「おさるのジョージ」考
最近わが家の2歳がどはまりしているのが、アニメ「おさるのジョージ」である。
ジョージは毎回やらかしにやらかしを重ねるにも関わらずなんとも憎めないおさるであり、「おさるのジョージ」はそんなジョージの日常の悲喜こもごもをユーモアたっぷりに描くアニメだ。
うちの2歳はというと、朝ご飯を食べたらYouTubeでジョージを見せろ、外から帰ってきたらすぐにジョージを見せろと、まだうまく話せないので身振り手振りで要求する。おかげで母であるわたしも繰り返し繰り返し見るハメになり、今やすっかりハマってしまったのだ。(LINEのスタンプまで購入してしまった)
子育てをしながらおさるのジョージをみていると、どうしてもジョージとわが子が重なる。
ジョージはわが子たちと同じく、天才的に“壊す”、“汚す”、“こぼす”のが得意だ。時にはこちらが「あちゃ〜〜!!!」となってしまって見ていられないほどの失敗もする。
ジョージと一緒に住む黄色い帽子のおじさんの家は時に、食べこぼしが飛び散り至るところに落書きの跡があるわが家が幾分かマシに思えるほど、汚されたり水浸しになったりする。ペンキや蜂蜜まみれの部屋を見るたびに、これ誰がどうやって掃除するんだ…?という主婦目線の心配が沸き起こる。
しかし、ある日いつものようにジョージを見ていてハッとしたことがある。ジョージはとんでもないことやたちの悪い所業をすることはあるが、そこに悪意は一欠片もないという当たり前のことに気づいたのだ。黄色い帽子のおじさんを困らせようなんてことももちろん思っていない。
ただただ“やってみたい”のだ。興味に対してひたすらに純粋なのだ。そして、時には黄色い帽子のおじさんや友だちの喜ぶ顔が見たくてやったことが失敗に終わることもある。
それに気づいたとき、わたしは普段子どもたちのやることに対してイライラしてばかりの自分を深く反省した。わが家の2歳も7ヶ月も、わたしがやってほしくないことを知っているかのように毎日飽きもせず多々やってのけるけども、そこにわたしを困らせようなどという気持ちは微塵もない。水遊びをして洗面所を水浸しにするのも引き出しの中のものを全部ぶちまけるのもただやってみたいからなのだ。そうするのが楽しいのだ。
それを頭ごなしに叱るのではなく、彼らの視点から見なくてはいけないと思った。何を思って、何に惹かれてそれをやっているのか。ジョージがとんでもないことをしでかしたとしても、「おぉ、ジョージ!!」と呼びかけ、まずは褒めたり訳を聞いたりする黄色い帽子のおじさんのように。
あ、今ですか?2歳はポストにひたすら砂利を詰め込んでいますし、7ヶ月は庭の草木をちぎって口に運んでいますね。それはもう、楽しそうに。