見出し画像

英語&翻訳解説【Satisfy My Soul】


まず曲を理解する

(イメージ画像)

同じ舟で旅する男女が人生という海を渡っています。

彼らは恋人同士です。でもふたりの関係はやや不安定で、それが不安要素です。

主人公(=ボブ)は現在の心地良い関係を保ちたいと考え、パートナーに波風を立てないで欲しいと呼びかけています。

主人公の望みはひとつだけ。満たされた心でふたりで旅を続けることです。

単に情欲を満たすのではなく、深い精神的な充足感を得たいというボブの願いが込められたナンバーです。

英語表現と訳し方

Don’t rock my boat
直訳すると「boatを揺らさないで」です。

Boatは比較的小型の船舶を指す言葉ですが、日本語で言うボートとはイメージがかなり異なります。

Steamboatと言えば、「蒸気船」、ferryboatと言えば「連絡船」、patrol boatと言えば「警備艇」を指します。

Boats for English speakers

一度同じ船に乗ると陸地に着くまで全員が行動を共にしないといけません。

そうした状態を指すin the same boat(境遇、運命、危険などを共にする)という慣用表現もあります。

I’m telling you
「話したいことがあるんだけど」という大事な話を切り出す時に使うフレーズです。

こんな感じです。

「言っとくけど、出て行ったりはしないわよ」とまず相手に一発かましてます。

否定形もあります。

I’m not telling youで、「言わないでおくよ」、「教えたくないわ」です。

似た表現にI’ll tell you whatというのもあります。

意味はほぼ同じです。

「実を言うとね」というニュアンスでよく使います。

You satisfy my soul
直訳すれば「魂を満足させる」ですが、「心を満たす」という意味です。

(イメージ画像)

なぜ心がheartではなくsoulなのかと言うと、このフレーズは実はボブのオリジナルではなく、旧約聖書からの引用だからです。

(イメージ画像)

Men do not despise a thief, if he steal to satisfy his soul when he is hungry;
But if he be found, he shall restore sevenfold; he shall give all the substance of his house.

(Proverbs 6:30-31 King James Version)

飢えを満たそうとして盗みを働いた者をだれも侮りはすまいが
それでもつかまれば、七倍の償いをし、家財の一切をそれにあてなければならない。

(箴言 6:30-31 新共同訳)

この聖書箇所からも分かる通り、satisfy one’s soulには「飢えた心を満たす」というニュアンスがあります。

Soulは英語圏で暮らすアフリカ系の人たちが好んで使う言葉です。

特に1960年代後半から1970年代にかけてよく使われました。

(イメージ画像)

「魂」という訳語をあてる人が多いですが、そこまで大げさなものではなく、「心」という意味です。

Soul matesで「心の友」です。

Every little action
There’s a reaction
 
倒置され、前置詞が省かれています。

元の形に戻すとThere is a reaction for every little actionになります。

(イメージ画像)

「どんな些細な作用にも反作用がある」という意味です。

化学反応ではなく恋愛の話なので、「どんな小さな行動だって反応を生む」と訳しました。

Bend a new corner
Turn a new corner(新しい角を曲がる)の英国式表現です。

Bendは動詞だと「折り曲げる」という意味ですが、名詞だと「カーブ」や「曲がり角」を指します。

A sharp bendと言えば、「急カーブ」のことです。

A sharp bend

A sweepstake winner

(イメージ画像)

Sweep(一掃)+ stake(賭け金)でsweepstakeです。

「賭け金をすべて獲得する」という意味です。

元々は競馬用語だったようです。

後ろにwinnerが入ると「掛金をすべて獲得した勝者」という意味になります。

The winner who took it all と言い換えることもできます。

Feel likeと言っているので「すべてを手に入れた気分」と訳しました。

Around the corner

右が「角を曲がった所」、左は「角」です

「角(corner)を曲がった所」です。

正確に言うと、後ろに言葉が隠れています。隠れた部分を入れるとaround the corner from here(ここから角を曲がった所)です。

「すぐそこ」は、just around the corner とかright around the cornerと言います。

「時間的近さ」を示すために使うこともできます。

Christmas is just around the cornerと言えば、「もう少しでクリスマスです」という意味です。

Cut cornersという関連表現もあります。

Shortcutとも言います

「近道をする」という意味です。

I’m calling
目的語のyouが抜け落ちています。

きちんと書き直すとI’m calling youです。

「君に呼びかけているんだ」というフレーズです。

I'm calling youと言えばこの曲ですね。

いつまでも耳に残る有名なサビ(hook)です。

I am calling you
Can't you hear me?
I am calling you

このフレーズ、電話をかける時にもよく使います。

I’m calling you to make a reservationと言えば、「予約をしたいので電話をしたんですが」という意味です。

A loner

(イメージ画像)

ひとりで生きる人間のことです。

A lonely personと言い換えることができます。

他人と関わることを好まないというニュアンスがある場合もあります。

そうしたケースでは「一匹狼」と訳します。

一匹狼はlone wolfとかmaverickとも言います。

Hold ~ tight
「~をしっかりとつかむ」という意味でよく使われます。

愛し合うふたりの場合、「~をきつく抱きしめる」です。

(イメージ画像)

Tightには「隙間がない」とか「締め付けられるような」というニュアンスがあります。

タイトジーンズ(tight jeans)やタイトスカート(tight skirts)のtightです。

韻を踏んでいる箇所

次の7か所で韻を踏んでいます。

Like it like this

Every little action
There’s a reaction

When we bend a new corner
I feel like a sweepstake winner

Can’t you see?
You must believe me

Oh darling, darling,
I’m calling, calling

When I meet you around the corner
Oh, I say, baby, never let me be a loner

And then you hold me tight
You make me feel all right

翻訳する上で難しかった箇所

Sweepstake winnerの訳し方が難しかったです。それ以外には特に難しい箇所はありませんでした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?