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ユキちゃんのビジネスモデル調査ノート〜小松製作所編〜

こんにちは!
今回はユキちゃんに作業着を着せたかった……というのは冗談として、日本の建設重機の要となるメーカー小松製作所(コマツ)について調査している様です!

●今回のテーマ
小松製作所(コマツ):建設機械で世界トップクラスのシェアを誇ります。
あくまでユキちゃんの調査結果です

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【建設機械メーカー:小松製作所】

 私、ユキは社会人2年目。中小企業の販促企画を任されるようになったばかりだ。いつものように朝から慌ただしくバスに揺られ、会社のオフィスに向かった。都心の雑踏の中にある小さな事務所に着くと、薄い仕切りで分けられた狭い空間が私の職場。パソコンと資料が占領するデスクに座り、目を擦りながらメールを開く。

 その日、上司から新たな指示が飛び込んできた。「次の販促プロジェクトを頼むぞ、ユキ君。」カチッとした口調と交じる微妙な敬称。まだ新米扱いということだろう。資料を見ると、今回のターゲットは地元の製造業者向けの新型工具の販促らしい。より効率的な作業を可能にする製品なのだとか。

 正直、私はどうすれば良いのかわからなかった。今までは先輩が企画したプランの一部を手伝うだけ。今回は企画を一から組み立てる責任がある。上司は「今まで通りじゃダメだ、何か新しい提案を」と言うが、その「何か」を掴むのが難しい。

 昼休みになってもアイデアは浮かばない。パソコンの前で腕を組み、参考資料を読んでも頭に入らない。ネットでマーケティングの成功例を探してみるが、大手企業の華やかな成功事例はどうもピンとこない。私たちみたいな中小企業が同じ手法を真似できるとは思えない。

 その日の夕暮れ、疲弊したまま帰宅して玄関を開けたとき、部屋の中にはいつもの不思議な光景があった。私が一緒に暮らしている「うさぎ先生」が、小さな手で羊羹の切れ端をつまみ、ちょこんと食べているところだ。ふわふわの白い毛並み、長い耳、そして教授然とした落ち着きある声。「おかえり、ユキちゃん。今日は浮かない顔をしているね。」

 うさぎ先生は、数ヶ月前に私がマンションの前で拾った謎の存在だ。その正体は、マーケティングと心理学、AIまで研究していたという伝説のマーケッター。その昔、闇組織によりウサギに変えられ、今も元に戻れないという奇妙な過去を持つ。最初は信じられなかったが、彼が与えてくれる示唆はいつも鋭く、私の仕事にささやかなヒントを与えてくれた。

 「はぁ…今日ね、新しい販促企画を任されちゃったの。でも、どこから手をつければいいか全然わからなくて。」私はスーツの上着を脱ぎ、ソファに腰掛ける。かすかな夕陽がカーテンの隙間から漏れ、部屋はオレンジ色の光に包まれていた。子供の頃、夏休みの夕方に駄菓子屋から帰った時みたいな、ちょっぴりノスタルジックな感覚が私を優しく包む。

 うさぎ先生は耳をひくひくさせ、哲学的な目つきで私を見つめる。「ユキちゃん、ビジネスモデルを学ぶのはどうかな。優れた企業を見ることで、今の問題を分解し、新たな観点を得ることができる。そうだ、建設機械で有名な『コマツ』を調べてみるといいよ。」

 「コマツ?あの建設現場で見かける黄色いショベルカーとかブルドーザーのメーカーでしょ?私の仕事と関係あるのかな?」疑問を隠せず首をかしげる。

 「もちろんだよ。」うさぎ先生は前足でトントンと机を叩く。「コマツは建設機械メーカーとして世界トップクラスだが、ただ重機を作っているわけじゃない。顧客の課題に寄り添い、信頼関係を築くことでビジネスを成長させてきたんだ。顧客心理やマーケティング戦略が凝縮されているから、学ぶことは多いはずさ。」

 私は半信半疑だったけれど、先生の進めることに無駄はない。彼は昔、1万社以上の企業をサポートしたという伝説を持ち、マーケティングと心理学の権威なのだ。うさぎ姿になっても、その知恵は衰えていない。ならば試してみるか。

 「わかった、やってみる。明日からコマツについて調べてみるよ。」
 その夜、私はパソコンを立ち上げ、コマツの公式サイトやニュース記事、各種アナリストレポートを読み漁った。そこで出会ったのは、想像を超えるスケールのビジネスモデルだった。単にショベルカーを売るだけでなく、その後のメンテナンスやサポート、さらにはIoT技術を使った機器の稼働状況把握まで、一括で提供する仕組みがあることを初めて知る。

 なるほど、大きな建設プロジェクトには、大量の機械とその稼働状況、故障対策など複雑な要素が絡む。その煩雑さをコマツはまるごと引き受け、顧客に「安心」を提供しているらしい。お客さんが本当に求めているのは機械そのものだけじゃなく、機械を安心して使いこなせる環境なのかもしれない。

 私は画面越しに見えるビジネスモデル図を前に、少し興奮した気持ちになった。なるほど、「機械を売る」のではなく「顧客が上手く機械を使える体験を売る」という発想。これは私の販促計画にも何か活かせるかもしれない。

 その夜、私の頭の中には、コマツのビジネスモデルが揺らめく火種となり、どんな風に自分の企画へ反映しようかとわくわくしながら眠りについた。


【小松製作所編:学びと葛藤】

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