スマホ首の人が意外と知らない!?首にかかる負担を姿勢から解説。
今回はスマホ首に関する考察を紹介します。
最近ではストレートネックという言葉も聞くようになってきましたが、スマホ首とストレートネックは今回の記事では、ほぼ同じような意味合いで使用していきます。
ストレートネックはスマホの使用など、不良姿勢などが原因とされていますが、実際どのような姿勢によって引き起こされるか、ご存知ですか?
頭が前に突き出るようになると、首に負担がかかりストレートネックになると説明していることもありますが、
なぜ頭が前に出る姿勢になってしまったのか。その理由を説明しているものは多くありません。
頭が前に出てしまう原因の一つとして、最近はスマホの使いすぎなどが挙げられます。
ですが、それ以外にも私たちが日常的に行なっているある習慣が、ストレートネックを引き起こす原因になっている可能性があります。
今回はそのある習慣を、ストレートネックになりやすい原因を姿勢の観点から解説していきます。
「首の後がよく凝って辛い」
「スマホあんまり使ってないんだけど、、、」
このような方でご自身の首がになる方はこの続きを読んでみてください。
※今回の記事で説明しているのは、首(=頸椎)の変形によるストレートネックなどの症状は含みません。
◆この記事は、理学療法士資格を所有し、かつ姿勢改善の手技であるキネスティックセラピストでもある筆者が、姿勢に関する悩みを解剖学・運動学的な観点と自身の経験を交えながら考察しています。
こちらの記事は症状の診断をしているものではありません。 症状の診断は医師の診察を受けていただく必要があります。その旨を理解した上でお読みください。
日頃から〇〇しすぎていませんか?
先に結論からお伝えします。
ストレートネックになりやすい生活習慣は、ズバリ、「座りすぎ」です。
これは椅子だけではなく、座椅子など床に座っている人も同様と考えます。
なぜ座りすぎることが首の状態に関係するのでしょうか?今から解説していきます。
座る時間が長くなることによって、私たちの身体は骨盤が後ろに傾いている(=後傾)している状態になります。
普段の生活で、はじめにどれだけ良い姿勢で座っていても、時間が経つと背もたれにもたれかかって、お尻が前にずれてくることは誰しもが経験することと思います。
その背もたれにもたれて、お尻が前に出ている状態が骨盤の後傾している状態です。
この骨盤の後傾の状態が続くことによって、身体、特に背骨の動きに関して強く影響していきます。
ストレートネックとは?
ではここでストレートネックとはどういう状態を指すのか?という点についておさらいしていきましょう。
ストレートネックとは、一言で言うと、「首(=頸椎)の前弯が減少して言う状態」です。
頸椎は全部で7つあり、それぞれが積木のように上に重なっています。
正常の頸椎は前弯と言い、後ろに向かって反るような見た目になっています。
これはちょうど腰椎も同じような反り方をしています。
余談ですが、頸椎・腰椎は前弯、胸椎は後弯しており、これらが合わさることで背骨はS字カーブをしていることになります。
このS字カーブがあることで、私たちの背骨は最小限の力で安定し、予想外の大きな衝撃があってもそれを緩衝することができるのです。
逆に、ご高齢の方でだんだん腰が曲がってきて、背骨のS字カーブが崩れてしまうことで、ちょっとした衝撃でも背骨が折れてしまう方もいます。
これは年齢に伴い骨が弱くなっていることもありますが、姿勢による影響も同じくらい重要になるのです。
つまり頸椎の前弯が減少するストレートネックと言う状態は、首にかかる負担が強くなる傾向にあり、それをカバーするために周りの筋肉が過剰に使用され、疲労することによって、「肩こり」「首の張り」「頭痛」「吐き気」などのような症状が出現すると考えられます。
※必ずしも首の筋肉が硬い人、疲労している人全てに同じ症状が出るわけではありません。首が硬くても無症状の人もいれば、首がそこまで硬くなくても辛い症状が出る方もいると思います。
あくまでも姿勢の観点から考えると、首に対して強いストレスがかかっている可能性は十分にあると思います。
姿勢とストレートネックの関係性について
長時間の座っている状態と、首との関係ですが、長時間座って、骨盤が後傾している状態になると、背骨は全体的に丸くなりやすくなります。
このとき、背骨の中の胸椎と呼ばれる部分は正常な状態である程度丸くなっているので、大きな影響はありませんが、腰椎や頸椎は元々が前弯しているため、背骨が全体的に丸くなることで、頸椎は前弯が減少しストレートネックの動きになってしまいます。
もう1つの原因として、骨盤が後傾することによって、重心が後ろに偏るようになります。
人の身体は「倒れないようにすること」を優先して動く特徴があるため、後ろに偏った重心を前に戻す必要があります。
このとき、座っている状態では骨盤より上の部分でその重心を前に動かす必要がありますが、経験上多くは胸椎の後弯を強くする形で重心の前への動きをカバーしている傾向にあります。
それは先ほども説明したように、背骨の中で頸椎と腰椎は元から前弯している関係上、曲げるよりも伸ばす動きのほうが得意です。反対に胸椎は元から後弯しているので曲げる動きのほうが得意です。
そのため背骨全体として、丸くなるつまり曲がる方向に動きますが、その中でも特に胸椎の動きが過剰になりやすいと言えます。
さらに胸椎の曲がる動きが過剰になることで、視線は自然と下を向きやすくなります。
下がった視線を上に戻すために、顔だけでを上に持ち上げるような姿勢になりやすくなります。
この姿勢は、首の後ろの筋肉を疲労させるだけでなく、首の前にある「胸鎖乳突筋」という筋肉にも力が入りやすい姿勢になり、首の前後の筋肉が共に疲労しやすい状態になります。
これらの理由から、たとえスマホを使っていなかったとしても、座る時間が長くなるだけで、姿勢の変化から首にストレスがかかる可能性があることがわかります。
スマホ首、ストレートネックを解消させる効果的な習慣とは?
では、スマホ首のような状態を解消させるために必要なことは一体何でしょうか?
答えは非常にシンプルで、「立つ」ようにすることです。
行ってしまえば非常に簡単なことで、先ほど説明した姿勢の影響は全て、座っているから起こることです。
そのため、定期的に立つ習慣を取り入れ、骨盤の後ろへの傾きをリセットすることで、頸椎の前弯が減ってしまう状態を未然に防ぐことができます。
一般的には、20〜30分ごとに一度立ち上がることが推奨されています。
体感的にはかなり短い感覚で立たなければならないので、はじめは違和感を感じるかもしれません。
ですが実際はそれぐらいで、身体は固まってしまうということなのだと思います。
「そんな頻回に立つなんて無理!!」という方にオススメなのが、スタンディングデスクです。
立ったままの高さで使用できる机のことで、立った状態で作業ができるため、座りすぎの予防になります。
さらに立って作業するメリットはパソコン作業などの時に、顔を前に近づけてしまう人などは、座っている状態だと頭を前に左右ような姿勢になってしまいますが、立っている状態で行うと、足で重心を前に動かすことができるため、頭が前に突き出ることを予防できます。
ちなみに私自身も、長時間パソコン作業をするときは、立って作業しています。うちの場合、スタンディングデスクはありませんが、ちょうどキッチンのカウンターがちょうどいい高さなので、そこで作業をすることが多いです。
みなさんもはじめは、家の中でどこか手ごろな場所がないか探してみて、どうしても必要な場合は購入を検討してみても良いかと思います。
もうすでに、座る習慣が長い方の場合、姿勢の変化に伴い、主にお尻や背中の動きが硬くなっている可能性もあるため、実際にはエクササイズやセルフケアと並行しながら行うことが必要だと思います。
スマホ首の方向けの姿勢ケアの方法は、後日別の記事で詳しく説明していきますので、暫しお待ちください。
最後に
今回はスマホ首、ストレートネックについて姿勢の観点から、ストレスのかかり方とその習慣についてお伝えしました。現代の働き方を考えると、働いているのほぼ全てがスマホ首などになりやすい傾向にあると思います。
ぜひ一度ご自身の姿勢を見直してみてください。
身体への投資は何よりの自己投資です!
この記事が少しでも多くの方の役に立てばと思います。
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