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大阪で見た地獄

とある著名人が(東京に比べて)大阪は人が暖かいとXで呟いた。そのポストには数多の共感エピソード、お国自慢が押し寄せられていた。

ただ四国の田舎から出て大阪で鬱を患った私には違和感のあることしか書かれてなかった。
きっと"温かい"人もいるのだろう。しかしそれ以上に冷たい人、忙しさに追われて知らない人への気遣いや優しさを忘れている人も多く感じた。

そう感じた経験を二つ紹介したい。
退勤ラッシュ時
 私が乗っていた電車はとにかく人が多かった。特に若くて子持ちでない女が席に座る機会なんて与えられなかった。端の方で身を縮め目的地まで動かず耐えるのに精一杯だった。女性専用に乗ると何の脈絡もなく足や肩をぶつけてくる『ぶつかりおばさん』に遭遇することがあった。こんな日は最悪でじっと涙を堪えていた。

 基本電車での退勤は辛いことが多かった。仕事の疲れと退勤のストレスで座り込んでしまうことが多かった。迷惑をかけないように隅の方でうずくまることが多かった。しかし通りすがりにクスクスと笑う女性、じゃまやわと舌打ちまじりに言う男性の声は聞こえてきて、疲れて、壊れて、もう何も聞きたくない見たくないと顔を覆ってうずくまるばかりだった。
 助けてほしいわけじゃない、そっとしてほしいだけなのに、まるで小石をぶつけられるような差別的な空気があった。

コンビニのおばあちゃん
 私の近場のコンビニは、あまり接客がいい場所じゃなかった。詳しく言うと客に対して最低限の気遣いや優しさを提供することもできない店だった。ただ一番近くにあるのはそこだけだったので忙しい時はよく利用していた。
 いつもとは違う時間、深夜ごろに訪れた時だ。店に入った瞬間、おばあさんが足元に買い物かごを置き、弱々しい片手で商品を疲れた様子で運んでいるのが見えた。手に力が入らず買い物かごを抱えられないのだろうと、通路の邪魔にならない場所にかごを置き荒く息を吐きながら商品を一つずつかごに入れるおばあさんの背中が小さく見えた。
店員は助けないのかと思いレジの方に目をやった。レジのカウンターごしに若い店員が2人ほどいたが談笑に花を咲かせており、時折ちらりとおばあさんの様子を見るが助けようとせず最後まで彼らは助けなかった。
結局私はおばあさんにあと何が必要なのかを聞いて狭いコンビニ内で商品を探して買い物かごに入れ続け、重たいかもしれないからレジまで運んだ。おばあさんは何度も何度もお礼を言ってくれた。

 この二つの話は私が大阪で体験した苦いエピソードの一部分に過ぎないです。ただどちらでも共通すると思うのは、身内ではない見知らぬ人に対して、人間が最低限持つべき優しさ、思いやる心が欠如していることだと思います。

 田舎は管理社会だと言う人があるかもしれませんが、同じ生きてる人間に対しては最低限の礼儀と思いやりを持っていると思います。
 これらのエピソードだけで大阪に住む人の人格を決めるつもりは決してありません。ただ実際に大阪に暮らしてみて人の"冷たさ"を感じ病んでしまった人間がいることも心に留めてくださると幸いです。

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