見出し画像

『コワーキングスペースの探し方』うさ×ゆきのお悩み相談室

こんにちは!
先週告知した所、早速ご相談頂きました!
第一回目は『コワーキングスペースの探し方』です!
貸し会議室やコワーキングスペース、はたまた他のシェアサービスの事に関しての相談に二人のやり取りのストーリーで奮闘する所を届けて行きたいとおもいます!

引き続き、ご相談おまちしています!
フォームはこちらから!
注意事項は下記の記事にあります👇

●だっくさんの相談内容

最近コワーキングスペースって知っていろいろ調べたんですけど、 
どんな基準で調べたらいいとかありますか? 
他にもリアルなシェアリングで、いいなっていうのあったら教えて!
(ちなみにL◯◯Pは轢かれそうになったので天敵です、まじ許さん) 
50代 男性 会社員


コワーキングスペースっ面白い名前ですよね

〜相談が届いた日〜

 ある夕暮れ、マンションのドアが開くと同時に、ユキちゃんがいつもより少し早めの足取りで帰ってきた。荷物をどさりと下ろし、コートを脱ぎながら「ただいまー」と声をかけると、リビングのソファで本を広げていたうさぎ先生――長い耳とふわふわの毛並みを持つ、不思議な同居人が、鼻先をぴくりと動かしてこっちを見上げた。
 彼はかつて大学教授としてマーケティングや心理学、そしてAIの研究を行っていた。しかし闇の組織の手にかかり、ウサギの姿に変えられてしまった過去を持つ。現在は人間に戻る術を探りつつ、ユキちゃんのマンションでひっそりと暮らしているのだ。

「おかえり、ユキくん。今日はいつもより早かったじゃないか。残業はなかったのかい?」
 ふわりとした耳を揺らしながら、先生――自称「うさぎ先生」は本を閉じてこちらを見やる。その足元にはほんのり甘い羊羹の香りが漂っていて、どうやら読みながら甘いものを楽しんでいたらしい。ユキちゃんはその匂いにつられるようにしてリビングへと進み、袋からおやつを出すと、先生の鼻先に差し出した。

「残業あったんですけど、ちょっと早めに切り上げてきました。今日は私から報告があるんですよ。先生、お悩み相談の応募が来ましたよ!」

 うさぎ先生は目を輝かせて耳をピンと立てる。最近ユキちゃんと一緒に始めた“お悩み相談企画”が、少しずつ読者に広まり、いろいろな相談が寄せられているのだ。

「おや、それは嬉しいね。今回はどんな相談なんだい?」

 ユキちゃんはスマートフォンを取り出してメール画面を開く。送られてきた文章を改めて読み上げながら、うさぎ先生に相談内容を伝えた。

だっくさんは音声配信もされている方です!

「えーっと、ペンネームは“だっく”さん。50代の男性で会社員ですって。最近コワーキングスペースっていうサービスを知って、いろいろ調べているそうなんですが、どんな基準で探せばいいのか分からないって。あとは、リアルなシェアリングサービスで“いいな”と思うのがあれば教えてほしいとのことらしいです。あと……ここ、書いてますね。“(ちなみにL◯◯Pは轢かれそうになったので天敵です、まじ許さん)”って」

 ユキちゃんはそこまで読み上げると、「L◯◯P?」と首を傾げて画面をじっと見つめた。聞き慣れない単語に少し引っかかりを覚えたようだ。一方、うさぎ先生はそこに何か事情があるのだろうと察し、小さくうなずいてユキちゃんの疑問に答える。

「L◯◯Pというのは、シェアリングサービスの一種なのかね。たとえばシェアサイクルや電動キックボード、そういったものを運営している会社かもしれない。どうやら彼はその乗り物に轢かれそうになったことがあるから、相当なトラウマがあるんじゃないかな」

 それを聞いたユキちゃんは、「あー、確かに最近増えてるかも」と思い当たる。街中でもシェアサイクルや電動スクーターを見かける機会が増え、手軽な移動手段として利用している人がいる一方、交通ルールを守らない利用者がいて危険を感じる場面もあるのは事実だ。

「それなら確かにトラウマになりますよね……大丈夫かしら、だっくさん。轢かれそうになったって、けっこう怖い経験だと思いますよ」

 ユキちゃんは相談文に目を落としながら同情気味につぶやいた。普段はあっけらかんとしている彼女も、こういう経験談にはしっかりと寄り添う。

「そうだねぇ。でも、そのあたりの運営会社やサービスに対する不信感は別として、彼はコワーキングスペースやシェアサービス全般に興味があるみたいだね。50代の男性会社員というと、仕事スタイルを変えたいのか、副業を探しているのか、それとも単に新しい働き方やコミュニティに興味を持ち始めたのか……いろいろ背景が考えられる」

 もともとマーケティングや心理学を専門としていたうさぎ先生は、こうして相手の属性や背景をイメージしながら考察するのが得意だ。表情は柔らかいが、そのまなざしはどこか探究心に満ちている。

「先生、今回はコワーキングスペースを選ぶ基準とか、他にもリアルなシェアリングのサービスでオススメがあったら教えてほしいっていう質問なんですよね。だっくさん、きっと今の働き方に何か変化を求めてるんじゃないかと思うんです」

 ユキちゃんはそう言いながら、スマホを操作してコワーキングスペースのイメージ写真を見せたりしている。最近ではスタイリッシュな内装や、オシャレなカフェのような雰囲気をウリにしている場所も多く、若い人だけでなく中高年層も気軽に利用できるようになっている。

「なるほど。そういえばユキくんの会社も、数カ月前からテレワーク制度を検討してたじゃないか。コロナ禍で一時的にリモートワークが増えた人たちが、今も在宅とオフィス出勤を行ったり来たりしているという話を聞いたことがあるよ」

「そうなんですよね。だから私もちょっと調べたことあるんですけど、コワーキングスペースって本当にいろんな種類があって。カフェ利用みたいにフリータイムで使えるところもあれば、契約して専用席があるところもありますし。サービス内容もお店ごとにかなり違うので、選ぶ基準をどうすればいいかってけっこう難しいなって思いました」

「だっくさんのように“どんな基準で選べばいい?”という素朴な疑問を持つ人は多いよ。それからシェアハウスとかシェアキッチン、シェアオフィス、さらにはカーシェアやツールシェアなど、リアルのシェアリングサービスって年々増えているしね」

 話しながら、うさぎ先生はちょこんと前足を動かしてパソコン代わりにしているタブレットを操作している。どうやら各種シェアサービスの一覧をリストアップし始めたようだ。ユキちゃんもそれを覗き込みながら、「確かにこういうの、いっぱいあるなぁ」と感心の声を漏らす。

「さて、今回はまずコワーキングスペースをどうやって選ぶか。それからだっくさんがリアルなシェアリングで気になっているものをいくつか提案できるといいね。L◯◯Pが天敵だということは分かったけど、まあそこは個人的な事情だから……安全面には気をつけるとして、他にも安心して利用できるサービスを教えてあげたいね」

 そう語るうさぎ先生の目は、どこか楽しげだ。ユキちゃんはそんな先生に「あ、先生、羊羹食べ過ぎないでくださいよ。もう甘い匂いで充満してます」と声をかけながらも、これから始まる具体的な相談回答に期待を膨らませている様子だった。二人はだっくさんの相談に真摯に向き合うため、一度リビングのテーブルに腰を落ち着けてじっくりと話し合うことにした。

 こうして二人は、だっくさんからの「コワーキングスペースの選び方」と「リアルなシェアリングサービス」への回答を、本格的に検討し始めるのだった。夕暮れの部屋には、まだ少しだけ甘い匂いが残っている。

目的によってコワーキングスペースを選ぶのが良さそう

〜解決策を探る二人〜

 翌朝、ユキちゃんはテーブルの上に資料を広げ、コーヒーをすすりながらうさぎ先生と顔を合わせる。先生はゆらゆらとカップを見つめながら「いい香りだね」と言いつつも、うさぎの姿では飲みづらいのか、口をつけることはない。そもそも先生は羊羹派である。

「それで先生、コワーキングスペースの選び方って、具体的にはどこに注目するといいんでしょうか。だっくさんくらいの世代だと、若いフリーランスとか学生さんが多いスペースに馴染めるかどうか……って部分もあるような気がして」

「ふむ、コワーキングスペースにもいろいろあるからねぇ。まずは利用目的と利用頻度、それに自分が求める雰囲気を明確にするのが重要だよ。大雑把に言うと“こんな仕事がしたいから、こういう環境が必要”という優先順位を決めるといい」

 うさぎ先生は端末にまとめたメモを一読してから、ユキちゃんの問いに答え始めた。

「例えばだっくさんが会社員だということを踏まえると、副業や自分のプロジェクトを進めるためにコワーキングスペースを使いたいのかもしれない。会社の仕事の合間に使うのか、休日に使うのか、それによっても選ぶ場所は変わってくるんじゃないかな」

「確かに、平日夜に通うのか、休日メインで行くのかによってもアクセスの良さは大事だし……料金形態も違ってきますよね」

「そうなのかい? たとえば月額利用プランだと、平日の日中は問題なく使えるけど、夜間は別料金だったり、逆にフリータイムのドロップインがあるところなら、休日だけ気軽に行けるとか。あとはコーヒーが飲み放題とか、軽食があるとか、コピー機やロッカーが無料とか、細かい差は結構あるものなんだよ」

 ユキちゃんは「へぇ〜」と感心したように声を漏らす。彼女自身、普段は会社で働いているので「コワーキングスペースを利用する」という発想はそこまでなかったが、調べてみると意外に使い勝手が良さそうだと感じていた。

「人によっては作業環境だけが欲しいわけじゃなくて、交流や学びの機会を求めるケースもあるよ。たとえば定期的にイベントを開いていたり、利用者同士でビジネスを協力し合うコミュニティを形成している場所なんかもある。だっくさんがどんなスタイルを求めているかで、優先するポイントが違うからね」

「ふーむ、コミュニティ重視か、静かに作業したいか、イベント参加したいか……大きく分けるとそんな感じなんですかね?」

「そうだよ、ユキくん。利用者同士の距離感もスペースによって違う。“利用者同士が自然に会話しやすいオープンスペース”を推している場所もあれば、“仕事に集中できるよう個室ブースが多め”のところもある。もちろんその中間もあるし、眺望や内装がウリの場所もあって、本当に千差万別だ。料金体系も時間貸しから月額固定まで、たくさんあるからね」

「わぁ、聞いてるだけで頭がいっぱいになってきた。でももしかしたら“若い人ばかりのカフェっぽい雰囲気が苦手”ってこともあるかもしれませんよね。そこはどうなんでしょう?」

「うん、それは確かにあるあるだ。だっくさんの場合はどういう雰囲気が好きなのか、一度試しに“ドロップイン”――つまり、一日だけまたは時間単位でお試し利用できるプランで訪れてみるのがオススメかな。いきなり月額契約だと合わなかったとき大変だからね」

 ユキちゃんは「なるほど~」と納得し、スマホのメモ機能に箇条書きでまとめる。“立地・アクセス”“料金プラン”“雰囲気(コミュニティ重視or個人作業重視)”“設備やサービス内容”“お試しプランの有無”等々。

「これを総合的に見て、合うところを探せばいいってことですね。最近はネット上でコワーキングスペースの検索ができたり、口コミサイトもありますよね。そこである程度絞り込みをしてから、実際に見学とかドロップイン利用とかで試してみるといいんでしょうね。あっ、そういえば東京だと無料体験のキャンペーンやってるところもあった気がしますよ」

「そうだね。それに、会社の福利厚生の一環でコワーキングスペースが利用できる制度を用意しているところもあるらしい。だっくさんがそういう制度を活用できるなら、コストを抑えながら色々試してみるのもいいんじゃないかな」

 こうして二人はだっくさんがコワーキングスペースを探すうえで大事にすべきポイントを整理していった。

 次に話題は「他におすすめのリアルなシェアリングサービス」に移る。L◯◯Pは彼にとって天敵なので、類似のシェアサイクルやキックボードなどは候補から外すとしても、世の中にはまだまだ多くのシェアリングサービスがある。

「先生、シェアオフィスとか、会議室なんかもコワーキングスペースと似たようなものなんでしょうか?」

「そうだね。“シェアオフィス”という場合は個室や専用の机を期間契約で借りるサービスを指すことが多い。コワーキングスペースよりもプライベート感がある一方、コミュニティ要素はやや薄いという傾向がある。だっくさんが静かに仕事したいなら、シェアオフィスのほうが向いてるかもしれないね。逆に人とつながりたい、刺激を受けたいならコワーキングスペースだね」

「そうかぁ。あ、シェアハウスってのもありますよね。さすがに“住む”ことまでシェアしたいかは人それぞれでしょうけど、一時的に別拠点で暮らす“2拠点生活”が流行ってるって聞きますよ」

「あるね。地方にセカンドハウス的に拠点を持てるシェアハウスとか、自治体が支援している“お試し移住施設”なんかも増えてきている。もっとライトなのだと“スペースマーケット”みたいに、キッチンやイベントスペースを時間貸ししているサービスもあるし……あと“モノのシェアリング”に特化した『ツールライブラリー』もあるよ。電動ドリルやキャンプ用品みたいな、頻繁には使わないけど時々必要なものを借りられる仕組みだね」

「わぁ、色々ありますね……。だっくさんは50代の会社員だから、仕事だけじゃなくて趣味でも何かをシェアできるサービスがあったら面白いと思ってるかもしれないですね。たとえば車が趣味ならカーシェアを使ってみるとか」

「カーシェアリングは大手だとタイムズカーシェアやカレコなんかが有名かな。だけどL◯◯Pが嫌いということは、自転車やスクーター系はあんまり推奨しないほうがいいかもしれない。トラウマを思い出すかもしれないからね」

 ユキちゃんは苦笑いしながら「そうですね。そこは避けた方がいいかも」とうなずく。

「ただ、L◯◯Pを含めたシェアサイクル系は便利ではあるんだよ。駅から少し離れた場所に用事があるときなんかに、ちょっと借りて移動できるのはありがたい。とはいえ、だっくさんにはあまり勧められない。怖い思いをしてしまうと、なかなか気持ちが回復しないものだからね」

LUUPは安全に使いましょう!

「そうですね……無理に勧めるよりは、他の安全に楽しめるサービスの方がいいと思います。だっくさんが“リアルなシェアリングでいいなって思うの”って言ってますから、やっぱり自分の生活スタイルに合ったものを何か一つ試してみて、慣れたらまた別のサービスも……という感じがいいのかな」

「そうそう。シェアリングサービスは一度利用してみるとハードルがぐっと下がるんだ。たとえばコワーキングスペースに慣れたら、今度はイベントスペースを借りて何かワークショップでもやってみようかな、とか。あるいはシェアキッチンを使って料理教室を開いてみようとかね」

 うさぎ先生は楽しそうに耳を動かしている。こういったサービスの情報は、現代のマーケティングやライフスタイル研究としても興味深いのだろう。ユキちゃんは「シェアキッチンかぁ。料理好きなら楽しそう」とイメージを膨らませる。

「あと、最近では“ワーケーション”も話題だよ。リゾート地や温泉地で働きながら休暇を楽しむ、というスタイルを自治体が応援しているケースもある。50代となると働き方改革や定年後のライフプランを模索している人も多いだろうから、興味があるなら情報を集めてみてもいいかもしれない」

「へぇ、ワーケーション……いいですね。仕事って自宅かオフィスでするのが当たり前だって思いがちですけど、今は本当にいろんな選択肢があるんだなぁ」

「うん。だっくさんのようにコワーキングスペースっていうキーワードを入り口に、シェアリングやワーケーションみたいな新しい働き方・暮らし方を少しずつ知っていけば、何か面白い出会いや可能性が広がるんじゃないかな」

 そこでうさぎ先生は、タブレットの画面をユキちゃんに見せる。そこには“シェアリングエコノミー”という言葉が大きく表示されたページが開かれていた。

「これは何ですか? 先生がまとめた資料?」

「そう、僕が研究してたAIやマーケティングの観点から、シェアリングエコノミーに注目している論文なんかも読んでいてね。人々の意識が“所有”から“利用”へ変化しているという流れは、だっくさんみたいな人が増えてきている証拠だと思うんだ。特に50代〜60代の中高年層にも、シェアサービスに関心を持つ人が増えてるというデータがあるんだよ」

「へぇ、若者向けかと思ったらそうでもないんですね」

「うん。特に定年後のセカンドキャリアや、一部リタイアして自由な時間が増えた方が、趣味や副業を楽しむために活用しているケースがある。コワーキングスペースも“若い人しかいない”というイメージを持つかもしれないけど、実際には結構いろんな世代が混在しているところもあるからね」

「それなら、だっくさんも安心していろいろ試してみたらいいかもしれませんね。実際に行ってみれば、同世代の利用者さんもいるかもしれないし」

「そうそう。だから、先ほど話した『ドロップインで一度試してみる』というのはとても大事なポイント。最初から“自分には合わないかも”って決めつけるんじゃなくて、まずは体験してみる。そこで気に入ったら回数券や月額プランに移行する、という流れが自然だよ」

 そう言うと、うさぎ先生は短い前足をテーブルの上で動かして、満足げに頷いた。

「あと、だっくさんが注意するべき点としては……公共交通機関とか道路事情への不満が強いかもしれない。なので、コワーキングスペースの立地が駅からどれだけ離れているか、行くまでに危ない道がないか、そういうのも大事かもしれないね」

「なるほど。もし出先で利用するコワーキングスペースがあれば、駅から近いとか、大通りに面していて安全に行けるとか、そういう“安心して行き来できるルート”を確認しておくといいってことですね」

「そうだね。安全面のほかにも、夜間に利用したいなら治安も気になるだろうし、女性向けにセキュリティを強化しているコワーキングスペースもあるように、だっくさんも自分の安心感を優先して選ぶのがいいんじゃないかな」

 こうして二人は、コワーキングスペースの選び方や、その他リアルなシェアサービスの可能性について、あれこれと話を膨らませた。ユキちゃんは「自分も試してみたい」と思うほど新鮮な情報にわくわくしている。うさぎ先生も「社会の闇もあるけど、こういう革新的なサービスが生まれてくるのは素晴らしいことだよ」と、まんざらでもなさそうだ。

 相談者の“だっく”さんが感じているかもしれない疑問や不安に寄り添いながら、彼の年代や背景を想像しつつ、具体的に使えるヒントを整理していく二人。話し合いは時間を忘れるほど熱を帯び、気づけばお昼近くになっていた。

ドリル借りれたら穴が売れないですね

〜まとめとこれから〜

 リビングの窓から差し込む陽光が少し強くなってきた頃、二人は一旦話を区切り、内容をまとめる作業に入った。

「さて、だっくさんへのアドバイス、こんな感じで整理したらいいかな?」
 ユキちゃんがノートパソコンの画面に文章を表示させ、うさぎ先生に見せる。そこには今回のポイントがまとめられていた。


<コワーキングスペースを選ぶ際の主な基準>

  1. 立地・アクセス:
     ・自宅やオフィスから通いやすいか
     ・夜間や休日の交通手段、安全面

  2. 料金プラン:
     ・月額制か時間制か
     ・ドロップイン利用や無料体験の有無

  3. 雰囲気(コミュニティか個人作業か):
     ・利用者同士の交流を求めるか、静かに集中したいか
     ・イベントやセミナーの開催有無

  4. 設備やサービス:
     ・Wi-Fi、電源、ドリンクバー、軽食などの提供
     ・コピー機やロッカーなどのオフィス設備の充実度

  5. 契約前の見学・お試し利用:
     ・実際に行ってみて自分に合うかどうか確かめる


「うん、いいねぇ。これならコワーキングスペースに初めて行く人でもわかりやすい。一回だけの利用ならドロップイン、ある程度使うなら月額、みたいに使い分けるといい。場所の雰囲気もすごく大事だし、イベント参加もありかもしれない。だっくさんは50代だから、逆に若い人との交流で新しいアイデアや刺激をもらえるかもしれないよ」

 うさぎ先生は画面に目を細めながら、前足でタップして小さくうなずいた。

「シェアリングサービスはどう書きましょうかね……L◯◯Pのことはトラウマがあるなら避けたほうがいいですかね?」

「そうだね。本人がどうしても嫌なら、無理にすすめる必要はないと思う。ただ、“安全に利用できるようルールを守って運営されているシェアサイクルもある”という事実はあるから、そこに言及してもいいかもしれない。ただし、強く勧める必要はないだろう。代わりに“シェアオフィス”や“シェアキッチン”、“カーシェア”なんかを提案してあげるといいんじゃないかな」

「了解です。じゃあこんな感じでまとめますね」


<リアルなシェアリングサービスの例>


・シェアオフィス(個室型):
 コワーキングスペースと似ているが、プライバシーを確保しやすい。落ち着いて作業したい人向け。

・シェアキッチン:
 プロ仕様の設備が揃っている場所もある。料理が趣味の人や、副業で飲食を始めたい人におすすめ。

・カーシェア:
 自宅に車を所有していなくても必要なときに借りられる。大手が運営しているものはステーションが多く利便性が高い。

・その他(シェアハウス、スペースレンタル、ツールシェアなど):
 趣味や新しいチャレンジをする際に活用できるサービスが増えている。コミュニティとの交流も楽しめる。

調理器具は借りたい様な、借りたく無い様な

 ユキちゃんはまとめを入力し終わると、画面をスクロールさせながら確認する。

「先生、こんな感じで“いろんなサービスがあるけど、自分のニーズに合わせて無理なく始めるといいよ”って書いておきます。で、L◯◯Pに関しては軽く触れるくらいにしておきましょうか」

「そうしようか。“シェアサイクル系は便利な部分もあるが、利用者のマナーや運営体制を十分にチェックしてから利用するのが望ましい”と。でも轢かれそうになってトラウマがあるなら、無理せず別の移動手段を使ってOK、と」

「了解です。じゃあそのあたりも追記しておきますね」

 こうして二人はだっくさんに向けた回答内容をほぼ完成させた。最後はユキちゃんが文章をととのえ、総括する形で仕上げる段階に入る。

「先生、最後に私たちからひとことコメントみたいなの、何かありますか?」

「そうだね……“50代の会社員の方がシェアリングサービスを活用するのは、全然特別なことじゃないし、むしろ新しいつながりや学びの場があるかもしれない。まずはコワーキングスペースを試してみるといいよ”……こんな感じかな。あとは“L◯◯Pに限らず、危険な場面に遭遇したら運営元に報告して改善を求めるのもひとつの手段”くらいかね」

「わかりました。先生のコメント、そっくりそのまま書きますね。では、仕上げます!」

 ユキちゃんはノートパソコンをカタカタと打ちながら、最後の文章を形成していった。そしてすべてを書き終えると、画面を指差して「こんな感じです」と先生に示す。

「ありがと、ユキくん。これでだっくさんの不安や疑問が少しでも解消されるといいね」

「はい。私もコワーキングスペース、ちょっとだけ利用してみたくなりました。会社帰りにサクッと立ち寄って、ブログ記事の執筆とか、友達と企画の打ち合わせとかできるかもしれないし」

 そんな話をしながら、二人は一緒にほっと一息つく。自然とリビングには温かい空気が流れ、いつものゆったりした日常が戻ってきた。

 最後にユキちゃんはパソコンを閉じて、先生に微笑みかける。

「じゃあ投稿文はこんな形で送信して、記事をアップしてみますね。だっくさん、参考にしてくれるといいなぁ」

「うん。きっと彼の新しい一歩に繋がるさ。僕たちは専門家じゃないけれど、一緒に考えてみることが役に立てば嬉しいんだよ」

 うさぎ先生はそう言って、羊羹をちびちびと齧り始める。ユキちゃんは「また食べてる……」と微苦笑しながらも、その柔らかいモフモフの背中をそっと撫でた。

 二人の静かな日常は、今日も少しだけ成長と変化を伴って続いていく。相談が終わったあとの穏やかな午後、ユキちゃんはふとカメラを手に取って、先生の姿を一枚撮影した。いつかこの写真が、誰かの背中を押すかもしれない。そんな予感を抱きながら。

 こうして、だっくさんに向けたコワーキングスペースの選び方とシェアリングサービスの話は、温かい空気に包まれるうちにひとまずの結論を迎えた。

充実したコワーキングスペースライフを!

まとめ

 というわけで、今回は50代会社員の“だっく”さんからのご相談にお応えするかたちで、「コワーキングスペースの選び方」と「リアルなシェアリングサービスのあれこれ」をお話ししました。

 コワーキングスペースを選ぶときは、まず「立地・料金プラン・雰囲気・設備・お試しのしやすさ」といったポイントを整理して、実際に見学やドロップイン利用で体験してみるのがおすすめです。若い人ばかりの場所もあれば、世代が幅広いコミュニティのところもあるので、あまり構えすぎずにまずは一度足を運んでみるのがいいでしょう。

 また、シェアサイクル(特にL◯◯P)に対する恐怖があるとのことですが、シェアサービスは自転車だけでなく、カーシェア・シェアオフィス・シェアキッチン・シェアハウスなど、さまざまなジャンルが存在しています。用途やライフスタイルに合ったサービスを選べば、意外な楽しさや人とのつながりが見つかるかもしれません。危険な目にあってしまった場合は運営元へ報告したり、ルールや安全面がしっかり整備されているサービスかどうかをあらかじめ確認するのも大切です。

 シェアリングエコノミーが広がる現代、年齢に関係なく自由な働き方や暮らし方を試せる時代になってきています。ぜひ少しずつ情報を集めて、自分の生活に取り入れてみてください。何よりも、無理なく楽しみながらチャレンジしてみるのが一番だと思います。

「いかがでしたか? 参考にしていただければ幸いです。引き続きみなさんの相談をお待ちしています!」

フォームはこちらから!


【用語解説】

  1. コワーキングスペース

    • 多様な人々が共用の作業スペースで仕事をする場所。フリーランス、起業家、リモートワーカーなどが利用しやすいように、Wi-Fi、電源、ドリンクサービス、会議室などが備わっている。利用形態は月額制、時間貸し、ドロップインなどさまざま。

  2. ドロップイン

    • コワーキングスペースなどを「数時間単位」「1日単位」で利用できる仕組み。月額契約する前に試しに利用したり、出先でちょっとだけ作業したい場合に便利。

  3. シェアオフィス

    • コワーキングスペースに似ているが、個室や専用席などプライベート空間が確保されることが多い。企業が支社として契約しているケースもあれば、個人が自分のオフィス替わりに利用する場合も。

  4. シェアキッチン

    • 複数人で利用できるキッチンスペースを時間貸し・日貸しなどで借りられるサービス。飲食店レベルの設備が揃っている場合もあり、料理教室の開催や小規模イベント、料理系の副業を始めたい人に好評。

  5. カーシェア

    • 自家用車を所有する代わりに、必要なときだけ車を借りられる仕組み。大手企業のステーションタイプ(あらかじめ用意された駐車スペースから車を借りて返す)や、個人間のカーシェア(自宅などで車を貸し借りする)などさまざまな形式がある。

  6. L◯◯P

    • 相談文にも登場したシェアサイクルや電動キックボードなどのサービスを提供している企業(あるいはブランド)の一例と思われる。だっくさんは過去に事故になりそうな体験をして苦手意識を持っている。シェアサイクル全般の是非とは別に、個々の運営や利用者のマナーに左右されやすい部分がある。

  7. シェアハウス

    • 複数の居住者がリビングやキッチン、バスルームなどを共有して暮らす住宅形態。家賃や光熱費を抑えられるだけでなく、住人同士のコミュニティが築かれやすいのが特徴。

  8. スペースマーケット

    • イベントスペースやレンタルルーム、撮影スタジオなどを時間単位で貸し借りできるサービス。パーティー、撮影会、会議など多目的に利用できるため人気が高い。

  9. ツールライブラリー

    • 電動ドリルやDIY工具、キャンプ用品など、趣味や作業で一時的に必要なモノをシェアできる仕組み。所有せずに必要なときだけ借りることで経済的にもスペース的にも負担が減る。

  10. ワーケーション

  • “Work(仕事)”と“Vacation(休暇)”を掛け合わせた造語。リゾート地や温泉地などで仕事をしながら観光やリラックスを楽しむ働き方。自治体や企業が積極的に推進している事例もある。

  1. シェアリングエコノミー

  • インターネットなどを通じて、モノやサービス、空間、交通手段などを他者と共有・交換(シェア)する経済の形態。所有から利用へ価値観が変化してきているという背景があり、あらゆるジャンルで広がりを見せている。


女の子の方がユキちゃんですよ?

サイトマップはこちらから👇


『うさ×ゆき』の支援をお願いします🙇
記事の購入やメンバーシップは余裕のある方だけで構いません。ストーリーで学べるコンテンツを幅広く使っていただける様にいいなと思っていただけた方はスキ❤️やシェアいただけると幸いです。

#お悩み相談 #相談受付中 #悩み相談
#マーケティングの仕事 #マーケティング
#読者参加型 #うさぎ先生とユキちゃん
#仕事 #コンサル #ビジネス書 #ビジネス書が好き
#コワーキングスペース  


いいなと思ったら応援しよう!

Kino 気軽に学べるストーリーノベル
最新記事を無料で提供していく為にも支援頂けますと幸いです。頂いた支援は資料や宣伝などクリエイターとしての活動費として使わせていただきます!