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積乱雲と未踏の町
こんにちは。気象予報士の木下和花です。
連日猛暑が続いているのに蝉は元気ですね。
このように地表付近の気温が上がると、天気予報の現場では、夕立の発生も気になります。夕立を引き起こす雲を積乱雲といいます。
背が高く、白いモクモクした雲で、私は幼稚園の頃「シュークリーム雲」と呼んでいました。とにかくモクモクしています。
積乱雲、横から
この雲の下では、土砂降りの雨や雷、竜巻など、激しい現象の起こるおそれがあります。一方で横から見た積乱雲――山の向こうに見える積乱雲は、夏らしく風情を感じさせてくれます。
「あの雲は一体どこで雨を降らせているのか?」そう考えたことのある方もいらっしゃるかもしれません。山をはさんで隣にある町……実はもっと、もっと、遠くの町/県で雨を降らせている可能性があります。
この積乱雲、200km先からでも見えることがあるといわれています。
鳥取県で言うと、西の端の米子市から、東の端の鳥取市で雨を降らせている積乱雲を見ることができても、不思議な話ではないのです。
積乱雲が遠くに見えたら、ぜひレーダー(気象庁サイト:雨雲の動き など)を見てみてください。積乱雲がどこで雨を降らせているのかを見ることができます。
地球儀を回したり、地図アプリを使ったりすると、行ったこともない所に旅行した気分になりますよね。積乱雲でも、行ったこともない町と繋がった気分になれるかもしれません。
私も和歌山の家から奈良の雲を見たときの感動が、今でも心に残っています。
積乱雲、下から
横から見ると、ロマンチックな体験もできる雲ですが、この雲の下では、激しい現象に遭遇するおそれがあります。
空が急に暗くなる
冷たい風が吹く
雷の音が聞こえる
これらの前触れがあったら、積乱雲接近の合図です。
また、「冷たい風が吹く」について
「雷様におへそをとられるからお腹を隠しなさい」
といったような言葉を聞いたことはありませんか?
実は「雷雲が近づくと冷たい風が吹き、お腹が冷えるのを防ぐため」
という説もあります。理にかなった言い伝えかもしれません。
夏のレジャーの際など、このような前触れがあったら頑丈な建物へ、難しい場合は車に避難するようにしてください!