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青空文庫コラム

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2024年11月の記事一覧

芸術が惨めなことを救うだろうか。「一室」 田山花袋[録弥] を読んで (青空文庫コラム)

芸術が惨めなことを救うだろうか。「一室」 田山花袋[録弥] を読んで (青空文庫コラム)

(あらすじ)

李という男を頼りに、私たちは支那の妓の見定めに行った。

『暗い狭い汚い一室に』汚いなりの女の子。

「『こんなものが相手になるかね?』」

「『それでは歌わせますか』」

『哀愁を込めた旋律が』、『漂ひわたった』

[『』内、「一室」より引用 以下同様です。]

(感想)

「私」たち、つまり男たちは、そんなに期待しておりませんでした。部屋も女の子もみすぼらしかったのです。

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弱いものだけを相手にした勝負事しかしない人、への対処の仕方。「勝負事」 菊池寛 を読んで。(青空文庫コラム)

弱いものだけを相手にした勝負事しかしない人、への対処の仕方。「勝負事」 菊池寛 を読んで。(青空文庫コラム)

今回は直接には、作家のご作品を語るのではありません。菊池寛の「勝負事」を読んだ、ぼくの過去からの連想を聞いてくださいね。

(「勝負事」 あらすじ)

地元で一番の石(こく)持といわれた家。

でも、主人公は、親からお金がないから修学旅行も行かせられないと言われる。

祖父が賭け事で、負けがかさみ、土地も家も売る羽目になったのです。

祖母(祖父の妻)が亡くなるとき、「恨まないよ。しかし、賭博はも

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