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#103 逆上がりがなぜできないのか?徹底検証:始めに身に付ける技の紹介
みなさんこんにちは!
ともぞうです。
逆上がりを指導すると、鉄棒嫌いが生まれます。
それはどうしてなのかについて説明していきます。
また、おススメはしませんが、
それでも逆上がりの指導を考えてるあなたへ!
逆上がりの教科書として、逆上がりの指導について解説していきます。
多分説明が長くなり、読むのも大変なので、数回にわけてお話していきたいと思います。
また、1つの記事にすべての情報を盛り込むのはとても労力がいる作業で時間もかかるため、数回に分けさせてもらっています。
1度で読み切りたいという方もいるかもしれないので、後日、すべて記事が完成したら、つなげて紹介いたします。
ご了承下さい。
「学習指導要領体育編」によると、逆上がりは、
5,6年生の「支持系、後方支持回転技群 後転グループ発展技の例示」内に、
〇逆上がり足の振り上げとともに腕を曲げ、上体を後方に倒し手首を返して鉄棒に上がること。
とあります。
つまり、「逆上がりは5,6年生になってようやく指導すべき技」であり、低学年では指導すべき技ではないということです。
さらに、逆上がりとは、
上り技の1つにすぎない」ということを考えると、
逆上がりが仮にできなかったとしても、他の上り技ができれば、技を組み合わせることができるということです。
少なくとも4年生までに逆上がりの指導に力を入れると鉄棒嫌いが生まれるのだけは確かです。
実際にできる子ではなく、できない子に注目していけばわかります。
逆上がりができてる子は運動神経のよい子です。
つまり、授業で取り扱わなくても能力的にできてしまう子たち。
では、逆上がりができない子はどうしてできないのか?
逆上がりという技を細分化していくとその難しさがわかります。
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まず上の図の①を見てほしい。
逆上がりを始める際には、脇をしめてひじを曲げて体を鉄棒に引き寄せます。
これがスタートです。
ですが、できない子の多くは、脇が開き、ひじをのばし、鉄棒に体をひきつけない状態からはじめようとします。
では、この①の状態を指導したらできるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、できない子にとって鉄棒はそんなに簡単ではありません。
①の姿勢をとったとしても足をけり上げたと同時に、脇がひらき、肘が伸び、体が鉄棒から離れるのです。
なぜか?
①の状態から蹴り上げたときにその状態を保つための動きが身に付いていないからです。
では、どうしたらいいのか?
ダンゴムシが有効です。
このダンゴムシで
「ひきつけ動作」
を身に付けさせます。
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出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」
慣れてきたら、ダンゴムシの足たたきをします。
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出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」
このダンゴムシは意外と難しく、いきなりはできません。
このダンゴムシの前にひじを伸ばした状態でぶら下がる懸垂ができないといけません。
つまり、低学年のうちに、ひじを伸ばした状態で鉄棒にぶら下がることを遊びを通して教えてやるのです。
この記事の表紙の画像が懸垂です。
その遊びの中で握力や体幹が鍛えらえていきます。
いずれにしても、逆上がりをするためには、このダンゴムシの状態で10秒程度保持できることが条件となります。
それくらいの体幹がないと逆上がりはできないのです。
このダンゴムシさえできないのに、逆上がりを指導したらどうなると思いますか?
鉄棒嫌いな子がうまれます。
楽しいのは運動神経のよい子たちだけです。
そんなのは体育ではありません。
算数でいうなら、九九ができないないのにもかかわらず、わり算の問題をしているようなものです。
九九を教えないで、わり算など教えませんよね。
算数ではおかしいと思ってやらないことを、
なぜか体育ではやってしまうのです。
知らないって怖いですね~~
できない子に注目していけば、体育で大切にするべきことは何か自ずと分かります。
それではまた、次回続きを紹介していきます。
お楽しみに!