わたしと祖母とイカと
実家の自分専用の引き出しというものは、まだ残っているだろうか。
わたしの引き出しは、電話台の下の、3段ある引き出しの一番上。幼い頃のわたしは、そこに大切なものや友だちと交換していた手紙、プリクラやシールを溜め込んでいた。
実家の引き出しは、わたしにとって少し特別で、開けるたびに心がキュッとなるような空間である。
それは、ほとんどが懐かしさからくる感覚なのだと思うが、そこに少々の気恥ずかしさや苦々しさなども混ざっていたりする。
引き出しを開けると、一気に幼い頃の思い出とか気持