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聖光のアナスタシア

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詩で描かれる剣の世界のファンタジー。 亡国の姫が帝国に反旗を翻し、国を取り戻すまで。
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(詩篇ファンタジー)聖光のアナスタシアcode:4

(詩篇ファンタジー)聖光のアナスタシアcode:4

港町キースが落ちた?

女は目の前の男を睨んだ。

切り裂きの姫カタリア

黒騎士

ほほう、わが姉君とな。
お前も血が騒ぐか?
ハールートの王子よ

俺は帝国の騎士だ
民のため
敵は斬る

生かして連れてこい
同じ血を引く姉君だ
使い道もあろう

黒騎士は
深く礼をし
背中を向けた

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山間より敵の援軍のようです!!
従卒の叫び

黒影
影のようにしかし重厚に

ブラックナ

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聖光のアナスタシアcode:3

聖光のアナスタシアcode:3

「復讐をなされますか」
静かな声
僧の目は穏やかに

アナスタシアは光強い視線を返し
「父の声音を覚えています」
僧は目を閉じた

「こころのままに。償えない罪を
その手にしていくのが人がゆえに」
僧は膝をついている彼女の頭に手を置いた

朗々と
鐘楼より響くような
祈りの言葉 僧から

アナスタシアは
眼前を見やる

兵士たち
勇敢な向こう見ずな

いま
帝国兵たちを

切り捨て進む
国のため?

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聖光のアナスタシアcode:2

聖光のアナスタシアcode:2

ついに砦を落とした

歓声
剣と剣の平を合わせる友情

従卒は
土埃に汚れた顔で
馬上のアナスタシアを見た

「始まりでしょうか? 我々が国を
取り戻す戦いの?」

「私たちは弱かった
知らしめてあげましょう?
地獄から這い上がったものたちこそが
真実の騎士であると」

星光がそろそろ輝く

王国
ハールートと
マールートは

それぞれ
双子の王が
納めていた

帝国を名乗る
北の大国
ガリキア

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聖光のアナスタシアcode:1

聖光のアナスタシアcode:1

城砦に旗が翻った

城主は心に決めている

守るべきもののために

この剣はあるのだと

互いに圧迫をする戦いに

うみ疲れたのではなかったか

アナスタシアは3歳で、

太く強い腕に抱かれていた

彼女は18になっても覚えていた

決意という強さを見せてくれた

この人のことを