ちょっとしたお出かけ~瀬戸蔵ミュージアム訪問記
先日、ちょっとしたお出かけをしました。
場所は愛知県の瀬戸市。
たまたま、仕事の関連で市内に行く機会があり、せっかく来たのだから、何か見て帰ろうと思い、検索をかけたら出て来た
「瀬戸蔵ミュージアム」に寄りました。
そういえば、昔から「せともの、せともの」と聞き育って、そういう名前の食器などの割れ物があるとずっと思っていました。
しかし、「せともの」の「せと」が地名であり、日本有数の陶磁器の生産地である瀬戸市で、「瀬戸物」の瀬戸なのかと、最近、ようやく頭の中で結びつきました。
実際、辞書には、「愛知県瀬戸市周辺で作られる焼き物の総称「瀬戸焼」のこと。「陶磁器そのものの通称」等と説明されています。
さらに、宮沢賢治の「注文の多い料理店」という話には、「西洋料理店」が出てきますが、次のような描写があります。
他にも、明治の文豪、夏目漱石の「坊ちゃん」にも、「せともの」の言葉が出てきます。
他にも芥川龍之介の作品にも瀬戸物に関わる一節がありますが、東日本では、焼き物全般のことを「せともの」と呼ぶことが多くあります。
本来は、「赤津焼」というそうです。
また、陶磁器全体を指す「瀬戸物」という言い方は、主に近畿地方より東側で使われているようです。逆に中国地方、四国地方、九州地方では「唐津物(からつもの)」と言われるとかなんとか・・・定かではありませんが。
名鉄瀬戸線で、栄町駅から尾張瀬戸駅まで急行電車で約30分ほどです。
そして、乗り継ぎなしでいけるので、気分的にもゆとりがあります。
駅から徒歩で5分ほど。入場料は520円(一般)。
瀬戸物の歴史を学べる博物館あり、陶磁器を展示販売するお店あり、そして飲食できる店もありというまさに「瀬戸蔵」というにふさわしい複合施設でした。
目指したミュージアムは2階にありました。
入館してすぐに、出迎えてくれたのはレトロな電車。かつて瀬戸線を走っていた「モ754」と言う車両の実物でした。焼き物の博物館なのに・・・と思いましたが、周りに貼ってあるパネルの説明を読んで納得。
昔、陶磁器を作ると、この電車を使って、名古屋まで輸送していたとのことでした。
たしかに、瀬戸物自体に関わる電車になります。「せとでん」の愛称で親しまれているそうです。そして、2001年まで現役として活躍。お役目を終えた今も、ここ瀬戸蔵ミュージアムで隠居生活をしているという感じでしょうか。
実際に電車に乗ることもできましたし、運転席にも座われました。
電車の扉は現在でも珍しい「手動式扉」が復元されていました。
この車両の実物は、実際に尾張瀬戸駅の旧駅舎の中にあります。
実際の駅自体2001年に取り壊され、新しくなっています。ここ瀬戸蔵ミュージアムで昔の面影が復元、再現されていました。
鉄道ファンにはたまらない、ちょっとした穴場、見物場所かもしれません。
さて、この車両や旧駅舎を出ると、瀬戸の町を再現した昔懐かしい雰囲気の展示物ばかりになっていました。木造の建物や焼き物専用のレンガ造りの場所など、石窯や煙突、実際に建物そのものが、そのまま展示されて、一種の時代劇セット、忍者屋敷のような感じでした。
そして、順路に沿って歩いて行くと、ちゃんと歴史にまつわるパネルや動画があり、実際に使われていた道具や瀬戸物の実物があり、当時の職人さんたちの様子、そこに住む人々の様子が、効果音と共に分かりやすく展示されていました。
やきものの町独特の景観も写真で展示されていましたし、アメリカのリンカーン大統領に贈られたという陶磁器や万国博覧会に出品された作品などの紹介もしてありました。
また、今では珍しい丸型ポストもあり、さらに昔の風情を演出していました。実際にここから葉書を投函できるそうです。
素人の私でも、十分に楽しめる、ためになる博物館だと思いました。 博物館で、瀬戸市、瀬戸物に愛着がわいたところで、1階の展示販売ショップによって、お皿かコップ、値段とにらめっこしながら何を買おうか吟味して時間を過ごすのも、なかなか楽しい一時でした。
名古屋駅から1時間もかからずに行ける所なので、何かの機会に愛知県に行くことがあったら、足をのばしてもいいかもしれませんね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです
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