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炭火焙煎珈琲という名のワナ
日本人には耳馴染みのある「炭火焙煎珈琲」
よくテレビCMや雑誌などでも見かけますよね。
「炭火」と聞くとバーベキューやキャンプ、そして焼き鳥など連想しますよね。
どれも香ばしい炭火の香りで、燻製とはまた違うけど、「美味しそう!」とイメージするはずです。
これは恐らくコーヒーであっても同じようにイメージするのではないでしょうか。
香ばしい炭の香りがコーヒーの香りと相まって...
というようにです。
でもちょっと待ってください✋
確かにそう連想出来ますが、実際に炭の香りがコーヒーと相まった味を味わった事ある人っていますか?
恐らくですが、いないでしょう。
何故ならコーヒー豆の焙煎中にそのコーヒー豆に炭の香りは移らないからです☝️
焙煎工程でコーヒー豆に炭を混ぜて焙煎するならわかりませんが
熱源として使用する炭火の香りが煎っている最中のコーヒー豆には移る事はありません。
とても残念なお知らせですが事実です。
では何故コーヒーに「炭火焙煎」というカテゴリーが定着してしまったのでしょうか?
それは日本人の「炭火焼き」へのポジティブな思考を利用し更にコーヒーがよく売れるようにと企業などが仕掛けたからです😑
先にも述べたように「炭火」と聞くと良いイメージがありますよね。
これをコーヒーに掛け合わせたわけです。
「炭火焙煎珈琲」というキャッチーなフレーズとともに。
恐らくこれを狙った企業などは売り上げが上がったでしょう。
僕としては、販売戦略としては上手いなと思っており、そこまで悪い印象ではないのですが
戦略は別としてコーヒー自体の事を考えると「こりゃ、やってるな」と🤔
何故ならコーヒーに炭火の香りは移らないから。
でもコーヒーに携わる人以外のほとんどの人はこれを知らないでしょう。
本当に炭の香りを移したいなら、ドリップの際にコーヒー粉と一緒に細かく砕いた炭を混ぜてドリップするなら炭の香りがするかもしれません。
香りどころか炭の味もすると思いますけどね。笑
それと「炭火焙煎」についてもう一つ思う事があります。
それは炭火を焙煎の熱源として使用すると
焙煎がとても難しくなる!
という事です☝️
焙煎に使用する一般的な熱源はガス火ですが、炭火の場合は熱の種類が違います🔥
それは、炭火の場合「遠赤外線」の効果があるためです。
どういう事かと言うと、焙煎機の構造は一般的には鉄板などで覆われていてその中でコーヒー豆が煎られるわけです。
この時の熱の伝わり方は、「直接熱」や「伝導熱」、そして「対流熱」などが一般的な熱の種類として挙げられます。
これらはほとんど「ガス火」を熱源としてコントロールするのですが
これが「炭火」となった時、先ほどの「遠赤外線」の効果がプラスされます。
この「遠赤外線」をコントロールするというのが非常に難しいのです。
熱が「遠赤外線」の効果で熱が鉄板を貫いてきてコーヒー豆を焼き過ぎてしまうというイメージですかね🤔
要は必要以上に熱がコーヒー豆に届いてしまうのです。
焙煎は適切な熱のコントロールが必要になってくるのですが、「遠赤外線」のそれはとても難しいというわけです。
狙った焙煎度合いよりも焼きすぎてしまうという事が起こりやすいでしょう。
という事で話を戻しますが、「炭火焙煎珈琲」というのはコーヒー業界の戦略であって
その効果は幻である。というお話しでした。
「炭火焙煎珈琲」というキャッチーなフレーズを聞いて購入していた方は
まずはその「炭火焙煎珈琲」から炭火の香りがするか今一度確かめてみてください。
それと炭火を使用せずに、普通にガス火を使用した珈琲焙煎の方が美味しい可能性が高いという事も覚えておきましょう☝️
「遠赤外線」をコントロールする事が非常に難しいという事も。
とは言えご自身が「美味しい」と感じる事が出来るならなんでもいいんですけどね。
今回はそんなお話しでした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
KINEOでした♬