ろくでなしのK

映画すき。小説すき。栄光ナインすき。蒙古タンメンすき。新宿すき。服好き。ブレードランナーすき。ポテトフライすき。ゴリラすき。ひとりがすき。漫画すき。そんな人間です。

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最近の記事

 庭から、警備ドローンの射撃音が鳴り響く。  次いで、  脅威を排除を知らせる音声を聞き、男は恐る恐る玄関を開ける。  そこには、無数の弾痕で破壊された警備ドローンがあった。 「嘘だろ」  男の眼前には、  見知らぬ戦闘用ドローンが浮遊している。  球体型の、  赤い目の、  両側に三連づつライフルを備えたタイプ。  そう視認した瞬間、男は射撃された。  その直後、  警備ドローンと男のホログラムが消え去り、戦闘用ドローンの背後をとった警備ドローンが射撃を加えた。  男は、地

    • クリスマス・プレゼント

       雪降る夜空を見上げると、トナカイ二頭がひく、ソリに乗ったサンタクロースが飛んでいた。  そして、緑の包装、赤いリボンのプレゼントがひとつ、落下した。  男はそれを拾うと、首を傾げながらリュックサックにしまい込み、通りから一本路地にはいって、自動販売機で缶コーヒーを買う。それを片手にその先の公園のベンチに落ち着く。  口腔内内にコーヒーの苦みと、温もりが広がり、気持ちを落ち着ける。 「はぁ、そろそろ帰るか」  その時、  爆発音が響き、それは連続し、建物の隙間に閃光と爆炎が迸

      • 修理依頼

         ロボット修理店に、激しく損傷した女性型アンドロイドが持ち込まれた。  依頼主は作業用のロボット。  持ち主の代理できたらしい。  店主は、ロボットに質問した。 「コレの所有者は、君の所有者なのか」 「違います、今は」 「代理で来たんだろう」 「彼女を直してください」  女性型アンドロイドは、全身に刺し傷があった。人工筋線維が露出し、眼球パーツは粉々になっている。 「コレと君の所有者は、今何をしている」 「自宅に、あります」 「あります? 何が」  ロボットは間を置いて、ゆっ

        • 週刊「我がヂレンマ」<11月18日号>

           布団から出たくない。というほどでないにしろ、朝は特に冷える今日この頃。そろそろ暖房の出番であり、カビ防止スプレーなどを使用し、手入れをする予定。部屋着をロングスリーブに切り替え、愛用するバズリクソンズのМ‐65を月末にクリーニングにだす。  着々と冬に向けた準備が進行中である。  時間はあっという間に過ぎていく。気がつけば師走、クリスマス、仕事納めで年末年始である。光陰矢の如しというが、日々を無駄にすることなく生産性のある時間を過ごしていきたい。  そんなこんなで、今週のコ

          17年の時を経て

           まぁ大したことはない。  自室のベッドの敷パッドを買い替えたのだ、17年振りに。  たったそれだけのコトで記事を一つ書こうというのだから、それは恐ろしく、先が思いやられる。  それはそうと、天気は晴れ時々曇り。庭の草と枝を刈り、布団を干し、トイレと自室を掃除して家をでる。  点検と軽作業で小一時間、休日出勤を済ませ、一路『ジュンク堂書店・南船橋店』を目指す。ビビット南船橋一階にある、船橋エリア最大の書店である。『逆光』上巻を探してやってきたが、結果から言えば、トマス・ピンチ

          17年の時を経て

          『逆光』上巻は何処へ消えた?

           本日は休日。 『スロー・ラーナー』『逆光 上下巻』の三冊を求め、  トマス・ピンチョン全小説をコンプリートすべく、 「丸善・丸の内本店」 「三省堂書店・神保町本店(小川町仮店舗)」 「三省堂書店・池袋本店」 「ジュンク堂書店・池袋本店」 「ブックファースト新宿店」 「紀伊国屋書店・新宿本店」 「丸善・津田沼店」  を周った。  で、 『スロー・ラーナー』を丸善・丸の内店でゲット。幸先がいい。  その後、ジュンク堂書店・池袋本店で『逆光』下巻をゲット。  しかし、  その後は

          『逆光』上巻は何処へ消えた?

          何でもいいから書いて

          「何でもいいから面白いことやって」  そう、お笑い芸人に言うようなもので、非常に不快です。  ですが、書かないわけにはいかない。当然、「今日は何を書くのか」と今日一日、仕事をしている時も、蒙古タンメン中本で味噌卵麺(麺特盛、ライス、背脂、北極煮卵)を食べている時も考えていたが、結果、「コレだ」。  というネタが、浮かぶことはなかった。  明日。  トマス・ピンチョン全小説コンプリート計画の一端にして残り三冊、『逆光 上下巻』『スロー・ラーナー』を探しに東京へ行く。  まずは「

          何でもいいから書いて

          包帯男

           目覚めれば病室。  白く清潔な室内。  床頭台を挟んだベッドの包帯男に目がいった。  包帯の隙間から眼球がのぞき、すこしも動かそうとしない。まるで死んでいるようで不気味で、現実味がなかった。  それはそうと身動きができない。  そして記憶がない。  事故にでもあったのだろうか。  その時、ガチャリとドアが開く音がした。  男性医師だ。  近づいてくると、カチャカチャと音を立て、目の前で作業をし始める。何をしているのか。 「すいません、体が動かないんです。どうなってるんですか

          檸檬

           発色のいいイエローの、  艶のある檸檬が転がっていた。  それを見た男は目を大きくあけ、驚き、走り去った。  風が吹き、檸檬が転がり、坂道にはいってスピードを上げる。平地に辿り着き、跳ねて止まった。  一方、男は崩れかかったトンネルの下で震えていた。  襤褸のジャケットのポケットから、どんぐりや野草をだし、苦虫を噛むように噛みしめる。 「あんな綺麗な檸檬が、あるはずないよな」  煙が上がった。  ビルが崩壊し、道路は所々ひび割れ、人の気配の少ない、荒廃した都市がどこまでも広

          シュミラクラの首

           地方のしみったれた工場を辞め、都会の生活にも慣れた或る休日。  そこには首があった。  一見してアンドロイドのモノと分かったが、ビルとビルの隙間、陽の光りも届かない空間にあり、青年は不気味さから踵をかえした。 「ちょっと、いいかな?」  背後の声に震えながら振り向くと、首がにこやかな表情をしている。ただの塵でなく、まだ、発話できる状態だったのか。 「用があるので、すみません」 「いや、助けてください。体がどこかに行ってしまって、寝てる間に」 「それは大変で、でも‥‥‥」 「

          シュミラクラの首

          週刊「我がヂレンマ」<11月11日号>

           冬が肉薄し、年末年始が視界にはいった。  そろそろエアコンの手入れをする必要がある。コタツやヒーターといった類の暖房器具がないので、エアコンと布団で冬を凌ぐ。  クリスマスはケーキとローストチキン、年末年始は酒と本マグロの赤身を楽しみにあと1カ月半を過ごす。  肌を刺す寒さは一時緩むらしい(関東地方)が、そんなものはすぐ終わる。いいかげん、衣替えである。バズリクソンズのМー65をクリーニングにだし、フリースを引っ張りだし、部屋着もロンTに変更。  こうして師走に突入する。

          週刊「我がヂレンマ」<11月11日号>

          池袋、新宿、とんぼ帰り。

           今週の日曜日は、書店しか行かねぇ。  そんな思いを胸に曇り空のなか家をでる。目当ては当然、トマス・ピンチョン全小説の、 『スロー・ラーナー』『ヴァインランド』『メイスン&ディクスン 上下』 『逆光 上下』である。  上下セット+1作品か、  場合によっては『逆光』を除く三作品という計画。  本日は大型書店の選択肢を広げるため、ジュンク堂書店・池袋本店へ向かう。  普段は新宿を縄張りとし、主に、紀伊国屋書店・新宿本店とブックファースト新宿店を利用している。今後は、丸善丸ノ内本

          池袋、新宿、とんぼ帰り。

          クッソ寒いね、明日は池袋。

           ベッドの上でノートパソコンを開き、記事を書く。  寒い。  半袖だから、前腕部分が冷気で冷え冷え。そろそろロングスリーブの出番か。  こうして季節を感じるわけだが、あまりに残暑が長かったので、「アレ?秋どこ行った?」となっている。この異常性に慣れつつあることに一抹の恐ろしさを感じつつ、早くも嫌気が差している。冬になると厚着になるので、洗濯のインターバルが短くなる。  私は怠惰なので、春から秋は5日ごとに洗濯をしている。  これが4日になる。「嫌だ」と言っても仕方がないが、億

          クッソ寒いね、明日は池袋。

          なぜ書くんだい?

           当然、仕事をしながらも「今日のnoteは何を書くか」について考えていた。  無論、仕事はしっかりとやり通した。  畢竟、コレという考えはまとまらなかった。 「蒙古タンメン中本で腹を満たしていたら、いつぞやの、おそらく十代の、地味な男子二人組」  北極の火山を注文していて、「見た目がバグってる」だそうで、年頃の男子のイキり具合が微笑ましい。しかし、それだけである。 「自室の整理をして、若干、すっきりしたなど、最近の変化」  誰が興味あるというのか。私ですらない。大した変化では

          なぜ書くんだい?

          砂漠の一滴

           男は無性に、喉が乾燥し、千切れるような感触に悶えていた。  激烈な日光、熱気を帯び空気の澱んだ空間、圧力により体力は限界を迎えていた。 「水‥‥‥水‥‥‥み」  人影だ。  前方に、蜃気楼のように揺れている。幻ではない。  喉が乾きを振り払うように、男は目をこらした。  人間だ。  間違いない。 「男か、そうか、ま、いいか、別に――」  男の目はトロンとして、口角が上がり、長身の男に向かっていった。  目を血走らせ驚く相手の顔面を殴り、そのまま押し倒した。  馬乗りになり、

          たま

           幼気な少年の前に《たま》が転がってきた。  ビー玉程度の大きさの玉を拾うと、背広で六十代の年回り、口ひげが似合う紳士がやってきた。 「坊や、玉は好きか」 「好きだよ! 投げたりして、楽しいから」 「そうか。その黒い玉を、元に戻れ、といいながら上に投げてみなさい」 「こう? 元に戻れっ」  少年が黒い玉を上に投げると、一瞬にして、カラスに変化し羽ばたき、空の彼方に消えていった。 「すごい! なにこれ」 「オジサンは玉使いなんだ。しかし、もう引退するんだ。困ったことに後継ぎがい