写りがよくなく、掲載を断念しましたが、一段一段が結構高い! そこそこキツイです! 参拝される方はお気をつけください。

参道の石段を彩る祭り提灯

ようやく石段を登り終えると、広い敷地が広がり、正面に社殿が見えます。祭礼の日ということもあってか、「五瓜に唐花」の紋を描いた幕が張られていました。

キュウリを持ってお参りする地元の皆さん
キュウリを受け取る氏子の皆さん

社殿では氏子の方が持参したキュウリ2本を受け取り、神様のキュウリ1と神笹をわたしてくださいます。須賀川市のきゅうり天王祭と同様、神様のキュウリを食べると、病気にかからないという言い伝えがあるようです。

これがたぶん「神笹」だと思います(間違っていたらすみません)

神笹は、養蚕農家では蚕室に納めておくと、蚕が病気をしなくなるといわれ、農家では魔除けとして戸口に差しておく風習があったとか。また、牛や馬の餌に神笹を混ぜて食べさせると病気をしないという言い伝えもあるそう。

わたしはキュウリを持参しなかったので(罰当たり💦)御神酒だけいただきました😁

神社を参拝した後は、恒例の露店スナップ♪

露店グルメのよい匂いが漂います♪

おもちゃすくい♪

好みのおもちゃに狙いを定める子どもたち

祭りの賑わいを体感していたら、商店街の向こうから笛の音色が聞こえ、次第に人びとのざわめきが大きくなっていき…

荒獅子キターーーーー!!!!!

ブレた写真ですみません💦

〈三春町への旅2024〉八雲神社の荒獅子②へと続きます♪

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