ワードセンス力を磨いてピンチをチャンスに
笑わせることと泣かせること。
もちろん、どちらも難しい事ですが、どちらかというと、「笑わせる」ことのほうが難しいと言われているそうです。
俳優さんが舞台上で泣いていると、観客や視聴者も引き込まれて泣けてくることは多いですが、笑いの場合は逆。舞台上で俳優が大笑いすると、観客は逆に冷めてしまうそうです。
人を笑わせるには、いろんな要素があり、特に「間」がつかめるかどうかということで、センスが必要とされます。
たしかに、落語や漫才、お笑い芸人さんの喋りでも、ただ面白いことを言っているだけでは笑えません。
分かりやすいボケに対して素早く突っ込み、分かりにくいボケには間をあけて突っ込むなど、反応やリアクションの影響がありますし、言葉のチョイスなど、ワードセンスも問われます。
そうやって考えていくと、お笑い芸人さんたちが、お笑い番組だけではなく、ニュース番組の司会やドラマ、クイズや情報番組に頻繁に登場する理由もわかる気がします。
場がしらけたり、失敗によって微妙な空気が流れたりした時、とっさの一言や切り返しで、むしろ笑いにかえてしまう。
ユーモアで逆に和やかな雰囲気を作ってしまう。
お笑い芸人さんならではの、対応力だなあと感心します。尊敬します。
例えば・・・。
NHKの「あさイチ」のMCをつとめている「博多華丸・大吉」さん。
ある時、「かたく閉まった瓶のふたを開ける」という特集で、実際にスタジオでアナウンサーが行った時のこと。
「簡単に開けられる」ことを実演しようとしたのに、なかなか蓋が開かない・・・。
あせるスタッフ、そして出演者。
「大変ですね」「どうしましょう」
ぐらいは言えるかもしれませんが、そこはさすがの大吉さん。
「大事件ですよ!」
と、逆に大げさに実況。何ともユーモラスな言い方でその場の空気が和やかになりました。
あえて、「これは大事件!」「これは大変なことが起きました~」と、大げさに表現することで、逆に「失敗」が小さく見える、おかしく思える空気になりました。
また、同じ「あさイチ」の冒頭で、曜日を間違えて挨拶した時。
生放送中の間違いで、視聴者から指摘されてしまいます。
ふつうなら、「すいません」「今日は〇曜日でした」など、そのまま指摘に対して謝って終わるところですが、そこはさすがの大吉さん。
海外によく行くセレブのような
「ごめんなさい!ここ、日本でしたね」
と一言。穏やかな口調で、パニックになることもなく対応。生放送中ということも考えると、本当に頭の回転が速いというか、当意即妙力があります。
またまた大吉さん。
「あさイチ」でリポーターを務めていた俳優さんが、「卒業」することになり、卒業後の目標について「役者として精進し、朝ドラや大河を含め、いろいろな作品に出たい」と語った時。
スタジオから、笑い声が起きました。
すると
「今、スタジオで笑ったスタッフさんを見返してあげなさい!!」
とエールを送りました。切り返す中で、エールも送る。笑いにかえ、あたたかい雰囲気にしてしまうセンスが光るります。
自分が同じことができるわけではありませんが、失敗や険悪な雰囲気を、ちょっとした一言、ユーモアでよい方向にかえることを意識することはできます。
インターネット、SNSが当たり前になった時代。
20年前と比べると、膨大な言葉のやりとりが日常的になりました。言葉で人を傷つけることもありますが、逆に、言葉で笑わせ、励まし、勇気づけることもできます。
同じ言葉を使うなら、自分もプラスにはる使い方をしたいなあと思います。そのためにも言葉の力、ワードセンスを磨いていきたいなあと思う今日この頃です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです