文学フリマ福岡で買った本①

先日出店者として参加した文学フリマ福岡10にて、たくさん本を購入しました!

その①
その②

感想をぽちぽちnoteに綴っていこうかと思います。
Xだと文字制限があるのと、誤字ったときに修正ができないので。
ちゃんと確認してから投稿すればいいんですけどね。確認しても誤字と別れられないダメな女・来宮ハルです。
書けたらXでお知らせ、という感じにしていこうかと。


崇高なる消費/ちかげさん

「推し」がテーマの表題作。うまく「推し」が作れない主人公の前に、同じく「推し」がいない転校生が現れ、交流を深めていくのですが。
途中までは、周りとのズレを抱えていた主人公に、理解者が現れたんだな……よかったな……と思えるんですが、途中から様子がおかしい。読み進めるの怖い(でも読む)。まさかのラストでした。
「青い春を呪う」「推しとXXしないと出られない部屋」も、心がひりつくお話でした。いずれのお話も解決や救済がラストで提示されない。もやっとするけれど、ずっと頭の隅に残るようなお話ばかりです。

前作、前々作もそうなんですが、ちかげさんの作品っていわゆる「悪者」があまりいないなって印象があります。すごく純粋というか。純粋ゆえの無自覚な悪意を描きだすのが本当にうまい方。
特に「青い春を呪う」の花瓶のくだりはウワッ……てなりました。

あと、過去の作品と微妙にリンクしてるのってすごくテンション上がります。ニヤニヤしちゃう。通販も始まってるそうなので、ぜひ!

おうちカフェタイム/うめおかかさん

うめおかかさんといえばおいしいもの小説、というイメージがつきつつあります。
おうちでのちょっとした贅沢。生活の中に彩りを加えるカフェタイムをテーマに5つの短編からなる一冊です。
読んでいるだけで、甘い香りや、グラスの氷が溶ける音、カトラリーと食器がぶつかる音なんかがリアルに響いてきます。
支度から実食までの描写がとても丁寧で、それを通した心の動きにすごく癒されます。

どのお話もとても素敵なんですが、個人的にはメロンソーダとスコーンのお話がすごく好きでした。忙しい中のひとときやひと仕事終えた後のプチ贅沢の幸福感が……たまらん!この2作でほうっとしました。
忙しいときこそ、食の癒しは大事!大事!!!
ところでわたしは、なぜこんな時間にこんな腹が減る本を読んでしまったんでしょうね。お腹の音が止まりません(現時刻0時半)
今からなにか食べたいところですが、時間が時間なのでやめときます。水を噛んで飲みますね。

この街のどこかで/石丸明さん

いしまるさんの新刊だー!と文フリ前から小躍りしていました。ようやく読めて嬉しいです。
3つの短編からなる一冊。いずれも穏やかな文体ですが、それぞれ異なるアプローチで描かれている印象を受けました。(執筆時になにかテーマがあったんでしょうかね?)
表題通り、この街のどこかで、ひっそりと起こっているような。なにかドラマチックな出来事や、小説らしい奇跡が起こっているわけでなく、もしかするとわたしが知らないだけで起こっていることが、この本には切り取られているのかもしれないな。なんて思っています。

「ほんと、馬鹿だよね」が一番ぐっときました。報われてほしい。だけどそのときは、おそらく来ない。諦めたほうが絶対に合理的なのに諦めきれない。
人間ってつくづく面倒だし、愛おしい生き物なんだなと思わせてくれるお話でした。人間がこうだから、きっと小説がおもしろく感じるんでしょうね。

ところで。一方が想いを隠して、繕ってしまう話がわたしは三度の飯より好きなんですよ。隣で運転している人が、だれよりもあなたのことを思っているんだよぉ!とおせっかいおばさんムーブをかましたくなりました。
前も言った気がするけど、ままならないというか不器用な人たちを描くのがいしまるさんは本当にお上手なんですよ……!

四十路女はある日、詩を書きたいと思った/氷砂糖さん

わたしが初めて文フリに参加したときからお世話になっているこおりさんが、詩の本を販売されると聞いて購入!
小説のイメージが強い方だったので、詩も書かれるんだな〜とちょっと驚きました。
普段小説を書かれる方が、詩を書くとなるとどういう感じなんだろう。言葉選びなんかも小説とは異なるのかなあと興味深かったんです。

詩についてはまったくのど素人なので、なに言ってんだこいつみたいな感想になりそうですが。小説のような細かい情景描写がない分、読んだタイミングや読み手によって、意味が大きく変わってしまうのかも、とか。
「美しい星」という詩を、何度か読み返していろいろ考えたのですが、前向きに生きる(平たく言いすぎて申し訳ないのですが)のか、行き先を見失ってたたずんでいるのか。どっちにも受け取られて、だけどそれって人じゃん。みたいな。
真面目に勉強したら奥深いかもしれない。
こおりさんが詩を書くに至った経緯や、短編もあったりして、贅沢な一冊でした。

腹が減ったのと眠いのとでひとまずここまでです。
今回も結構買っちゃったので、ぼちぼち読み書きしたいと思います。
文フリ東京の準備もあるので。でも東京でもたぶんまた買い物するよね……


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