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【やめ時がわからなくなる交互入浴・がっつり湯治風味の一泊二日】福島県磐梯熱海温泉、肌はスポンジのようにぐんぐん美肌成分を吸収、見事な仕上がりへ。【おひとり様女子旅記録】
大変失礼ながら
今回初めて訪れた磐梯熱海温泉には
「熱海」という地名から
勝手にリゾート感や
巨大旅館が林立した観光地のイメージを持っていました。
今回訪問を決めたのは
私が勝手に「温泉師匠」と仰ぐ
ヨシタカさんの記事を読んだからです。
ヨシタカさん↓
https://note.com/toji_1126/?nt=comment_to_4573655
年度末・年度初めの
大きなヤマを下山中のこの時期。
むりやり開けられるのは丸二日が精一杯。
それでも、どうしても「今」行きたかった。
新宿から郡山までバスで3,360円。
郡山駅から JR磐越西線で15分330円。
車を運転しない私、
高速バスの便利さを知ったおかげで
福島県の温泉地へも色々行けるようになりました。
磐梯熱海駅ホームでは
遠くに見える満開の桜が出迎えてくれました。
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まだまだ見頃の桜がお出迎え。
そして、ホームには
「ようこそ磐梯熱海温泉へ」の看板が!
温泉情緒汁ドバドバ。
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駅を出ると目に飛び込んで来るのが
ロータリーに鎮座する足湯。
その奥に今回宿泊する「温泉ゲストハウス 湯kori」さんが見えます。
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この時の時刻12時半、
チェックイン時間の16時までに
私の今回の旅目的である
「元湯で交互浴」をまず果たす事にします。
駅からすぐの共同浴場「霊泉元湯」。
全国指折りのぬる湯名湯がいただけるとの事。
開湯280年を誇るこの浴場は
かつて村人達は生活水として使用していたそうです。
この湯に浸かり
眼病や皮膚病が完治する者が続出し、
二本松藩主が浴槽を整備させたとか。
(パンフレットより)
霊泉元湯さんへは、駅前ロータリー先を左折し、湯の街通りへ。
すぐに左手に磐梯熱海温泉 霊泉元湯が姿を現します。
屋号の元湯の「元」の上の棒が取れているので、温泉マニアの間では
「π(パイ)湯」と呼ばれているそうです。
円周率の記号ですね。
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この廃墟のような建物は
かつての湯治の宿泊棟でしょうか。
今はお宿はやっていないようで
玄関は閉まっていました。
浴場入口は建物の先の路地を
左折した先にあります。
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いい味を出しています。
裏路地にひっそりと佇む共同浴場「霊泉元湯」。
ついに来た!という
悦びに胸が高鳴ります。
入口の番台の上には
江戸時代の古文書が原本のまま掲示されています。
病を患った藩士が上役に提出した「湯治願い」…この源泉が治療に使われていたことを証明する貴重な資料の一つです。
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写真撮れなかったチキンです…
廊下の掲示コーナーのこちらを代わりに撮りました…
浴室に至る廊下には
百年以上前の当時の貴重な写真なども
掲示されています。
浴室の引き戸を開けると中は
とても新しい印象。
下駄箱の上に「源泉持ち帰り禁止」とあるにもかかわらず
浴場入り口の床には
源泉を持ち帰る為と思われる
ポリタンクや5リットル焼酎のボトルが
鎮座していました。
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重いでしょうに!
中は地元の常連さんと思われる方々で
賑わっていました。
大小2つの浴槽には51度と29度の2本の源泉が使用され、
どちらもph9.0を超える強アルカリ性の優しい単純温泉です。
まずは大きい浴槽(ぬるい湯)から…。
ぬるい湯というより水!
プールに入る時のようにゆっくり恐る恐る
身体を沈めます。
寒っ!と思うのもこの瞬間だけ。
あっという間にお湯と身体が同化します。
無色透明でかすかに湯の香。
眼を閉じて、五感で愉しむ温泉。
湯船の縁からはしずしずと源泉が流れており
常に新鮮な霊泉が浴槽を満たしています。
皆さんに倣って
湯口の湯を手ですくい、口に含んでみると、
くせのないクリアな味。
パンフレットによると「不思議なことに、眼病の人はその病が治り、歯の痛みは癒え、~狂犬や蝮の毒は排出し、皮膚の傷が化膿したものや、できものなどに効果があり…」とあります。
なるほど、霊泉というのも納得です。
そして確かにお肌には良さそう。
グイグイと肌が美肌成分を
飲み込んでいく感触がありました。
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20分ほど浸かっていると
さすがに身体が冷えてきたな、と感じます。
続いて小さい浴槽(あつい湯)に。
泉源から泉温50.4℃のアルカリ性単純温泉が注がれていて
浴槽では42℃前後の適温に…という事ですが
冷えた身体には見事にアチチ!
それでも一度身体をお湯に沈めれば
じわじわと中から外から温まる湯感に
たちまち夢心地。
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ぬるい湯あつい湯を何度も交互に浸かり、
たっぷり奇跡の冷泉を満喫させて頂きました。
気持ち良すぎて、やめ時がわかりません。
気づけばまもなくチェックインの時間です。
3時間以上も入浴していたことに
我ながらびっくり。
番台のおじちゃんに「夜また来るね」と言って
お宿に向かいました。
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手前がぬる湯、奥が熱湯。
改めて
磐梯熱海温泉 「温泉ゲストハウス 湯kori」へ。
磐梯熱海温泉駅ロータリー前という
霊泉元湯へも徒歩1分という
好立地のゲストハウスです。
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老舗旅館を
海外のホテルチェーンが
リノベーションしたお宿。
おしゃれな内装のドアを開けると
カジュアルスタイルのスタッフさんが
にこやかにお出迎えしてくれます。
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迎えてくれました。
昨年12月からの約3ヶ月のリフォームを終えて
今月リニューアルオープンです。
連泊を想定しているお宿で
リニューアル前は1泊3千円代だったようですが
さすがのこのご時世、値上げを余儀なくされた…とのこと。
基本はセルフ式で
アメニティ類はタオル、バスタオル、歯ブラシ、シェーバーといった最低限のものは揃っていますが、浴衣はレンタルです。
お洒落な雰囲気、イマ風の佇まいにも関わらず
内風呂は骨太の良泉との噂!
カラカラとよく笑う若い女性スタッフさん、
紹介してくれた
ヨシタカさんの事をやっぱりよくご存知でしたよ。
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もうひとりのスタッフさんが
ウェルカムドリンクを用意してくれてます。
流れるAORがツボ過ぎてシビれました、笑。
1階にはカフェバーや
コワーキングスペースも設けてあり
館内のWi-Fiの強度バリバリ。
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メニュー写真撮れば良かったです。
梅昆布茶、ハーブティー、生姜黒豆番茶…など 6種類くらいから選べました。
お部屋はかつての旅館を引き継いだ和室。
広くて明るく、綺麗。
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お布団フカフカ!
客室には
ちょっとしたワーキングスペースがありました。
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このタオル肉厚でフカフカで…珍しくお持ち帰り。
館内の共有スペースも
お洒落で充実。
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ロビーに売っているレトルトカレーをチンして
食べ比べるのも楽しそう。
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壁沿いに陳列しているのは沢山の種類のカレーやスープ! 壁面にはデジタル時計が映されています。
温泉は2ヶ所。
大浴場と小浴場、男女入れ替えです。
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浴槽一つの実にシンプルな浴室です。
湯口の上には とぼけた感じのタヌキの信楽焼。
かわいい。
どちらも香りが良くて
はっきりと分かるアルカリ性の
トロトロツルツル美肌泉質です。
泉源は、元湯の「あつい湯」と同じようです。
従業員さんがこまめにバルブの開け閉めをして湯温を調節しているとの話…ありがたいことです。
湯koriさんの基本は素泊りですが、
お宿のカフェバーで食事が取れるし
近くには飲食店や
お惣菜なども購入できる物産店もあります。
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朝食も用意してもらえます。
私はピザトーストセットをリクエスト。
夜の元湯ダイブの前に夕食を、と
歩いて5分程のあたみ食堂さんへ向かいます。
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夕食はこちらと決めておりました。
スタミナ定食と迷いに迷って
名物もやしラーメンをチョイス。
大変盛りが良く、大満足。
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熱いあんかけラーメンで汗だくになったところで
再度霊泉元湯へ。
20時のラストまで
本日二度目の交互浴をがっつり堪能しました。
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翌朝。
大浴場が女湯に入れ替わっています。
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壁面の黒タイルと床の石貼りのコントラストが素敵。
夜間は従業員さんはいなくなります。
朝、交代でいらした男性従業員さんが
朝食の準備ができたと
お風呂上がりの私に声を掛けてくれました。
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スープはニンジンのポタージュを選びました。
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このコーヒーがとても美味しかった!
その後もしつこく
最後までお宿の温泉に入り浸り
10時にチェックアウト。
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そして、
その2、3分後にはまたまた霊泉元湯に浸かっているという…
お部屋と浴場の行き来も楽々。
お宿の温泉も堪能。
タップリ奇跡の冷泉を満喫。
毎度、肌はスポンジのように
ぐんぐん美肌成分を吸収し、
見事に仕上がりました!
大充実の、湯治風味の一泊二日となりました。
それにしても、福島県の温泉地は
素晴らしいところがたくさんありますね。
まだまだ温泉大国福島の尻尾を見た程度です。
深い深い福島の温泉の魅力
さらにまた堪能したくなりました。
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泉質:アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)
ph値:9.1
入浴可能時間: 〜22時、翌6時〜
一泊:5,800円+入湯税150円(素泊り)
2023年4月11日(火)宿泊