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ふしぎの赤ちょうちん

大船を出ると線路はふたつに分かれる。

東に沿って鎌倉方面に向かうのが横須賀線、西に沿って行くのが東海道線。でもそのどちらでも無い支線がかつてはあってその廃駅舎に素晴らしい赤ちょうちんがあるんだよ、と上司に教えてもらった。

善は急げと上司&同僚達と向かう、誘った覚えがない新聞社時代のあまり親しくなかった大先輩もいたけど上司が誘ったのかな飲み会なんてそんなもんだろうと、結局10人強の所帯になっていた。

廃線だと聞いたのにその支線の臨時列車が大船駅のホームに入ってきた。横須賀線は青、東海道線は緑だけど、その支線は茶色がトレードマークだった。

ひとつめの駅は『赤池(あかいけ)』ふたつ目が目的の赤ちょうちんがある駅でホームの看板を見ると『キャンプ地』だった。変な駅名だね、もしかしたら横須賀線に近くかつての米軍の土地の由来かねぇなどといいつつ降りると、東逗子や池子のような雰囲気で地名に納得しつつ、赤ちょうちんはホームのはじっこにあった。名古屋駅の新幹線ホームのきしめん屋みたいだ。

中に入るとうなぎの寝床のような縦長の店。藤沢にあった久昇に雰囲気が似てて最高だ。久昇はおからが最高だし看板メニューがあったけど、ここは料理や酒が何ひとつ記憶に残らない平凡な感じもまたたまらない。たらふく飲んで気づいたらもう帰れなさそうな時間だった。
誰かが段取りしてたのか、「ここは廃線、駅舎内に診療所があってそこに泊まれんだよ」と。面白いエアビーがあるもんだな、と向かうとその診療所には簡易ベッドがたくさんあり、酔った同僚たちは次々にベッドと陣地を選んでいく。

私のベッドはヤワで脚がめちゃくちゃ低く、寝られればいいのにその安普請さが自分そのもののような気がしてぶつぶつと文句を言っていたけど誰も聞いてはくれない。すごく凹んだ。別の誰かは「俺のベッド、血がついてるよこわいよ」「そのベッドは高級な袋が置いてあるからきっと高級な血だから大丈夫なんだよ」「血に高級もなにもあるかよ」と言い合ってた。よく見ると診療所と言いつつ、ガチの治療を行っていた痕跡がある。

寝てからだいぶ経った頃に金縛りにあった。うなり声をあげてじたばたしてると周りの人が気づいてたたき起こしてくれた。起き抜けに「見ろよ」と言われたほうをみると、みんなが幽霊だと言ってる女性が立っていた。幽霊といいつつめちゃくちゃはっきり実像がある。初めてオバケ見るわぁとよく見ると、きのうTwitterとインスタで見かけた美人のAV女優に瓜ふたつだった。怖いけど怖くない見たいけど見たくない。「いや、生きてるっしょ」「生死は関係ないけどこの場にいないはずの人間だよ」「そんなこと言ったら、なんで臨時列車...」

考えることがめんどくさくなった私はどうやら幽霊らしい彼女が着ているワンピースがmameのまだ見ぬ新作であることに気づき「ああゆう細面のやなぎ腰はほんとうにmameが似合うなぁ。あ、痩せよ」と感心しつつその診療所を出ようとした。

診療所の外はいつもの自分の部屋のベッドの上だった。

自分は夢を見てたことに気づいた。昨日寝際にかけたライヒがループでかかったままだった。飼い主が起きたことに気づいた猫がごはんを催促しにきた。赤ちょうちんに一緒に行った新聞社時代のあまり親しくなかった大先輩は近年鬼籍に入られたことも思い出した。

私の夢は五感ごと記憶があり、シチュエーションや登場人物もめちゃくちゃ細かい。夢の中に地図があり、一度いった場所、住んだ場所など好きな場所がつながっていて、桃源郷ができている。転勤族だった小さい時からその桃源郷は少しずつ面積が拡大し、最近は伊豆の南端らへんにある桃源郷によく行く。そこに家がある。行きたい場所はだいたい歩道橋でつながっている。夢の中ではフジロックやパンガンのフルムーンパーティーが毎晩開催されていて行きたい時に行ける。

いい赤ちょうちんだったけど『キャンプ地』駅にはもう行きたくないな、と寝ぼけながら思いつつ、このコロナ禍での自分の願望や不安が夢に直撃してしまったんだなぁと腹落ちしてきた。鎌倉物語か例のきさらぎ駅みたいな夢だったなぁ。ちなみに写真は去年行った京丹後の宮津駅。

noteの日記がみごとの3日坊主になっていたので、夢日記を書いてみました。明日は何書こうかな~(といって書かないに500ペソ)

※起き抜け忘れず書こうとしたぼんやり乱文で失礼します。

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