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落語家が解説する『落語』とは?

『落語入門』■金原亭世之介

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 ちょいと難しく解説すると、落語は世界中で日本にしかない唯一の言語芸術です。

 何だか芸術と言うとちょっとカッコいいですが、落語家はそれを「芸」と呼んでいます。

 基本的にはたった一人で着物を着て座布団に座って手拭と扇子だけの小道具で大勢の出演人物を演じて面白可笑しく物語を語ります。お話の内容はほとんど会話形式で説明はほとんどありません。ここが世界で日本にしかない特徴なのです。

 さて、その歴史は戦国時代までさかのぼります。

 落語の祖、つまり落語っぽい噺を始めたのが、浄土宗の僧侶で御伽衆でもあった曽呂利新左エ門(そろりしんざえもん)と言われています。
 今聞くとかなり変な名前ですね。

 その後江戸時代に入り上方では露の五郎兵衛(つゆのごろべい)の辻噺に始まり米沢彦八の「彦八はなし」が一世を風靡します。
 今でも年に一回上方芸人が一同に「彦八まつり」を開いてその名前を祀って居ます。

 江戸落語は多くの芸人たちを経て、中興の祖として三遊亭圓朝(さんゆうていえんちょう)が幕末から明治にかけて大活躍し今の寄席芸人へと延々と芸をつないで来ました。

 落語は“落とし話”といわれるくらいですから最後のオチが肝心ですが、オチのない人情噺も笑って泣ける不思議な世界です。

 「古典落語」の時代背景は江戸時代が基本ですから江戸の貨幣価値や生活感の違いが時代劇のように感じるのも魅力。

是非本物の真打ちの芸を生で思う存分見て聞いて笑ってお楽しみください。

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