KING MAYUMMY

■酒と蕎麦と労働の日記■ 表題の3つおよび旅が好きな30代後半に差し掛かったサラリーマ…

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■酒と蕎麦と労働の日記■ 表題の3つおよび旅が好きな30代後半に差し掛かったサラリーマン @kingmayummy

最近の記事

あきえ

目黒の庭園美術館のような建物が自分のオフィスだった、オフィスというかずっといて家のような場所という感覚。そこに薄い緑色のゴブラン織りっぽいスーツを着たあきえが現れた。あきえに手を引かれて、「ねえあなたはこの建物のなかなんでも知ってるのよね、役員室につれてってほしいの」と懇願してきた。あきえはやたらと馴れ馴れしくていい匂いがした。手のひらが柔らかくてしっかりしていてそこだけ男性との初デートのようなドキドキと安心感があった。ただ、薄い緑のゴブラン織りはどちらかというと百合子っぽく

    • ふしぎの赤ちょうちん

      大船を出ると線路はふたつに分かれる。 東に沿って鎌倉方面に向かうのが横須賀線、西に沿って行くのが東海道線。でもそのどちらでも無い支線がかつてはあってその廃駅舎に素晴らしい赤ちょうちんがあるんだよ、と上司に教えてもらった。 善は急げと上司&同僚達と向かう、誘った覚えがない新聞社時代のあまり親しくなかった大先輩もいたけど上司が誘ったのかな飲み会なんてそんなもんだろうと、結局10人強の所帯になっていた。 廃線だと聞いたのにその支線の臨時列車が大船駅のホームに入ってきた。横須賀

      • 夜の銀座で会いましょう

        螢光TOKYOというイケてるクリエイティブエージェンシーがありまして 私の前職とはざっくり同業だったのもあり、前職時代に螢光TOKYOの代表でクリエイティブディレクター/アートディレクターの手島領さんから声をかけてもらい『螢光NIGHT』というパーティーがはじまったのは5年ほど前。場所は当時オープンしてまもなかったGINZA MUSIC BAR。ホスト役でお店のプロデューサーでもある大沢伸一さん、レギュラーメンバーは手島さんと、浜崎あゆみさんの元プロデューサーで音楽の鬼、なん

        • 酒と蕎麦と労働の日記 -蕎麦の話

          幼少期に高松に住んでたこともあり基本うどん党だけど(一説によると香川県民1人あたりの年間うどん消費量は200玉弱らしい)、6~7年ほど前に旨い蕎麦を食べる機会が続きそれを機にすっかり蕎麦の虜になった。 その頃、前職の仕事の出張時に行ったのが静岡県島田市の「宮本」、先代時代の丹波篠山「ろあん松田」、今では月に1度は必ず通っている東京新宿区の「らすとらあだ」に初めてうかがったのも同じ時期だった気がする。 自分が好きなのは手挽きのいわゆる田舎蕎麦、蕎麦粉のグリーンな香りがフ

          酒と蕎麦と労働の日記 -悪夢-

          11月3日曇り。 ギャスパー・ノエの新作「CLIMAX」を観にいった。夫から観てみようよと言われ前情報はトレーラーとポスターのみで、この週末からの上映スタートで特に周囲で話題になってなかったもんだから2人ともまっさらな気持ちで鑑賞。 鄙びたスタジオで踊るダンサー達。打ち上げが始まりサングリアが振舞われ、DJの音楽に合わせ彼らは踊り続ける。長尺の圧巻のダンス映像の合間、ダンサー同士の会話が挟まれ人間関係が明らかになっていく。その会話というのがいわゆる従来の負の人種イメージの

          酒と蕎麦と労働の日記 -悪夢-

          酒と蕎麦と労働の日記 ーはじめに

          私は人を見る目がまるでない。ということに30代もなかばに差し掛かってから気づき、最近いろいろあって観念し認めた。 いい人だな~素敵だな~などと思った人間が、蓋を開けたらダイナミックな変子ちゃんとかズべ公様とか承認様(自己顕示欲がお強い方をそう奉っている)だと判明することが多い。判明といっても自分で気づくことは稀で、「こいつは人を見る目がない」ことをわかっている周囲の優しい友人からの助言というかタレコミ(というか悪口だな)によってだいたい気づく。 そしてそうやって変更した認

          酒と蕎麦と労働の日記 ーはじめに