生成りの無垢

Pさん・そにっくなーすの夫婦文芸サークル「生成りの無垢」です。 宜しくお願いします。

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最近の記事

新作

 新作の同人誌を作っているが、スケジュールぎりぎりで書いている。  クオリティの担保ができない。僕は今まで、できる限り小説は即興で書くことにしていたのだが、即興の悪いところは、完全にセンスと運に振り回されるところだ。どちらも、反省して道を辿り直すということができない。  今更ながら、こんな茨の道を踏んでいたのかと驚いて、同人誌を作り続けてきた約十年間を振り返る。たいした年月でもない。

    • 日記11/3

       小説を書き出そうとして、なかなか書き出せない。いくつか断片は用意している。それらをつなぎ合わせるイメージをしているのだが、そもそもその構想自体が間違っているのではないか? 結果としていいものを作るスタートを切れていないのではないか? という疑念が沸いてきて、手を止めるようなイメージ。  今日は雨が降らず一日良い気候だった。自室に一匹の蜘蛛と、一匹の蝿がいた。虫は、暑さや温かさのさかんなときにはそれほどわかず、人間にもちょうどいいと感じるところでよく沸いている気がする。生物

      • 小遊三の回答

         近親相姦の禁止(と、その混乱)が、落語に刻まれていた。  先先代の圓楽が司会の時代の「笑点」。お題は、「天才バカボンの作者、赤塚不二夫さんが紫綬褒章を受賞しました。おめでとうございます。落語の方にもバカボン親子に負けない変わった親子が登場します。皆さん、そういう親子の息子になって下さい。世の中の疑問を仰って下さい。あたくしが父親になって(与太郎ですねこれも)、『それがいいんだァ』なんて呑気な合いの手を入れます。  なんか答えて下さい」。  一番の小遊三の答え。 「父ちゃんさ

        • 桑田佳祐について

           桑田佳祐について、今までよく知らなかったので、いろいろと調べたり聞いたり読んだりしている。  みのミュージックというYouTubeチャンネルがあって、音楽解説をしているチャンネルなのだがその中で「桑田佳祐がポップスに新しいモデルを与えた」、「桑田佳祐以前と以後では日本のポップスの質が変わった」つまりパラダイムシフトが起きた、等々、音楽全体を変えたかのような言い方をしている。  身辺でいろいろなことがあり、文芸から半年くらい離れていた。多少本は読んでいたけどそれくらいで、読

          ユイスマンス「腐爛の華」の感想(Pさん)

           何か宗教に関する本を読みたくて、嫁さんに相談したら、ユイスマンスの「腐爛の華」を渡され、嫁さんの本棚にあったこの本を読み始めた。  半ばあえてではあるかもしれないが、耽溺するように読んだ。二日で読み終えてしまった。そのぶん、読みが雑になってしまった部分もなくはなかった。けれども、その勢いで物語が流れ込んでくるのは、少なくとも自分の読み方の習慣としては、最近しないものだったし、いい経験になった。  ユイスマンスといえば「さかしま」と言われるあのユイスマンスは、晩年キリスト教

          ユイスマンス「腐爛の華」の感想(Pさん)

          文学フリマ東京で購入した「シネマフィリア 01」感想(Pさん)

           とある筋からおすすめされ、文学フリマ東京の会場で買わせて頂いた。映画は、僕はいわゆる一般の人の中で映画好きと言われる人より、見て来なかった。いくつか印象に残った中で言うと、「アマデウス」「ソイレント・グリーン」「マルホランド・ドライブ」などが、印象に残った映画としてある。しかしこれは、見栄を張って言っている所があって、最近の庵野秀明の「シン」の連作を本当に無邪気に楽しんで見たりもしていた。ウルトラマンがんばれ、仮面ライダーがんばれ、という具合に。  そんな自分でも、この「シ

          文学フリマ東京で購入した「シネマフィリア 01」感想(Pさん)

          メルキド出版『伊藤計劃トリビュート』感想(Pさん)

           様々な文脈を持つ人達が、伊藤計劃とその作品の名の下に集まって寄稿しているトリビュート誌。  その中で特に感銘を受けた作品の感想を以下に書きます。  メルキド出版主宰の松原新夜氏による「フランクリン・プロジェクト(前)」。  たった数ページの創作にもかかわらず、めまぐるしく視点、というかテキストと書き手との距離感が歪む、いい作品だった。 「イトウ」「フランクリン」、そして「関山誠一」……固有名がいびつなバランスをもって、徐々に「光り出す」という印象を受けた。レインツリー。「

          メルキド出版『伊藤計劃トリビュート』感想(Pさん)

          生成りの無垢note開設の辞(Pさん)

           皆さん、こんにちは。  今年五月十九日に開催された、「文学フリマ東京38」より、私Pさんと、妻のそにっくなーすによる夫婦サークル、「生成りの無垢」を始動しました。  なぜこのサークルを立ち上げたのか、我々は何者なのか、これから何をしていくのか、説明を試みたのですが、何度か書き直しても難しかったので、またの機会にしようと思います。  当面は、その文学フリマで購入したいくつかの本の感想を、ぜひとも書き残したいと思っているので、そんな記事が続くと思います。  すでにいくつか、

          生成りの無垢note開設の辞(Pさん)