詩のようなもの│今日の夫婦散歩から

夫婦散歩で
時折見かける
青年がいた。

伏し目がちで
目がうつろ。

妻は、精神障がい者さんも
知っている。

その青年は
障がい者までは
いっていないであろう。

鬱病には間違いないように見えた。

いつも妻は、通りがかりの
人に挨拶する。

いつも元気な返事が
帰ってくる。

しかし、その青年は
いつも伏し目がちで
返事はしなかった。

今日もたまたま
その青年にであった。

勿論、妻は、挨拶をした。

ところが、いつもと違って
青年は声を発した。
「こんにちは、今日はとても良い天気で気持ちいいですね。これから散歩ですか？」

つまは明るく答えた。

「ええ、とても良い天気で、散歩も気持ちよくできるわ。」

「それは良かったですね。」

初めて青年と心が通じた。

私達に心地よい太陽が射し込んだ。

青年もきっと、心地よかったのであろう。