夕暮れ迫る深山に響く「オーサーヤリカケロー」物悲しくも神秘的な神輿還御〜古町のまつり2019④(福島県南会津町)
今年(2023年)は9月9日(土)に神事のみとりおこなわれた福島県南会津町の「古町のまつり」(廣瀬神社の祭礼)。2019年に撮影した写真を中心にご紹介しています。
前回の記事はコチラ↓
最終回は夕方からおこなわれた神輿還御のようすをご紹介。
朝日を受けて金色に輝く稲穂の中を、神輿や色鮮やかな立花が行く朝の光景も美しかったけど、夕方の神輿還御もすばらしいです。
夕闇迫る深山に笛や太鼓の音色が響き、「オーサーヤリカケロー」の声がどこまでも続いていく……どこか物悲しく、神秘的なシーンでした。
ちょっと心残りも…。
神輿還御は動画も撮るべきでした! 神輿行列が夕闇が迫る深山に消えていく。行列が完全に消えた後もあたりに響く「オーサーヤリカケロー」の物悲しく神秘的な響きが忘れられない。あの雰囲気はやっぱり動画じゃないと伝わらないかも?です。
早朝の御神輿渡御祭のようすはコチラ↓
17時。還御行列がはじまります。
還御は定点撮影してみました。
写真はすべて2019年の撮影です。ここから4年。祭りに参加していた子どもたち、みんな大きくなっただろうなあ。
神饌を捧げ持つ子どもたちと氏子の皆さん。
御神輿を担ぐ「神人役者」の皆さんが続きます。
朝日に輝く朝の風景とは一転、夕暮れが迫る深山に暗闇が差しそめました。
鮮やかな短冊が鈴なりだった「立花」は、人びとに吉を与えて、すっかり寂しくなって…
祭りを無事に終えての安堵からか、笑顔も見られました。
金色の実りに感謝。
「オーサーヤリカケロー」と掛け声をかけながら、還御される御神輿を先導。
神が鎮座される御神輿が続きます。朝とは風景の色が全く違います。
秋は暮れるのが早い。稲を実らせたら、もう役割は終わったというような。
深山に消えていく還御行列。神々しく、怖いような雰囲気でした。
「立花」や「御幡」の役割の中学生たちも、大人とともに山へ入っていきます。
ここから山の中の参道へ。
少しずつ行列が山の中へ消えていく。
怖いような光景。
神様が鎮座する御神輿も、山中の社殿へと還御されます。
「オーサーヤリカケロー」の掛け声とともに進む行列。まるで山が行列を飲み込んでいくような…
最後の氏子さんが姿を消していきます。
行列が山の中に消えても、「オーサーヤリカケロー」の掛け声だけが響き渡ります。
どこか物悲しさを感じてしまったのは、なぜ?
一つのサイクルが、季節が終わったから? 次のサイクルにそなえ、世界が静かに眠りにつく冬がやってくる。そんな予感がするから?
「オーサーヤリカケロー」の声が次第に遠くなっていきます。しばらく、そのまま行列を見送りました。
そして、そのころ、街では「豊年踊り」の準備が着々と進んでいたのでした。
このあと「古町のまつり」の撮影中に出会った花と風景の紹介を予定していますが祭りのレポートはこれで終了です。
豪雪で倒壊した廣瀬神社の社殿が修復され、またあの金色の実りの中の神輿渡御がおこなわれ、みなさんが吉を求めて笹を取る光景が見られることを心から願っています。ることを願っています。わたしもまた訪ねてみたい! それまでに撮影スキルを磨かなくては…。
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