マガジンのカバー画像

歎異抄の旅

15
古典の名著『歎異抄(たんにしょう)』ゆかりの地を旅をします。 『歎異抄』は、生きる力、心の癒やしを与えてくれる古典として、日本人に親しまれてきました。 「無人島に、1冊もっていく…
運営しているクリエイター

記事一覧

歎異抄の旅(16)「死んだらどうなるのか?」源氏の武将・熊谷直実の悩みの答えは、『…

『平家物語』に登場する有名な武将の中には、世の無常を感じて、法然上人(ほうねんしょうにん…

木村耕一
10日前
316

歎異抄の旅(14)京都の観光名所「哲学の道」、西田幾多郎、石坂浩二と『歎異抄』

 哲学の道──、京都の観光名所の一つです。  どんな道なのでしょうか。  もしかして、難…

木村耕一
2か月前
292

歎異抄の旅(13)夏目漱石が「大革命」と驚いた800年前の大事件。それは女性差別の撤…

「大革命」を断行した人──。  明治の文豪・夏目漱石が、親鸞聖人(しんらんしょうにん)に…

木村耕一
3か月前
306

歎異抄の旅(12)司馬遼太郎を襲った死の不安、坂本竜馬の生き方と『歎異抄』

 京都には、親鸞聖人(しんらんしょうにん)と『歎異抄(たんにしょう)』に関係する場所が、…

木村耕一
4か月前
376

歎異抄の旅(11)森鷗外が『高瀬舟』に秘めた2つの謎! 「なぜ生きる」と安楽死を『…

 京都の鴨川(かもがわ)にかかる四条大橋(しじょうおおはし)。  この橋は、親鸞聖人(し…

木村耕一
5か月前
318

歎異抄の旅(10)生け花のルーツは京都の六角堂に! 池坊と聖徳太子、親鸞聖人の深い関…

 私たちの体の真ん中には、「へそ」があります。  同じように、京都の中心にも「へそ」があ…

木村耕一
5か月前
327

歎異抄の旅(9)「世の中は、うそ、偽りばかり」と教える聖徳太子の古墳を訪ね、大阪へ。

 私たちは、抱えきれない悩みがあると、信頼できる人に相談したい、と思います。  19歳の親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、暗い心を抱え、大阪の聖徳太子(しょうとくたいし)の御廟(ごびょう・墓)へ向かわれました。現在の叡福寺(えいふくじ)です(大阪府南河内郡太子町)。  親鸞聖人の悩みとは、何だったのでしょうか。  私たちも、聖徳太子の御廟へ向かい、親鸞聖人の足跡を訪ねてみましょう。 太子町のマンホールに、意外な仕掛け JR大阪駅から大阪環状線に乗り、天王寺駅で下車。目の前に

歎異抄の旅(8)恋は、厳禁ですか?  赤山明神のナゾ

 美しい女性との出会い……。それは、若き日の親鸞聖人(しんらんしょうにん)にとって、激し…

木村耕一
7か月前
232

歎異抄の旅(7)「恋に疲れた女が…」で有名な大原の里。仏教界を揺るがした大論争の…

 比叡山(ひえいざん)のふもとに広がる自然豊かな地・大原(おおはら)は、「癒やしの里」と…

木村耕一
8か月前
286

歎異抄の旅(6)なぜ、法然上人は、父を殺された仕返しより、比叡山を選んだのか

 桜が咲きだした3月中旬、東京駅から朝6時30分発の新幹線に乗り京都へ向かいました。快晴で…

木村耕一
8か月前
265

歎異抄の旅(5)『源氏物語』で有名な横川僧都(源信)を訪ねて

 なぜ、『歎異抄(たんにしょう)』に引きつけられる人が、多いのでしょうか。  それは、誰…

木村耕一
9か月前
284

歎異抄の旅(4)あこがれの比叡山へ〜『土佐日記』の紀貫之と、『歎異抄』の親鸞聖人…

 再び、比叡山(ひえいざん)へ。  親鸞聖人(しんらんしょうにん)が、9歳から20年間も、…

木村耕一
9か月前
162

歎異抄の旅(3)比叡山への道のり〜宮本武蔵より強かった、松若丸の覚悟

 比叡山(ひえいざん)へ登りましょう。  京都府と滋賀県の境にそびえる標高847メートルの山…

木村耕一
10か月前
92

歎異抄の旅(2)小野小町、平重衡の旧跡、そして法界寺へ

「なぜ、小野小町(おののこまち)が出てくるの?」 「『歎異抄(たんにしょう)』と関係ないじゃないか」と、思われるかもしれません。  それは、松若丸(まつわかまる・親鸞聖人の幼名)が9歳で出家した動機を知る手がかりになるからです。  青蓮院(しょうれんいん・京都市東山区)の庭園には、 「明日ありと 思う心の あだ桜    夜半(よわ)に嵐の 吹かぬものかは」 と刻まれた歌碑があります。わずか9歳の松若丸が詠んだ歌です。 「明日まで自分の命がある保証はない」 と無常を見つめ、仏