行きつけのお惣菜屋さん
考えた仕事の案があって、冗談ながらにも考えている。
非常識な事もあるかもしれないが、突飛な考えも現実的に考えてみるとおもしろくて、発想がずっと大きくなるのだ。
発想は冗談だろ、と言われるかもしれない。しかしそれを実行して「本当のこと」とする作戦を本気で考えるのも、なかなかにおもしろい。
こどもの頃になりたかったような仕事だったり、こんな仕事があったらいいななんて、こどもみたいに考えてみて、それをオトナである自分が現実的に考えて本当のことにしてゆく。
僕達は作られた仕事をこなすだけの生き物ではない。自分で作り出して、自分の都合の良い仕方で働いたって何も悪いことなんかないのだ。
いくつか考えた仕事の案をここに残しておこう。
前回は「お手伝い屋さん」について考えた。僕が考えるにいろんなアルバイトの経験をしていると、それこそ何でもできるようになってくる。
もちろんなんでもできるとは言っても限界こそありはするが、“働く”ということに関しての経験で、「社会に溶け込む術」とでも言おうか、働くことに関して相当場慣れする。接客はこうしたら良いし、製造はこう、飲食店はこうだ、みたいな感じで、だいたいの流れみたいなものがパッとわかるようになってくるし、その場所で働いている人との接し方やトークも自然とできるようになるものだ。
言ってみればアルバイトのスペシャリストとでもスーパーアルバイターとでも言えるかもしれないな。自分の働きやすい時間で、自分の働きたい賃金を指定して、部分的に短時間だけでも効率良く働けるならこっちのもんだろう。「何でもかんでも手伝いますよ」なんていうお手伝い屋さん、どうだろうか?
今回は「お惣菜屋さん」について考えてみたい。
お惣菜屋さんって言っても…たくさんあるじゃない!と思ってしまう。
そう、お惣菜屋さんは強烈にたくさんある。駅の中だってあるし、商店街にもある。今は飲食店内で食べたりすることが難しいから、本来店内で食べられるお店であっても、“お持ち帰り専用”にしているお店が多く目立つようになった。
なんだか良い雰囲気のお店で、ライトアップもちょっと薄暗くなっててステキな雰囲気が出ているのに、店内を使うことなくお持ち帰りにしているなんてもったいないなぁと感じることが多い。
そこで思いついたのが、店内で飲食できるのは1〜3組までにして、キッチンや店内を共有するのはどうか?と思ったのだ。
もちろん店内での飲食もできるが、基本的には持ち帰ってもらう。
店内で食べる場合には作りたてのものを提供してもらえるという「特別感」を作るのだ。それこそ、お誕生日とか結婚祝いとか、何かお祝い事やイベントがある時に関して店内を利用できる。
そもそも店内利用が難しいという状況があるのであれば、「店内を利用できるのは特別な事なんだ」というプレミア感を作る方がお客さんも嬉しく感じる事なのではないだろうか?
ある程度人数が入る時にはお店を貸し切りにしたり、結婚披露宴で使えるくらいにオシャレな空間にしても良いだろう。
僕の家族でも結婚披露宴は、とあるカフェを利用してこぢんまりとやった記憶がある。それに似ているかな。
店内はケーキ屋さんみたいなガラスのケースが3つほどあり、そこにお惣菜がずらりと並んでいる。
僕が考えたのはお惣菜というか、「おつまみ屋さん」である。
居酒屋に寄ることが難しい近年、居酒屋メニューを欲している人は多くいるだろう。
お持ち帰りできる居酒屋メニューがひとつのお店に3店分も揃っているのであれば僕としては嬉しい悲鳴をあげる。
お寿司屋さんみたいな生物を置くのはちょっと難しいかもしれないが、家で作るのが難しい炭火の料理やオーブン料理、手間と時間のかかる料理を作ってもらって、ちょこっとお持ち帰りする。
友達と家飲みしようと言って、3人くらいで2品ずつチョイスして仕事帰りにお持ち帰りすれば、金曜の夜は楽しみになるに違いない。
これは僕だけかもしれないが、金曜日の夜は決まったお店で買い物をして、そこのおつまみを買って帰って家で食べるという習慣を付けると、妙に金曜日がおもしろくなる。是非やってみてほしい。
本物の燻製屋さんの回でも考えたが、金曜日の夜くらいちょっとだけ自分を頑張ったねと褒めてあげるようなほんのちょっぴり贅沢をしたって良いよね。自分ちじゃできない燻製やおつまみを食べられるのは良い。
ちょっと特別なおつまみを金曜日の夜に食べたいよね。
お店に入って飲食ができないというのはある意味では家飲みが充実するチャンスなんだと思う。
飲食店も、世間に飲食店の充実を求めるのではなくて、家の食事を充実させる事を目指すなら、もうちょっとおもしろい生活が生まれるんじゃないかな?
今を不自由だと言って誰かに文句を言うのは簡単な事。そこをちゃんと新しい時代と様式が生まれたと思うなら、また新しいビジネスが生まれるんじゃないかなと考えたのだった。