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『暗幕のゲルニカ』原田マハ著(新潮文庫)
ピカソの『ゲルニカ』を題材にした原田マハさんのアートミステリーです。
面白くて3度読みました。年間100冊以上読んでいる人に薦めたら「こんな面白い小説は、久しぶりだ!」というくらいの本です!(知り合いなので手前味噌ですが、かなりすごいことなんです!)
ゲルニカについて
『ゲルニカ』(1937年パブロ・ピカソ作)について少し書きたいと思います。
『ゲルニカ』は戦争の惨劇を描いた作品です。1935年にスペインで内戦が勃発し、1937年にゲルニカが爆撃されました。それを知ったピカソは激怒し、『ゲルニカ』を1ヶ月ほどで描き、パリ万博のスペイン館の壁画として展示されます。その後、『ゲルニカ』は第2次世界大戦中に、ピカソの希望で戦地から離れたアメリカのニューヨーク近代美術館(MoMA)に保管されました。そして、1981年にスペインのプラド美術館に所蔵され、1992年から現在も所蔵しているソフィア王妃芸術センターに展示されています。
作品については、四肢がバラバラになったり、足を引きずり悲痛な叫びをしている人や動物の叫びなど、悲痛な声が聞こえてくるようです。明るい作品ではないです。ピカソの怒りや悲しみのメッセージが伝わってきます。
本書について
ピカソと恋人のドラが生きた時代と瑤子が生きる時代が交差するアートミステリーです。暗幕になったゲルニカを再びニューヨークで展示するために奮闘する瑤子が描かれています。正直、『楽園のカンヴァス』のティムが登場したので、驚きとともに感動があり楽しい読書になりました。最後の解説も池上彰さんで、NY同時多発テロの話とスペイン戦争が各時代の中心となっているため解説も含め戦争とアートについて考えさせられる内容となっていました。本当に読み応えがあるので是非読んでみて共有したいです。
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ピカソの展示会に行った時に少し本書に出てくるドラのことにも記載しているので参考に見てみてください!