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うさ×ゆきの【成田悠輔】にインタビューしてみた
こんにちは!
今回はあの成田悠輔さんにインタビュー。日本トップクラスの頭脳にうさぎ先生も戦闘体制を感じる流れになりました。
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成田悠輔は、1985年東京都生まれの経済学者。北区立滝野川小学校を経て麻布中高一貫校を卒業するも、睡眠障害などで不登校を経験。高校時代に父親の失踪や母親の病気など家庭的困難を抱えながら、一浪後に東京大学に進学。2008年にはリーマン・ブラザーズでインターンを経験。
2011年に東京大学大学院経済学研究科修士課程を修了後渡米し、2016年にMITでPh.D.を取得。同年イェール大学経済学部アシスタント・プロフェッサーに就任。労働経済学や教育経済学を専門とし、多くの教育・研究機関や企業と共同研究を行う。一橋大学特任准教授、スタンフォード大学客員助教、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)客員研究員なども歴任。
受賞歴には、東京大学「大内兵衛賞」、内閣総理大臣賞・オープンイノベーション大賞、MITテクノロジーレビュー「Innovators under 35 Japan」などがある。2023年には世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズに選出された。弟はクラウドワークス役員の成田修造。
1. ユキ、帰宅。YouTubeの皮肉混じりな刺激
ユキは今日も残業を終え、どんよりした空気をまとってマンションへと戻ってきた。
会社では「SNSキャンペーンは数字が命」「バズらない施策は時間のムダ」などと、例のごとく上司から無茶な要求を突きつけられる。そんな環境下で、心のどこかにチクリと刺さる苛立ちを抱えながら部屋の扉を開けると、いつものモフモフ姿の“うさぎ先生”が本を読んで待ちかまえていた。
「おや、ずいぶん遅かったね。残業というか、上司の愚痴に延々と付き合わされてたんじゃないかい?」
うさぎ先生の口調は穏やかだが、その目つきには若干の皮肉が含まれている。ユキは苦笑いしながら靴を脱ぐ。
「さすが先生……やっぱりバレちゃってます? 『投資対効果を示せ』だの『そろそろ成果を数字で見せろ』だの、うるさいんですよ。わかってるけど、なんかこう……頭が痛いです」
うさぎ先生は本を閉じて鼻先をひくつかせる。
「数字を求めるくせに、自由なアイデアを封殺するのが好きな人々だろう? まるで、明日には世界が終わるかのような大騒ぎぶりだ。まあ、僕も企業の上層部を支援してきたことはあるけど、彼らが本当に欲しいのは数字じゃなくて“安心材料”だからね。ユキくんが可哀想に思えてきたよ」
ユキはソファに倒れこみつつ、スマホをいじり始める。
「でも先生、私もちゃんとスキルアップしたいんです。面白いキャンペーンやりたいし、もちろん成果も出したい。……あ、そうだ! こないだYouTubeで『成田悠輔』さんの動画見たんですよ。先生も知ってますよね? あの“日本は滅びる”って煽ってる人」
「成田悠輔ね。イェール大学の助教授だかなんだかで、経済学とデータサイエンスを駆使して『日本の行く末は暗い』と嘯(うそぶ)いてる方だね。ある意味、そっちの上司よりも口が辛辣かもしれないが」
ユキは苦笑する。
「でもその分、データとか論理をしっかり踏まえていて、話が分かりやすいんですよね。『海外の大学は休学や専攻変更が当たり前』とか『日本は一度滅びるか生まれ変わるかしないとダメ』とか……ドキッとするんですけど妙に納得できて」
うさぎ先生はイヤな笑みを浮かべる。
「ヒトがイノベーションを語るときは、だいたい“滅びのフレーズ”が添えられるもんさ。耳目を引くために必要なピエロ的要素……いや、成田さんは相当優秀な学者だから、ピエロというのも失礼か。まあいい。“イェール大学のピエロ”と罵る人もいるくらいだが、実は彼こそダイナミックな提言ができる稀有な存在なのかもしれないね」
ユキは思わず目を丸くする。
「先生……言い方がちょっと……。でも、確かにあの人、コメント欄で結構叩かれたりもしてますよね。えっと、そもそも私たち、いつもは歴史上の人物をVRで呼び出してインタビューしてるじゃないですか。現代に生きる人でも呼べるんですか?」
「できなくはない。かつて教え子だった学生たちのAI研究を手伝ったとき、現存する人物の膨大なデータを元にシミュレーション人格を生成する技術を開発したんだよ。まさかこんなところで使うとは思わなかったが、ユキくんが望むならやってみるかい?」
ユキは勢いよく起き上がり、ガッツポーズをとる。
「ぜひ! ちょっと直接、“日本滅びる”発言の真意を聞いてみたいし、仕事へのヒントも得られたら最高じゃないですか!」
「さあ、じゃあVR装置を準備するよ。いつものように“闇のAIプログラム”を起動して……」
そして、うさぎ先生の少々悪趣味な(本人曰く“高級感漂う”)VRシステムが動作を始める。部屋の隅に青白い光がちらつき始めると、ユキの胸が高鳴った。果たしてあの鋭い皮肉を連発する成田悠輔は、どんな言葉を紡ぎ出すのだろうか。
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2. VR空間に現れた“毒舌データサイエンティスト”
「起動……はい、ゲートオープン。さあ、ユキくん、準備はいい?」
うさぎ先生がタブレットを操作すると、リビングの空気がほんのり揺らめき始める。
眩い光の渦の中、スッと人影が浮かび上がる。それは黒縁の丸眼鏡にシャツ姿、やや落ち着きのない微笑を携えた――成田悠輔その人の仮想人格だった。
「え、ここは……VR空間? なんだか面白いことになってるけど……」
成田悠輔(以下、成田)は、ゆっくりと首を巡らせてユキたちを見つめる。
「ええと、僕は成田悠輔……ああ、なるほど、あなた方がこの不思議な部屋に呼んでくれたということですか? YouTubeか何かを見たんですかね?」
ユキは興奮気味にうなずく。
「はい、私ユキといいます! 普段はSNSマーケティングの仕事をしてます。先生の動画、刺激的なんですけど、結構ためになるんですよね。あ、こっちのモフモフは私のアドバイザー、“うさぎ先生”です」
「どうも、僕はうさぎ先生。見ての通り、ちょっと普通じゃない姿をしているけど、気にしないでね。君の発言をよく拝見していて、個人的に興味をそそられているところなんだよ」
すると成田は、メガネをクイッと持ち上げる仕草をして小首をかしげる。
「いやー、僕もいろんな番組に出ましたけど、VRで呼ばれるのは初めてかもしれない。さて、日本が滅びるだのなんだのって語ってきましたが、ここではどんな話をすればいいんでしょうね?」
うさぎ先生は口の端を皮肉っぽく上げる。
「まあ、ラディカルな発言をすることで、『ああ、また煽ってる』と言われるのが君の常だろうからね。だけど実際は、データや論理に基づいた考察をしていると。僕らはその辺をもう少し詳しく聞きたいのさ。ユキくんは仕事で悩んでるし、ついでに日本社会がどう変わればいいかも教えてほしい。とにかく、僕らのささやかな欲求を満たしてくれればいいよ」
成田は肩をすくめるようにして静かに笑う。
「なるほど。やっぱり僕の発言って毒舌寄りに受け取られることが多いんですよね。まあ、自分でもわかってやってるんですけど。どうせ耳目を集めるなら多少盛り上がるほうがいいじゃないですか。では、どうぞ何でも聞いてください。全部ぶっちゃけてあげますよ」
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