〈奥会津・南会津への旅2019〉農村歌舞伎が上演された茅葺きの舞台〜「大桃夢舞台」(福島県南会津町)
またまた2019年の〈奥会津・南会津〉の記事です。
以前投稿した「沼沢湖水まつり」の記事を書いている途中、「8月3日」という日付が妙に気になりはじめました。
同じ日付の写真ファイルには入っていなかったけど、なんとなく、この日、下郷町へ行ったような気がするし、翌日の「8月4日」は何かを見たような気がする…
「沼沢湖水まつり」の記事はコチラ↓
そして、思い出しました。
8月4日は、南会津の「大桃夢舞台」を見に行っているハズ!
HD内のフォルダを見直し、2019年8月4日でネット検索。
やっぱり8月4日(日)、南会津町で開催された「大桃夢舞台」を見ていました。ということは、8月3日(土)は日帰りではなく、どこかに泊まったということですが、そちらは全然思い出せませんでした😁
こうやってみると、南会津町伊奈地域(合併前の伊奈村)はかなり檜枝岐村寄りですね💦 通りで同じフォルダに檜枝岐村の道の駅の写真が入っているハズだ。
大桃地区に残る農村歌舞伎の舞台
「大桃夢舞台」は、南会津町大桃地区の駒嶽神社の境内に残る農村舞台「大桃の舞台」(国指定重要有形文化財)で、毎年8月に上演される地域の歌舞伎の上演のこと。
かつて南会津には地区ごとに農村歌舞伎の一座があり、同じような舞台も多数あったそうですが、現存するのは「大桃の舞台」のみだとか。
しかも、この記事を書くために検索していたら、令和6年(2024年)から公演見合わせになったそう。残念なことですが、やはりイベントを維持していくのは、大変なのかもしれません。
現在の舞台は明治28年に再建されたものだそうですが、茅葺屋根の風情や彫刻と、とても見応えのある建物です。なんとか再開し、歌舞伎の舞台として活用し続けられるよう願っています。
そして、2019年にこの舞台で上演された歌舞伎や郷土芸能を見られたことに、あらためて感謝いたします。
今回の記事は、当日歌舞伎を上演された埼玉県の「小鹿野歌舞伎」の公式サイトを参照させていただきました!
当日は小鹿野歌舞伎が「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」より「 熊谷陣屋の場」、地元南会津の田島祇園祭屋台歌舞伎が同じく「一谷嫩軍記」より「組討の場」を上演しました。
田島祇園屋台歌舞伎は、子どもたちによる歌舞伎で、この年の7月に見に行った田島祇祭でも披露されていました(2019年は南会津町に行きまくっていました💦)
まずは小鹿野歌舞伎が「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」より「 熊谷陣屋の場」を上演。
小鹿野歌舞伎の上演終わり。
上演が終わり、ご挨拶する小鹿野歌舞伎の皆さん
このへん順番があやふやなのですが、郷土芸能として太鼓が披露されました。歌舞伎と歌舞伎の間に上演されていたような気がします。
少女たちによる笠踊り? 田植え踊りも披露されました。
そのほか、ひょっとこによるひょうきんな寸劇的な出し物もあったと記憶。このひょっとこさんたちの表現力がすばらしかったです。動きだけでクスリと笑えてしまった……という記憶があります。
田島祇園屋台歌舞伎による「一谷嫩軍記」より「 熊谷陣屋の場」
最後にごあいさつ。
小鹿野歌舞伎のサイトには、南会津の観光物産協会のホームページからの解説文が引用され、その中に…
「習芝居(ならいしばい)は明治40年(1906年)に上演されたのが最後で、以後は買芝居(かいしばい)が上演され、農村歌舞伎がこの舞台で行われてきました」
という一文があるのですが、「習芝居」「買芝居」がわからなかったため、調べてみました。
「買芝居」は、農村や漁村で披露された玄人によるもの。旅まわり一座のようなものを指すようです。
ネットやテレビどころか、映画館もなかった明治時代、神社の境内で上演された地元の人びとによる「地芝居」「農村歌舞伎」は、大きな娯楽の一つでした。
それを楽しみに祭りを待っていた人びとも多かったことでしょう。ましてや、人気の旅まわり一座がやってくるとなれば、当日は大賑わいになったことは、想像に難くありません。
イベントとしての「大桃夢舞台」が上演見合わせになったことは、大変残念ですが、この建物が長く保存されること、よい活用方法が見つかることを願っています。
次回も〈奥会津・南会津への旅2019〉の予定。下郷町編をアップします。やはり大内宿と塔のへつりに行っていたことが判明しました!
【旅の記録】南会津・奥会津編のマガジンです↓