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本読みの履歴書 16

100冊まであと少し。
この記事はもともと「人生初期の100冊」というタイトルでmixiに出していたものでした。高校時代は楽しくのんきにまんがを描いたり友だちと遊んだり勉強したりマイナーな部活をしたりしていたのですが、通学距離が長かったのでその間に文庫本などを読むことも多かったです。
ひとつ前はこちら。


<SF系統の文庫ばかり読んでいた>

88.E・R・バロウズ 「火星のプリンセス」 創元SF文庫

エドガー・ライズ・バロウズ(「裸のランチ」のウィリアム・バロウズではありません。別人)は、一時、浴びるほど読んでました。この火星シリーズはもとより、金星シリーズ、月のシリーズも。要はお姫様と英雄の話です。「スペースオペラ」と称されていました。

なんでこれを読み始めたかなあ?
とにかく創元推理文庫が御用達だったのですが、文庫本の最後って今でも他の文庫の紹介が載っているじゃないですか。昔の文庫ってあそこが単なる紹介じゃなくてそれまでの既刊本リストだったんです。だーっと5~10ページくらいありました。
そのリストをなめるように眺めて、次はどれを読もうかなあ、とニヘラニヘラするひとときが幸せだったんです。でへへ。

火星シリーズは確か全部で9巻あって、全部買って読みました。当時から自由になる小遣いはほとんど全て本だったのです。本じゃない時はレコード。
(そうなんだよ、サブスクどころかCDもまだ無い時代だったの)
2000円くらいのLPレコードを、迷って迷って何週間も悩んでやっと買う、という感じだったかな。その割に本は金があるだけ全部使ってしまうところがあって……ああ今も変わっていない。むむむ。

本に戻りますが、この物語は、火星人の笑いが「憎しみ」の表現だってのが新鮮でしたねえ。笑い顔は憎んでる時で。だから地球人の主人公は当初誤解してピンチに陥るのです。

だけどね、いま読むと本当にB級ハリウッド映画みたいで、現代ではポリコレ的にいろいろアレかなーって感も。



89.ラブクラフト 「ラブクラフト短編集」 創元推理文庫

SFではないですけど。

きょわいよ~~~~~~
最初が「インスマウスの陰」で、ああもうこのタイトルをタイプするだけで、おぞぞーーという気持ちがよみがえってくるわ。

この本については以前、30daysbookchallengeでも取り上げました。ホラーは高校時代はまだそこまで苦手じゃなかったのですが、これはほんとに怖かった。そして二度と読み返さないので何がそんなに怖いのか説明することが出来ません。でも本当にもう絶対に読まない。絶対に絶対に読まない。

ホラーは、近年は特にダメになりました。
とにかくドキドキすることが苦手。怖いのはもとより、悲しかったり憤ったりするのも苦手です。だから映画が見られない。映画館ってアマプラと違って逃げられないじゃないですか。放映が始まったらずっとそこにいなくちゃならない。それが苦痛でどうも足が遠のきます。いまもオットが「たけしの『首』が見たいんだよ~」と言っていますが、わたしゃ合戦が出てくるだけでダメなのよ。あの緊張があかんのですわ。

そうなんです。緊張に弱いのです。
それも「人前に出る」タイプの緊張ではなく、「周囲の強い感情に触れる」のがしんどい、というか、耐えられない。誰かが酷い目に遭ったり恐怖を味わったり怒り狂ったりすると、見ているだけで神経がビリビリ痛んでトラウマになってしまうんです。自分が辛くなるのがわかっているので見ないんですね。損な性格です。カーチェイスとかも苦手。サスペンスも苦手。見るものがないですね。最近はテレビドラマも見ていません。

ともあれ、ホラーがダメってことは人生の少なくとも2割くらいは損をしているかもしれません。でもこればっかりはどうしてもできないんですよ。


90.ハインライン 「夏への扉」 たしかハヤカワ(うろ覚え)

山下達郎も歌ってます。(ほんとだよ)

ハインラインのこの作品はコアなガチSF勢からは
「あんなん正統なSFじゃねえ」
という扱いを受けているらしいのですが、いいじゃないの面白ければ。
多分タイムワープものとしては時間を遡る際のつじつまが少しきちんとしてないとか、恋愛の部分が気に入らないとか、そういうことなんだと思うのですが。

でもJKの森野は好きでしたよ。ハッピーエンドなので読後感が爽やかで。
結構好きな人も多いと思います。いいじゃないの爽やかならば。


91.アン・マキャフリィ 「クリスタル・シンガー」 ハヤカワSF文庫

これはまさにアメリカン・ヒロインというか、元気でアグレッシブに生きてる女性がガンガン上り詰めていってみんな手に入れる、という話。直球ストレートで骨組みは「シンデレラ」。うーん、当時の自分はあまりこういうのは好まなかったですね。なんか若いころのジュリア・ロバーツあたりが主演でハリウッド映画になってる感じ。

というわけで続編の「キラシャンドラ」は未読。
でも、じゃあなぜこのリストの中に入っているのでしょう? わからんなあ。「きらい」と言いながら本当はうらやましく思っていたとか、そういうことなのかもしれません。



あれ、おかしいなあ。どうしてミステリが全然出てこないんだろう。あんなに読んだのに。
あああっ、アーシュラ・ル・グインが抜けておる!
「闇の左手」や「ゲド戦記」もよかったですけどね、サンリオ文庫の「辺境の惑星」ってのを最初に読んだんですよ。おもしろかったですよ。
サンリオ文庫、このほかにロジェ・カイヨワの何かを買って読んだ記憶はあるのですが、「まったくわけわかんなかった。理解できなかった」という思い出だけが残っています。

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