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子どもの本100年 子ども達のために

金の星社は、大正8年(1919年)に創立。童謡童話雑誌『金の船』(のちに『金の星』と改題)の創刊にはじまり、今日まで一貫して子どもの本の出版に情熱を傾ける専門出版社です。

雑誌『金の船』『金の星』には、初代編集長の野口雨情をはじめ、島﨑藤村・有島生馬・若山牧水・志賀直哉・西條八十・竹久夢二といった児童文化のそうそうたる先人たちが集い、日本の近代文化を支えた雑誌メディアとして高く評価されています。そしてその精神は、今日の出版にも息づいています。

大正9年11月「金の船」主催「童謡劇及童謡音樂會」
左後列より岡本歸一、野口雨情、本居長世、斎藤佐次郎、中山晋平
前列同2人目より佐藤千夜子、本居長世の長女みどり

1893(明治26)年9月26日
創業者斎藤佐次郎、東京市本郷区根津の防水帆布商家に誕生

斎藤佐次郎 肖像

1919(大正8)年11月1日
「金の船」創刊により創業、編集所は根津自宅。発行所は麹町区飯田町「キンノツノ社」

「金の船」創刊号
野口雨情 直筆原稿「童謡の選後に」


『金の星童謡曲譜第六輯 子守唄』
本居長世作曲・野口雨情作譜 竹久夢二装幀
若山牧水
西條八十
竹久夢二

1920(大正9)年2月 
根津の斎藤自宅を河口慧海に仏教道場として提供、東京府下滝野川町田端に移転

1922(大正11)年4月 
佐次郎が発行人となり「金の船社」と変更

1920(大正9)年2月から移り住んだ東京府下田端(現・東京都北区田端)の家
<金の船社>の表札がかかっているので、邸宅の裏門であろう

1922(大正11)年5月
誌名を「金の星」と改題

林きむ子・高千穂寵子(林一枝)「あの山蔭」『金の星』7巻8号

1923(大正12)年1月 
社名も「金の星社」と変更
 

『芥川龍之介書状』斎藤佐次郎宛 年不詳


1925(大正14)年5月  
本郷区動坂の金の星ハウスに移転

東京市本郷区(現・東京都文京区)動坂町の金の星ハウスに移転した金の星社
右端に斎藤佐次郎

1927(昭和2)年8月
再び田端の斎藤自宅に移転

1928(昭和3)年4月
編集を外部に委任、誌名「少年少女金の星」
となり翌年7月号をもって廃刊

1932(昭和7)年6月
株式会社に改組、下谷区二長町に移転

1936(昭和11)年5月
浅草区小島町(現在地)に移転

金の星社 旧社屋(所在地は現住所)
金の星社員の出征風景 1942(昭和17)年、社屋前にて

1943(昭和18)年11月
企業整備令を受け、富永興文堂(現・新星出版社)
鈴木仁成堂(現・鈴木出版)、 中村書店、綱島書店
大川屋書店、鳥海書店の七社が合併して新会社
「児童図書出版社」を神田区松枝町に設立
斎藤佐次郎が代表

1944(昭和19)年11月
空襲で事務所焼失、仮事務所「金の星社」

1945(昭和20)年8月
「児童図書出版社」を解散、「金の星社」を再開

用紙割當証
用紙で製作された絵本
GHQの検閲を受け紐で閉じられた書籍
小川未明
「ひらがな童話集」など次々と仕事をお願いした
東山魁夷
童話集の挿絵や装幀画をお願いした


1977(昭和52)年3月
新社屋落成

2019(平成31)年11月
創業100周年

創業100周年記念『みる よむ あそぶ 金の船・金の星 子どもの本の100年展』

2019年7月、創業100周年記念として、上野の森美術館にて『みる よむ あそぶ 金の船・金の星 子どもの本の100年展』を開催。国内外から多数のお客様にお越しいただきました。

上野の森美術館にて開催
『いもとようこ』先生コーナー


本を読んだり、はしゃいだり。思い思いに楽しむお客様たち


ロングセラー『せんろはつづく』のダンボール列車。着彩は著者:鈴木まもるさん自ら!

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