週刊「我がヂレンマ」<11月11日号>
冬が肉薄し、年末年始が視界にはいった。
そろそろエアコンの手入れをする必要がある。コタツやヒーターといった類の暖房器具がないので、エアコンと布団で冬を凌ぐ。
クリスマスはケーキとローストチキン、年末年始は酒と本マグロの赤身を楽しみにあと1カ月半を過ごす。
肌を刺す寒さは一時緩むらしい(関東地方)が、そんなものはすぐ終わる。いいかげん、衣替えである。バズリクソンズのМー65をクリーニングにだし、フリースを引っ張りだし、部屋着もロンTに変更。
こうして師走に突入する。
そして、近々、トマス・ピンチョン全小説をコンプリートする予定で、「素敵トマピ生活」が始まる。
そんなわけで今週のコンテンツ。
<メモについての解説と考察>
<購入した書籍の紹介>
<月曜、ひとり歌会>
前置きはこれくらいにしよう。
時間がなくなっては困るからな。
<メモについての解説と考察>
「ヤンデルとグレテル」
童話「ヘンゼルとグレーテル」のモジりである。
病んでる少女と、グレてる少年の物語か。
ホストに貢ぐ立ちんぼと、闇バイトに応募しそうな奴。
駄目だ。破滅しか見えない。怖い。巧いようで巧くないし。
「地獄は天国の裏にある」
出典不明。表裏一体ということか。もしくは、どんなに上手くいっていても、落とし穴はどこにでもある。または、幸福に暮らす人の近くで、貧困にあえぐ人がいるとか。世の中の構造を示す言葉だろうか。
パパ活女子に夢中になり、大金を頂かれてしまったオジのことか。
油断は禁物。物事には裏側があり、もとより多面的かつ多層的だから、しっかりと論理的思考を働かせよう。
違うか?
「車谷長吉(1945年7月1日‐2015年5月17日)」
日本の小説家、エッセイスト、俳人。本名は車谷嘉彦。筆名の「長吉」は唐代の詩人李賀にちなむ。妻は詩人の高橋順子。兵庫県飾磨市(現・姫路市飾磨区)出身。
「反時代的毒虫」と自称して、放浪の経験や、挫折感や煩悩から逃れられない生の苦しみを主題をする私小説を書き、高い評価を得た。代表作に『鹽壺の匙』(芸術選奨文部大臣新人賞、三島由紀夫賞)『漂流物』(平林たい子文学賞)、『赤目四十八瀧心中未遂』(直木三十五賞)などがある。
「社会離脱者」
出典不明。調べてもでてこない単語。アウトサイダーか? 何にしても人は完全に社会から離脱することはできない。外縁を遊弋する世捨て人でも、生活しなくてはいけない。完全に関わりを絶つことは、死を意味する。
前向きに生きることから逃げても、生活が、時が、かならず追いついてくる。どれだけ向う見ずに、自分を傷つけるような人生を送っても無駄。
どこを足場として、どこを居場所として生きるのか。真剣に考えて社会から離脱しないようにするしかない。そして、離脱してしまった人をこちら側に引き戻すのは至難の業。
「熊掌(ゆうしょう)」
熊の手のひら。中国の珍奇な伝統食材。伝統的に中国東北部の白頭山地域、特に吉林東部産が多い。ツキノワグマやヒグマの手足が多く、左手(左前足)が最上級とされる。
熊掌料理は仕上げに10日間ほどを要する手間のかかる料理。
温水でよく洗った熊掌を熱湯で湯がき、表皮を取り除いたあと三昼夜流水の下にさらしておく。これを酒に醋(酢)を加えた液で少なくとも五昼夜間断なく蒸熱する。完全に臭みが取れて柔らかくなったところで骨を抜き、薄く切って、鶏汁に酒、酢、薑(はじかみ)、蒜(にんにく)を加えた煮汁で数時間煮燗して最後に塩などで味を調える。
「de SPIRIA」
電脳映像製作所が制作し2000年9月21日にアトラスから発売されたドリームキャスト用ゲームソフト。CERO設立前のため、レイティングは行われていないが、パッケージ表面には「この作品には暴力・流血・ホラー表現などが含まれています」などの注意が記載されていた。
愛情・憎悪・信頼・嘘など人の心の光と闇を覗き、次々と起こる事件の真相を暴いていくRPG。心を読んだり破壊したりする「マインド能力」を駆使して次々に起こる事件を様々な場所で情報を集めて解決するのが目的。
おぞましくも美しい世界観は非常に禍々しく、一部ではドリームキャスト「最狂」のRPGと評される。作中ではクリーチャーや薬物中毒者が跋扈しており、全編を通じて「鬱」
「スプラッター」「グロテスク」「ホラー」な表現が多いが、同時に薬物で頭がおかしくなった人の狂った行動が滑稽に描かれるなど、ブラックユーモア的な表現も多い。
「1000ヤードの凝視」
または2000ヤードの凝視とは、戦場の恐怖によって解離状態になり、感情が麻痺した兵士が持つ、うつろで焦点の定まらない眼差しを指す用語。時に、戦争以外のトラウマによって解離状態に陥った人々の目つきを指すのに使われることもある。
この用語は1945年6月に『ライフ』誌が、従軍記者で画家のトム・リーによる作品『海兵隊員はそれを例の2000ヤードの凝視と呼ぶ』を掲載した後に広まった。
<購入した書籍の紹介>
『メイスン&ディクスン 上巻』
トマス・ピンチョン
柴田元幸=訳
新大陸に線を引け――。
「ときは独立戦争直前、ふたりの天文学者のアメリカ測量珍道中が始まる。
現代世界文学の巨人、超弩級天才作家の新たなる代表作。」
世は植民地時代。
領地紛争解決のため、天文学者チャールズ・メイスンと測量士にしてアマチュア天文学者のジェレマイア・ディクスンは大地に境界を引くべく新大陸に派遣される。後世にその名を残す境界線、すなわち、のちにアメリカを南部と北部に分けることとなるメイスン-ディクスン線を引くために――。
アメリカ誕生を告げる測量道中膝栗毛の始まり始まり。
驚愕と茫然が織りなす、飛躍に満ちた文学の冒険。
ノーベル文学賞候補常連の世界的作家の新たな代表作が、
名翻訳家の手によりついに邦訳。
『メイスン&ディクスン 下巻』
トマス・ピンチョン
柴田元幸=訳
珍道中は、続く――。
「どこが目的地だったやら?滑稽にして壮大、深い感動を呼ぶ旅の果ては。
名翻訳家が10年の歳月を注ぎ込んだ、渾身の訳業。」
独立の気運高まる
新大陸についに上陸したメイスンとディクスン。怪しげな人物に奇妙な生物が跋扈するなか、幅8ヤードの境界を設けるべく、森を、山を、切り拓きつつ測量の旅へと乗り出したふたりだったが‥‥‥。
読むものの度肝を抜く想像力と精緻極まりない史実が紡ぎだす微笑・苦笑・爆笑のエピソードの数々。
黎明期の新天地に夢を見直す旅の果てとは――?
ニューヨーク・タイムズ「ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤー」選出
全米図書賞最終候補
世界的名声を誇る著者の傑作長篇。
トマス・ピンチョン全小説コンプリート計画の一端。ジュンク堂書店・池袋本店で購入。ピンチョン版・東海道中膝栗毛らしく、非常に楽しみ。しかし、『重力の虹』が最優先なので、拝読はだいぶ先か。
『ヴァインランド』
トマス・ピンチョン
佐藤良明=訳
〈時〉を超えて
封印された60年代の「革命」の記憶。
いまだ元妻を忘れられぬ中年ヒッピーと
失われた母を求める14歳の少女は――。
『重力の虹』から17年の沈黙を破って現れた大作、
初訳より13年の時を経て【改訳決定版&重量級解説!】
「マリワナばっか吸ってんじゃないのよー」去りぎわに娘が放つ。
「股はきちんと閉じてるんだぞー」父が返す。[本文より]
1984年。メディアに囲繞され、法の網は稠密、低収入と抑圧、
監視網までが完備された甘美なる「自由」世界はすでに存在
していた。逃げ場のないその日常に、さらなる収奪を目論む
過去の亡霊が甦る。60年代の熱く激しい「闘争の季節」を
葬り去った男、妻を、母を、奪った男の蠢動が――。
父と娘に最後に残された場所とは?
徹底解説「ヴァインランド案内」付
ブックファースト新宿店にて発見。ヤッホーでした。最早、ドラゴンボールを集めている気分。何がそうさせるのか。トマス・ピンチョンと何の縁があるというのか。
『ビューティフルからビューティフルへ』
日比野コレコ
死ぬ、生きるの二択を
過剰な言葉(パンチライン)で切り裂け!
第59回 文藝賞受賞作
選考委員 町田康氏・穂村弘氏、驚嘆
「絶望まみれで疾走する高校生たちの獰猛な青春。」
極度の自己否定を極度の自己肯定に反転させ、
その両極を繋げることによって、束の間、魂を生き延びさ
せる、その方法を描いた小説である。
――町田康氏
日比野コレコは、重力をものともしない文体を持っている。
サンプリングのように、強度のある異界の言葉が
自在に入り込んでいて、作者以外は誰も全貌がわからない。
――穂村弘氏
既存の小説や短歌、あるいはHIPHOPのリリックなどさまざまな
ことば奔放に散りばめたグルーヴィな文体
――栗原悠氏(週刊読書人11/4)
大森靖子を彷彿とさせるような的確な言語化とキラーフレーズの大判振る舞い、疾走感がとにかく素晴らしい
――水上文氏・評(文學界12月号)
絶望をドレスコードにして生きる高校三年生の静と、ネグレクト
家庭に育ち「死にたい歴=年齢」のナナ。ある晩、受験生のナナ
が単語カードを片手に歩いていると、駅前でサイファーをしている
若い男に声をかけられた。ナナは気まぐれで、彼=ビルEを、静
と自分の通い慣れている「ことばぁ」という老婆の家に誘うが――。
軽やかなことば遊びと、たたみかけるようなパンチラインの奔流。
生と死の両極に振り切れて乱反射する、高校生たちのモノローグ。
『モモ100%』に続いての日比野コレコ作品。なんだか大物になる予感。ちなみに、本棚の並びはこの二冊の隣に、波木銅作品が二冊。
非常によい並び。次世代作家がキラキラしております。
『クラッシュ』
J・G・バラード
柳下毅一郎=訳
六月の夕暮れに起きた交通事故の結果、女医の目の前でその夫を死なせたバラードは、その後、車の衝突と性交の結びつきに異様に固執する人物、ヴォーンにつきまとわれる。
理想通りにデザインされた完璧な死のために、夜毎リハーサルを繰り返す男を夢想する、テクノロジーを媒介にした人体損壊とセックスの悪夢的幾何学を描く。バラードの最高傑作との誉れも高い問題作、初文庫化。
創元SF文庫だし、とりあえず買っとけということで購入。映画版を知っていて、では原作を読もう。そんな感じ。絶対、面白そうだし。不穏な世界観が大好きなんで、ハマるかもしれない。
<月曜、ひとり歌会>
「五・七・五・七・七」「季語はいらない(使用可)」という最低限のルールを守り、言葉を研く目的で始めた短歌。今週も楽しく、マイペースに詠っていこう。
進歩しているかは分かりかねるが、無駄かどうか、知らんが、まぁあれだ、無駄口は止め。
もう詠う。夜十時だもん。
〇ぶっ殺す舐めた態度で恥さらし まずは殴って 左目削ぐよ
〇コンニチワ言った傍からサヨウナラ 通りすがりで消えてく人よ
〇晩秋 散って散らかり 枯葉散る 一目散で走って転ぶ
〇腹減ってコンビニ行って不健康 知ってはいても 止めぬ欲望
〇多様性 マイノリティの声デカイ 差別差別と揺れる価値観
〇朝冷えて布団のなかで芋虫に それはそれでと軋みかんじて
〇大都会あるいて巡る目が回り 玄関開けて温い安心
〇眠い目を擦って観てた番組を 思い出せない 霞むあの時
〇唇が乾燥すると冬感じ クリーム塗って テカるてのひら
〇カギ握る 人生開く 我が心 易きに流れ腐るため池
もう、
【23:24】だぜ。結局ギリギリだぜ。分かってたコトだぜ。それでも終われば良しとする。何せ、仕事が終わってから書いているからな。
ま、いい訳ですね。シャットアップですよ。思っても書くもんじゃないわね。最近、開き直ってばかり。開陳、開陳、開脚ですから。阿呆です。ど畜生です。意識が高いのか低いのか、まるでシーソー、やじろべえ。
あかんではないか。
いかんともしがたい。
そろそろ推敲の時間だ。
これ以上、蛇足の数珠つなぎを連綿とするわけにいかぬ。
明日から三日連続でショートショートを投稿する。そのネタを捻り出す。質を高めたい。また頭が痛くなってきた(大嘘)。
ま、楽しくやるよ。
楽しくな‥‥‥。
「元気だそう。暗くなるな、夜は更けていくけど」