勝負は入社3か月!
気が付けば、もう7月。
日差しが強く照り付け、暑さも増す中、
ビールがおいしい季節がやってきました。
仮に4月に管理職の登用辞令が
出た方であれば、3か月経過した時期に
差し掛かると思います。
管理職になった方も
新たな職場になった方も
ちょっと環境が変わった方も
そうでない方も
この「3か月」は期間として
かなり重要です。
限られた表現方法の中、
文章だけで伝えきれない部分もありますが
これを読んで少しでもお役に立てたら、と思います。
また「コレかも!」と思うものがあれば
ぜひ試してみてください。
試行錯誤、皆、迷いながらあれこれ試して
経験を重ねています。
進学、就職にしても
クラス替えにしても何にしても、
新しい環境に飛び込むとき、
誰しも不安に思うもの。
周りの多くが初対面であれば、尚さら。
でも、徐々に環境に慣れていきますよね。
ニンゲンは適応能力が高い。
最初は緊張してがむしゃらで
夜になるとヘトヘトになっていたのが、
1日のスケジュール管理や、
体力の配分なんかもうまくできるようになり、
場合によっては手の抜き方まで
覚えてくる。
「自分の仕事、自分のペース」が
固まる期間がだいたい、「3か月」と
捉えています。
だから、自分が転職したり
異動があったりしたときは
この3か月間で、如何に自分を追い込むか、
考えながら取り組む。
これは受け入れる側にも同じことが言えて、
異動者の受け入れ、中途・新卒社員の受け入れでも
この「最初の3か月で如何に教育するか」、が
重要になってくる。
なぜか。
この期間で概ね自分の仕事は
「コレだ」という認識が固まるから。
この期間に本来やってほしいことや
キャリアプランの話をしていないと、
それ以降で追加で依頼した仕事は
自分の本来業務として
認識しなくなる可能性が出てくる。
もちろん、いつまでもハングリー精神をもって
常に勉強熱心、変化を恐れず、
変化に対応しなければ、と思って行動している方には
こんな期間は特に関係ない。
そういった社員、メンバーに囲まれて
業務に当たられている方がいたら、それは、
幸せでしかない。
自分は、残念ながらそういった方に
囲まれては、いなかった。
過去の経験からすると、
この「3か月」を意識しながら教えていても
途中で思考が固まり始める。
業務を行うことが仕事のはずなのに、
報告書(日報など)を書くことが仕事になってしまっていたり、
本来、業務時間内に行うべきでないニュースなどの
情報収集が業務時間内に組み込まれてしまったり、
直近の業務に関係のないエクセル機能や関数を
業務時間内にネットで調べて勉強していたり。。。
例を挙げたらキリがない。
伝え方に、問題があったか。と自分を省みるしかなかった。
自らの管理の甘さを反省しつつ、成功例と失敗例を挙げて
彼らの心理を考える。
「入社3か月が勝負だ!」
「慣れるまで大変かもしれない、3か月は我慢だ!」
新卒社員や中途入社の社員を受け入れ、
最初にかけた言葉。
それ以降も、鼓舞する意味で、時々、そういった言葉をかけた。
ただ、実は、最初からフルスロットルの
エンジン全開なわけもなく、様子を見ながら、
業務時間内に「何もしていない」状況を
極力つくらないように調整していただけ。
段階を重ねて、
3か月くらいすれば、
何となく形になるかな、という感覚。
最初は景気よく、成功例から。
これは新卒社員への対応。
最初はマンツーマンで、かなり時間を割いて
教育に当たった。
当時の人事管掌していは総務は、新卒社員に
外部の「ビジネスマナー研修」を受講させ、
各部門を巡らせ、フワッとした研修を3か月間行って
いざ、本配属。
フワフワした研修では、第一線で勝負してもらうには
不十分なので、これは、個別に時間を取って、
会議室を押さえ、資料も作成し、ホワイトボードを使って、
会社の組織編制から始めて、決裁過程などの内側の部分を説明、
それから
部署内の年間スケジュール、伝票と商品の動き、
お取引先との取引の流れの中で、見えている部分と
見えていない部分など仕組みの説明を
中心に行った。
そして、最後に
「全体像の話をしたけど、個別の業務を積み重ねていくうちに
振返った時に、意味がわかって理解が深まるから。」
「だから、今、全てを理解しなくていい」
と、伝えた。
これは何度か日にちを分けて、丁寧に行った。
そして、3か月ほど(いやもう少しかかったかも、
新卒だから)経過すると、
「仰っていた意味が、段々わかってきました!」
というようになってきた。
ちょっとテクニカルな伝票処理についても、
疑問があると質問してきた。
「何か引っかかる」、「どこか腑に落ちない」
わからない部分はわからないにしても、
どこか間違ってる気がする、この感覚がつかめることが大切。
そして、その部分を質問しにくることがもっと大切。
これができるようになれば、一定の理解ができたと認められるので
もう1年目としては合格。
大抵の場合、何となくわかった気がして
「わかりました」
で済ませることが多い。
部下の「わかりました」ほど
信用できないものはない。
そして、失敗例。
30代中盤、中途社員。販売職経験があって、
営業職として採用された。
どうしても、
営業職未経験、という点が引っかかっていたので
新卒と思って、新卒社員と同様に
個別に時間を取って研修を実施した。
「わかりました」
質問を促しても、無理やり捻り出したような
質問が多かったことと、
上記のような言葉を聞いたら、
社会人1年生でもないので、
「わかりました」を、鵜呑みにしていた。
質問が多ければ、説明の仕方を変えて
別の角度から説明したり、わかりにくい部分に
重心を置いて時間を割くこともするけど、
理解が早くて何より、と思っていた。
しかし。。
事はそんなに単純ではなかった。
振返ってみると、説明した内容の多くは理解されていなかった。
当初強化していた「最初の3か月」、
「わかりました」という返答が
多かったため、個別研修よりも営業先を任せて
実務の比重を高め、
細かいことは言わないようにしていった。
実は、この社員は中途入社後、
隣の営業部門で半年の経験を経て、
こちらに異動となった社員。
もう既に、営業職としての「3か月」は過ぎていたのだ。
待遇とのバランスをみて、
担当を持たせることにした。
すると、全然仕事が追い付いていないようで、残業の申請が多くなった。
しかも、定時を1分でも過ぎると、全て申請があった。
仕事の進め方の確認が必要だと思い、
「どの辺りに苦戦してる?」
ときいても、
「慣れてないので時間がかかっているだけです、大丈夫です」
との返答だった。
いやいや、そういうことじゃなくて。。と思いながら、
30代中盤ともなると、それなりの自我もあるので
ここは見守ることにした。
ある日、こんな話を耳にする。
「こないだ○○くんが、こんな仕事量、絶対おかしい!
なんで?前の部署では全然少なかったのに!」と
憤ってあちこちで不満をぶつけていたとのことだった。
うーん、参った、これは。
確かに隣の部署は働かないヤツが多いからな。。
(そういうことじゃないか。。
でもそこからも短期間で弾かれてるということは、そういうことなのか。。)
プレイングマネージャーとして自分が抱えてる担当先を、
もう少し任せたいところなんだけどな。。
残業申請は、理不尽な業務量を
お金で解決せぇ!の意思表示だった。
また彼の
「わかりました」は
既に聞く気がない
「わかりました」で
常に、自分に理不尽な量の仕事が振られている、
という不満があって、
それに対する憤りから
早く終わらせたい
「わかりました」
だったのだ。
いやー、参った参った。
そうは言っても、すぐに現状を変えられるわけでもないので
お互いに干渉し過ぎず、やり過ごす。
ある日、彼のPC上で共有フォルダにファイルを
移してもらわなければならないことがあり、
その説明に彼の席に行った。
そして、ファイル移動を促すと・・・
アイコンを一つずつ、ひとつずつ、
ドラッグ、アーンド、ドロップ!
約20のファイルをひとつずつ!
そして、よくよく見ると、文章を入力するにも
よく悪い意味の比喩である、いわゆる「E.T.打ち」
だった。
なるほど、それは、時間が、かかる。
少なくとも、入社して半年以上経過してるんだから、
どうにかならないものか、、と思ったが、
逆に既に固定化してしまったものだから仕方ない、と諦めた。
「一定の経験者」、という意味での中途社員に対し、
固まってしまった思考をほぐし、
イチからよいうより、ゼロから教え直す労力を割き、投資するだけの
時間と体力が、自分には残っていなかった。。
これは、大きな、失敗。。
完全に見誤った事例。
諦めるときは、諦める。
人間、いろんなひとがいるし、
誰しも完璧じゃない。
そうつぶやきながら、キンキンに冷えたビールで、
モヤモヤを流し込む。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。
お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。
きのした