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AIを使ったROI分析で成果を改善しよう!

こんにちは!
費用対効果出してますか?キャンペーンを行った際に『成果はどうだったのだ?』と聞かれるのは定番ですよね!そんな中広告の成果指標として使いやすいのがROIという指標です!

『広告指標を頼むならロイ君』とイギリス人の友達みたいに覚えると覚えやすいかもしれません。
※表紙の男の子のイメージ

●今回のテーマ
ROI分析にAIを活用するにはどうすればいいか?

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ROIの計算式:ロイ君は利益を投資で割る

ROI (%)=利益÷投資額×100

100%のROIは、投資額の倍のリターンが得られたことを意味します。


ROI分析から始まる新しいロボくん

 「ねぇ、ロボくんって、ほんとにまた動くの?」
 ユキは半信半疑のまま、古びた四角いロボットのおもちゃを手にとって、不思議そうな瞳で問いかけた。部屋の片隅でほんのり昭和の雰囲気を残す小さなワンルーム。木製の古い棚や、夏祭りで取った風鈴、少し色褪せた座布団が、どこか懐かしくさせる空気を醸し出している。その中で、ユキの膝上には、つい先日まではただの置き物だったロボくんがちょこんと座っていた。
 一方、その横で長い耳をピンと立てたうさぎ先生が、まるで大事な講義を始める前の教授のように姿勢を正している。丸い瞳が優しく光り、ユキの疑問を聞き流さず、しっかり受け止めているようだった。うさぎ先生は、もふもふの体を小さく揺らしながら静かに微笑んだ。かつて著名なマーケティングと心理学、そしてAI研究の権威だった彼は、今は声を張り上げる代わりに、柔らかい言葉でユキを導く。
 「ユキちゃん、ロボくんは単なるおもちゃじゃないよ。私のスマートフォンをセットすれば、この子はAIを通じて再び意思を持つんだ。先日の改造でかなり使えるツールになったからね。あなたの困りごと、つまり今度任された販促キャンペーンの手伝いにきっと役立つはずさ」
 ユキはため息交じりにうなずく。社会人2年目の若いOLである彼女は、中小企業の販促担当を急に任され、その重圧に戸惑っていた。上司から言われた「ROIを改善してね」との言葉が頭をぐるぐる回り、何から手をつければいいのか、見当もつかない。ROI(投資対効果)という理屈は聞いたことがあっても、具体的な施策は全くの素人。「ターゲット層をどう絞るか」「顧客心理をどう読み解くか」そんな言葉はまるで異国の呪文のように感じた。
 ふと窓の外を見れば、夜の下町。古い路地が黄色い街灯で浮かび上がり、遠くでは豆腐屋のラッパが小さく響いてくる。自分の中の何かがくすぐられるような、懐かしく温かい気配。その空気に背中を押されるように、ユキは小さく笑みを浮かべた。こんな小さな部屋で、うさぎ先生とロボットが相手なら、難しい言葉もすこしずつ噛み砕けるかもしれない。
 「えっと……じゃあ、まずは何をすればいいのかな? 私が任されたキャンペーンって、小売店のオンラインセールなんです。上司は『若い女性向けの商品を売れ』って言うんだけど、具体的に何が若い女性向けなのか、どうPRすれば心に響くのか、よくわからなくって」
 うさぎ先生は小さな前足を組むようにして、まるで昔教壇に立っていた頃を思い返すように語りだす。
 「まず、キャンペーンには明確な目標が必要だよ。ROIを高めるには、投入したコストに見合った効果、つまり利益や反応がなければいけない。そのためには『誰に何を伝えるのか』をクリアにしないとね。それがターゲット設定だ。若い女性と一口に言っても、高校生、大学生、新社会人、主婦などライフステージや価値観は多様だろう? それを細かく分析して、訴求ポイントをつくるんだよ」
 「……なるほど。じゃあ、どうやってそのターゲットを決めればいいの?」
 ユキが首をかしげると、うさぎ先生はロボくんに目で合図する。ロボくんはちょこんと跳ねるようにしてユキを見上げ、機械的ながら滑らかな声で応えた。


 「ボク、ロボクン。AIデータ解析、オテノモノ。今アル顧客データ、SNS上ノ反応、購買履歴ナド、スマホニ保存サレテイル情報ヲ分析デキル。キミガ欲シイデータノ条件言ッテクレレバ、最適ナ層ヲ抽出スルヨ」
 ユキは思わず息をのむ。「え、そんなことができるんだ。じゃあ、私の会社が想定している若い女性、たとえば20代前半で、ファッションアイテムに敏感で、SNSをよく使う層とか、そういう抽象的なイメージを言えばいいの?」
 「ソウ、具体テキナ条件ヲ示スト分析カノウ。ROIハ、投入リソース二対シ、得ラレルリターンヲ最大化スル指標。タダ闇雲ニ宣伝シテモ効果薄イ。ターゲットヲ絞リ、心二響ク切リ口ガ必要。心理的フックヲ作レバ、行動ニ移リヤスイ」
 そのロボットめいた声を聞きながら、ユキは何となく、昭和テイストの部屋とロボくんのハイテクさのギャップに微笑みたくなった。ノスタルジーと最先端が奇妙に同居する。そんな空間が、自分を新しい方向へ導いてくれる気がした。
 「じゃ、私……やってみるよ。ターゲットを20代前半、SNS活用度が高く、自分を表現したい層にフォーカスしてみる。そこに合わせたキャンペーンを考えて、ROIを測ってみる。できるかな……?」
 すると、うさぎ先生は穏やかに頷く。「もちろんさ、ユキちゃん。最初から完璧を求める必要はない。小さな一歩から始めればいいんだよ。ちなみにコピーを書くときは、人間の心理のツボを押すことが大事なんだ。誰だって、自分をよりよく見せたいし、仲間外れになりたくない。そんな気持ちをくすぐる言葉があれば、行動が変わる可能性が高まるんだ」
 「心理的ツボ……ね」ユキは納得できそうで、まだ漠然とした思いを抱えたまま、そっとノートにメモを取った。
 こうしてユキは初めてのキャンペーン施策に着手した。だが、その計画はまだ粗い。ROI分析の手法も十分理解していないまま、急いで広告文面を考え、ターゲット層へSNS広告を投下したのだ。なんとなく「かわいい」「お得」「みんな注目」そんな曖昧な言葉が並んだキャンペーン。自信はなかったが、とりあえず動かしてみなければ分からない――そんな気持ちだった。
 窓の外では、小さな風がふんわりカーテンを揺らしている。下町の路地裏で、夜が静かに深まる音がする。その中でユキは、うさぎ先生とロボくんという不思議な仲間を得て、小さなチャレンジを始めたのだった。


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