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【奥会津・南会津の旅2019①】六地蔵と橋場のばんば(福島県檜枝岐村)

またまた2019年のたび。今回は尾瀬のある檜枝岐村への旅です。
檜枝岐村といえば、檜枝岐歌舞伎! 一度は見たい! だけど、またしても行き当たりばったりにつき(またか!)、チケットを取ることもなく※8月の祭りの当日に「せめて歌舞伎が披露される前の舞台だけでも撮影したい!」と思い、車に乗り込んだのでした。※わたしの勘違いで、チケットが必要なのは(有料なのは)9月の第1土曜日の公演だけかもしれません。ご確認ください!

郡山市から檜枝岐村は、車なら2時間程度でしょうか? 国道が整備されているため比較的スムーズです(ただし冬季は危険!)

檜枝岐歌舞伎の詳細はコチラをどうぞ↓

檜枝岐歌舞伎は、現在年に3回(5月12日、8月18日、9月第1土曜日)に、国の重要有形民俗文化財に指定されている茅葺屋根の舞台で上演されます。※4月に公民館でも開催されるようです。

披露される歌舞伎や舞台のつくりにも惹かれますが、檜枝岐には、他にも気になる場所がいっぱい…!

飢饉の悲惨さと悲しみを訴える六地蔵の微笑み


まずは村の中心部を通る沼田街道沿い(国道353号)の六地蔵。

この六地蔵は、「まびき」によって命を落とした赤ん坊の霊を慰めるために建立されたとのこと。顔立ちから「お地蔵様」というより「童子」の印象を受けるのは、そのためかもしれません。

近くには「六地蔵由来」の石碑が建立され、
「この地は昔から冷害になやまされ、特に凶作の年は餓死年と言い、多くの餓死者を出したことがあった。働ける者のみが働いたため(このへん不明)『まびき』という悲惨な行為があったとか。その霊を慰めるために建てられた六体の稚子像である」とあり、最後に「あはれきに 旅衣の袖も ぬれにけり 檜枝岐なる稚子の像見て 川上㐂久子作」と歌が刻まれていました。

誰が編んだのか赤いよだれ掛け
トンボが止まっています

少し早めのコスモスが夏の風に揺れて…

石仏が佇む

こちらは観音様なのでしょうか。

お花を入れて撮影してみました。

下は「檜枝岐の石碑・石仏群」が「会津三十三観音」の構成要素の一つとして、日本遺産に選ばれたときに建てられた案内板のようです。

「かつては村はずれにあった石碑や石仏も、明治26年と昭和8年に起きた2度の大火により部落が広がり、今では集落の中に点在している。
 石仏は地蔵尊が多く、長い間の風雪によって風化したものや、子ども達のいたずらで首や手、腕の欠けた石仏も多い。それぞれ趣の異なる容姿をしており、総じてどの石仏も目が微笑んでいる。墓石のほとんどは実川石という檜枝岐川流域に産する石材を使用しており、江戸中期に彫られたものが多いといわれているが、作者は不明である。国道脇にある六地蔵は享保(年間でOKか?)に建立されている。
 檜枝岐では墓場を廟所(びょうしょ)と呼んでおり、都の香りを漂わせている。

六地蔵は享保年間の建立ということは、徳川吉宗さんの時代ですね。享保という年号が使われたのは、1716年から1736年まで。ということは、あの六地蔵は約300年前の建立らしい。

ああ、なぜか真面目に書き写してしまった…!

下は「井籠造り板倉」という造りの穀物蔵。村の重要文化財に指定されています。
火事から大切な穀物を守るため、家から少し離れた畑の中に建てられたそう。厚さ10センチほどの板をセイロウのように組み合わせる工法で、窓はなく、釘や柱もいっさい使用していないとか。奈良の正倉院と同じで、建築上重要な文化財とのこと。

なんだか、こういう建築物や石碑・石仏が普通に村のメインストリートに残ってるのが、やはり「異空間」にさまよい込んだような感じで、心ひかれます。

恋に悩む女性たちを救ってきた?「橋場のばんば」

さて、ここからは「橋場のばんば」の紹介です。
「ばんば」とはおそらく「婆ア」のことかなと。
歌舞伎の舞台がある鎮守神社の参道沿いにたたすんでいます。

以下、解説板より。
「『橋場のばんば』は、大変慈悲心が深く、昔から子どもたちを水難から守ってくれるので、親たちの信仰が深い。ご覧のように笑っている顔は前歯が一本欠け、大変愛嬌のある表情をしている。以前は前川橋のたもとに祀られていたが、明治35年(1902)に起きた大洪水の際、流出寸前のところを平野与吉という力持ちが現在の場所まで背負ってきたと伝えられている。
 ばんばさまは縁結び・縁切りの神様でもあり、良縁で切りたくないときは、さびた切れないハサミを供え、悪縁を切りたいときは、切れるハサミを供えれば願いが叶うという。昔から人知れず恋に悩んだ若い男女が、こっそりばんばに祈り、幸せを得ているという。またお椀を頭にかぶせると、いかなる願いでもかなえてくれるといわれている」

 ばんばさまは、縁結びも縁切りもしてくれるらしい。そんなばんば様の前には、巨大な和裁用のハサミが奉納されていました。左のハサミ、メッチャ切れそうなんですが(;^_^

右はかなり錆び付いています

カラフルなハサミとお椀に埋もれるばんばさま。

「またお椀を頭にかぶせると、いかなる願いでもかなえてくれるといわれている」とのことらしいので、次回は必ずお椀を持っていこうと思った次第です。

それにしても奉納されているハサミのカラフルなこと!

「橋場のばんば」については、後日訪問した奥会津博物館の企画展でも紹介されていました。後日記事を追加するかもしれません。


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