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弁護士の本懐⚖️映画『真実の行方』

こんばんは。きなこもちです。

#終わり方が最高に好きな映画  というハッシュタグがTwitterでトレンドに上がってたので、自分も乗っかってつぶやいてました。

というわけで今日は映画『真実の行方』を紹介します。

あらすじ

弁護士のベイル(リチャード・ギア)は目立ちたがり屋で、クライアントを無実にするためなら法の許すギリギリのラインで手段を選ばないことで有名だった。ある日、大司教殺害の罪で逮捕されたアーロン(エドワード・ノートン)という19歳の少年の裁判のことを知り、ここぞとばかりに無償弁護に名乗りを上げた。検事局はベイルが弁護人になったことを知るとジャネット検事を事件の担当にすえ、アーロンに死刑を求刑した。ジャネット(ローラ・リニー)もまた辣腕さで有名な女性検事だったが、かつてベイルが検事局に勤めていた際の部下でもあり、かつての恋人でもあった。

ベイルははじめ、話題にさえなればよいと考えていたが、何度かアーロンと面会するうちにアーロンの無罪を信じるようになる。しかし裏付け調査を進めるほどにアーロンの有罪が濃厚になっていき、ついにアーロンが大司教に脅迫されて聖歌隊メンバーと性行為をさせられたビデオを発見してしまう。そのことを証言しなかったアーロンに対しベイルは嘘をついたと責めたところ、突如としてアーロンの性格が変わり、ベイルを襲うのだった。

エドワード・ノートンが一躍有名になった話題作

あらすじにも書いたとおりですが、エドワード・ノートンがアーロンという、極度のストレス状態に置かれることで性格が変わってしまう二重人格者を演じたことでアカデミー助演男優賞にノミネートされ、話題作となりました。映画デビューとしてはこれがはじめてです。はじめてでノミネートされるんですからすごいですよね。ちなみにアカデミー賞ノミネートは何度かあるものの実際に受賞したことはありません。ノミネートも十分すごいですけどね。

対するリチャード・ギアも勝利のためなら手段をいとわない過激な弁護士役ですが、それまでの行いがアーロンの存在によって揺らぐ、実に微妙な役を演じています。エドワード・ノートンによって若干食われたところはあるものの、適当な俳優であればもっと空気になってたでしょう。ここはリチャード・ギアもよかったと私は思っています。

弁護士の本懐とは

検事も弁護士も結局勝ってなんぼなところがあります。原告被告で分かれてお互いに自分が正しいと主張するのが裁判ですから、勝たないと今後の裁判で仕事が来なくなるわけです(訴訟だけが検事・弁護士の仕事ではありませんけどね)。特に自分が味方する相手が本当に正義かはわかりませんし、仕事を選べるほどお金がなければ、弁護士としては相手が本当は罪を犯しているとわかっていても必死に無罪を主張するでしょう。

この映画もエドワード・ノートンの怪演で、どうしても精神異常者による犯罪をどう見るかに焦点が当たってしまいますが、ベイルのヘラヘラしてるようでいて実際には苦悩している様子が大事なところだと思います。むしろ昔検事をベイルはやってたわけで、検事をやったからといって救うべき人が確実に救われるわけではない現実を見てきたのです。だったら、自分の懐が確実に潤うほうがいいからと弁護士に転向した。しかし、実際のベイルの本懐はどうなのか、これは一度映画をちゃんと見て確かめてほしいです。

衝撃のラスト

毎度毎度、衝撃のラスト多すぎじゃない?と思うのですが、このラストは本当に驚かされました。エドワード・ノートンが二重人格者をやったことで話題になったと最初に書きましたが、本当にそれだけで話題になったのか?この映画で重要なのは、劇中で散々倫理観を問おてきた上でのラストなのです。手段を選ばないのはベイルだけなのか。その結果誰がどうなるのか。ここがポイントです。

ちなみに、この映画に出てくるような精神異常者が犯罪を犯した場合に適応される日本の法律、『刑法第39条』という映画もあります。この手の話が好きであれば『真実の行方』と合わせて見てみるとよいです。堤真一と鈴木京香が出演していて、樹木希林が精神鑑定者の役をしています。

おわりに

昔から精神異常者や心神喪失者の犯罪に関する映画は多かったですけど、この辺あたりからその裁判に目を向けたものが増えた気がしています。裁判の話はゲームと見るか正義の戦いかでまた見方が変わってきますので、ご自分の興味に合わせて選ぶのがよいでしょう。




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