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「本当にあった話…?」ゾクッとするモキュメンタリーホラー小説おすすめ15選

モキュメンタリーホラーとは、フィクションでありながらドキュメンタリーのような手法を用い、リアルな恐怖を演出するホラー小説のこと。
実在する場所や人物が登場し、まるで本当に起こった出来事のような臨場感が特徴です。読んでいるうちに「もしかして本当に起こった話なのでは…?」と思わせる演出が、じわじわと恐怖を増幅させます。

今回はモキュメンタリーホラーの代表作である『変な家』や 『近畿地方のある場所について』などのような、モキュメンタリーホラーの傑作15冊を厳選してご紹介!

読後に背筋がゾクッとすること間違いなしの作品ばかりなので、まだ読んだことのない作品があったらぜひ、手に取ってみてくださいね。


近畿地方のある場所について』背筋

情報をお持ちの方はご連絡ください
近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。

Amazon公式紹介文より引用

モキュメンタリーホラーの人気作家、背筋さんのデビュー作。2024年「このホラーがすごい!」第1位を獲得しています。2024年漫画化、2025年主演で映画予定です。ネットで話題になり、書籍化された作品です。近畿地方の「ある場所」にまつわる怪談を集めた形で進行していきますが、「この場所には何かがある…」と実感せずにはいられない作品です。


かわいそ笑』梨

「死んだ人のことはちゃんと可哀想にしてあげなきゃ駄目でしょう。」
一度読んだら引き返せない、怪異が侵食する恐怖のネット怪談。
雨穴氏(『変な家』著) 推薦!!
インターネット上に伝わる多くの怪談。
その中に何故か特定の「あの子」が被害にあう奇妙な怪談が出回っていた。
とある掲示板のQRコード、インタビューの書き起こし、出典不明な心霊写真、匿名のメールデータ。
筆者がこれまでに収集した情報をもとに怪談を読み解く、読者参加型のホラーモキュメンタリー。
一見バラバラに見える情報から、浮かび上がってくる「ネット怪談の裏側の物語」とは。
【雨穴氏コメント】
この本を読み終えたあと、まったく読み終えた気がしませんでした。
かつてその場に自分が居合わせたのではないかと錯覚するほどリアルで気味の悪い映像が
文章を通じて、目の数センチ先に突き付けられるような不快感。
確実に何かが繋がっているのに、完全には説明されないもやもや。
まるで奇書を読んでいる気分でした。
ただ同時に、この感覚に懐かしさを覚えました。
ある時点で気づきました。子供の頃に、インターネットを見ていたときの気分と同じなのです。
閉鎖的で、情報が少なくて、画像と文字と粗末な動画しかなかった昔のインターネット。
私は、個人の書き込んだ体験談や創作、とりとめのない雑談などを読み漁っていました。
それらは、書き手の呼吸が聞こえそうなほど身近に感じられ、しかし、書かれている以上のことは何も分からない。
それ以上を知ろうとすれば、ディスプレイの向こう側を想像するしかない。この本の読み心地は、まさにそれに近いものがありました。
「ネットを読み終える」などということが不可能なように、きっとこの本を読み終えることは、一生できないのでしょう。
私は近いうちにまた、読み返そうと思います。そして、想像します。
この本が日本全国に出回れば、手に取った人の数だけ想像が生まれるでしょう。
そして『あの子』は……。
――「もうやり直せないよ 残念でした」

Amazon公式紹介文より引用

「オモコロ」のライターとしても有名な梨さんの単著デビュー作。ネットの書き込みを追っていくうちに、恐怖が現実とリンクしていく展開が秀逸です。読者参加型ホラーのような感覚で、没入感も抜群!


火のないところに煙は』芦沢央

この恐怖、一生モノ。
2019年本屋大賞ノミネート!
静岡書店大賞受賞!
山本周五郎賞ノミネート!
週刊文春ミステリーベスト10国内部門第5位!
このミステリーがすごい! 国内編第10位!
ミステリが読みたい! 国内篇第7位!
ミステリ×実話怪談の奇跡的融合で絶賛を浴びた注目作がついに文庫化。
「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。忘れたいと封印し続けていた痛ましい喪失は、まさにその土地で起こったのだ。私は迷いながらも、真実を知るために過去の体験を執筆するが……。謎と恐怖が絡み合い、驚愕の結末を更新しながら、直視できない真相へと疾走する。読み終えたとき、怪異はもはや、他人事ではない――。(解説・千街晶之)

『許されようとは思いません』、『夜の道標』などの著者としても有名な芦沢央さんの連作短編集。2018年「週刊文春ミステリーベスト10」第5位、2019年「このミステリーがすごい!」第10位にランクインしています。ミステリー要素も強く、「単なる怪談では終わらない」ストーリー展開が特徴的です。


残穢』小野不由美

―この物音は、何か可怪(おか)しい。
何かが畳を擦る音、いるはずのない赤ん坊の泣き声。転居先で起きる怪異に潜む因縁とは――山本周五郎賞受賞、戦慄のドキュメンタリー・ホラー。
この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢(けが)れ」となり、感染は拡大するというのだが──山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!

Amazon公式紹介文より引用

『十二国記シリーズ』、『屍鬼』の著者としても有名な小野不由美さんのホラー作品。2012年、「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」(小説ランキング50)第8位。「ミステリが読みたい! 2013年版」(国内部門)第10位。2013年、第26回山本周五郎賞を受賞。『ダ・ヴィンチ』の「怪談オブザイヤー」で第1位を獲得しています。実際に起こったかのような語り口がリアリティを増し、読者の背筋を凍らせます。


変な家』雨穴

2024年日本でいちばん売れた文庫本!(日販、トーハン調べ)
雨穴デビュー作『変な家』ついに文庫化!
設計士栗原による「文庫版あとがき」も追加収録
知人が購入を検討している都内の中古一軒家。 開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に 「謎の空間」が存在していた。知り合いの設計士にその間取り図を見せると、 この家は、 そこかしこに 「奇妙な違和感」が存在すると言う。
不可解な間取りの真相とは!?
突如消えた元住人は一体何者!?
YouTubeで話題となった 「変な家」の全ての謎が解き明かされる完全版、ついに文庫化。
本書のキーマン・設計士栗原による文庫版あとがきも収録。

Amazon公式紹介文より引用

「オモコロ」のウェブライターとして有名な雨穴さんの作品。ウェブメディア記事、YouTube動画、その動画と連動した不動産ミステリー小説です。2024年間宮祥太朗さん主演で映画化されています。続編は『変な家2 〜11の間取り図〜』。リアルな設定が、読者に「本当にありそう…」と思わせる怖さを生んでいます。


変な絵』雨穴

シリーズ累計120万部突破のミリオンセラー小説『変な絵』が待望の文庫化!
49ページに及ぶ物語の前日譚『続・変な絵』と『ナゾ解きゲーム』も特別収録!
オカルトサークルに所属する佐々木は、後輩の栗原からとあるブログの存在を教えられる。そこには、『あなたが犯した罪』という不穏なメッセージとともに、投稿者の妻”ユキ”が描いた「絵」が掲載されていた――。
『風に立つ女の絵』『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』『震えた線で描かれた山並みの絵』……いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。
9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!? その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる!
今、最も注目を集めるミステリー作家、雨穴が描く、戦慄の国民的スケッチ・ミステリー!

Amazon公式紹介文より引用

雨穴さんのウェブメディア記事、YouTube動画、その動画と連動したスケッチミステリー小説です。雨穴さんが本作をロックオペラとして、ご自身のYouTudeチャンネルに投稿したことでも話題となりました。伏線回収が巧みで、最後まで飽きさせない構成になっています。


フェイクドキュメンタリーQ』フェイクドキュメンタリーQ

現在、チャンネル登録者数28万人超。ホラー好きの間で「今一番キている」とされる、モキュメンタリ―ホラーというジャンルを築いたパイオニア的存在。個人撮影した恐怖映像が偶然見つかったという設定で、未編集の動画を流すスタイルのジャンルである。見ている人が恐怖の疑似体験ができる所が人気を呼び、ファンが数多くの考察をしているという点も特徴である。
テレビ制作スタッフが、呪いのビデオを追い求め死んでしまった様子が映った動画、『封印されたフェイクドキュメンタリ―』は、再生回数81万回。他にも、防犯カメラに映る、エレベーターで失踪した女性の映像、ドライブ中に、カルト教団に拉致される映像などが人気である。現在19本の動画を出しており、いずれも、20~80万回再生数を誇り、圧倒的な人気を博しているチャンネルである。
「呪いのビデオの現在の行方」「エレベーターに映る女性は防犯カメラに向かって何を訴えていたのか」
今回の書籍は、この人行方不明のテーマのもと、チャンネル内で再生回数の多い、 『封印されたフェイクドキュメンタリー』『-(basement)-BASEMENT』『フィルムインフェルノ』『Sanctuary』等をもとにしたホラー短編集。
テレビスタッフを呪った、「見たら死ぬ呪いのビデオ」の行方を新たに発掘する様子を描いたり、エレベーターで失踪した女性がカメラに向かって訴えていたことを明らかにしたりといった内容が明らかに⁉考察好きの方にとって、答え合わせの要素も含んだ短編集。
さらには、動画未公開の書下ろし作品も2作品収録。

Amazon公式紹介文より引用

YouTubeの人気オカルト番組をもとにした小説版。監視カメラ映像や未公開映像を扱った内容で、リアルな恐怖を演出しています。


穢れた聖地巡礼について』背筋

げんきなあなたがうまれます
フリー編集者の小林が出版社に持ち込んだのは、心霊スポット突撃系YouTuberチャンイケこと、池田の『オカルトヤンキーch』のファンブック企画だった。
しかし、書籍化企画を通すには『オカルトヤンキーch』のチャンネル登録者数は心許ない。企画内容で勝負するべく、過去に動画で取り上げた心霊スポットの追加取材を行うことに。
池田と小林はネットなどで集めた情報をもとに、読者が喜びそうな考察をでっちあげていく――。
(『オカルトヤンキーch』ファンブックより一部抜粋)
『変態小屋の真相判明!』
もともと変態が盗撮した写真のコレクションを保管するための場所ではないかという噂で有名だった当スポットだが、我々の追加取材によりここが実は全く別の目的で使われていたことが判明。
さらに動画内に映っていた一枚の写真が、とある女性の自殺直前に撮られたものであることを突き止めた。この写真に写った女性について、次項で詳しく考察していく――。

Amazon公式紹介文より引用

『近畿地方のある場所について』でも有名な背筋さんの作品です。心霊スポットのでっちあげに関わる人々の心理を描く作品。「本当に怖いのは怪異か、それとも…?」という問いを突きつけます。


口に関するアンケート』背筋

口に関するアンケート
背筋(せすじ)
「近畿地方のある場所について」(KADOKAWA)で2023年にデビュー。同作が「このホラーがすごい! 2024年版」にて1位に。近著に「穢れた聖地巡礼について」 (KADOKAWA)など。

Amazon公式紹介文より引用

11.5cmx 8.5cmという小さなサイズがユニークな本。最後の部分まで読むことで、真相がわかり、ぞわりとする感覚を楽しめます。


自由慄』梨

メッセージアプリの消えない「入力中…」、雨音が聞こえ続けているカーテンの向こう側、授業中に回される小さな折り手紙。■■■の存在を意識した時、物語は再び動き始める。 『かわいそ笑』『6』に続く、新進ホラー作家・梨の単著第3作目! 299の断片が紡ぎ出す、聞こえなかった旋律と戦慄──

Amazon公式紹介文より引用

梨さんの単著3作目の作品。短詩を用いた実験的なホラーモノ。言葉のリズムと余白が読者の想像力を刺激し、不気味な雰囲気を作り出します。


お前の死因にとびきりの恐怖を』梨

「██高校三十一回生、出席番号二十三番。私は、怪異に、宣戦布告します」
今までの怪談小説をくつがえす、新感覚のホラーモキュメンタリー
文芸部の片隅で見つかったUSBメモリ。
それは、ひとりの男子学生の「死」に関する情報を集めた不気味なものだった。
その男子学生の死因は「自殺」。
ただ、発見現場には数々の不可解なものが残されていた。
睡眠薬の錠剤とともに床に散乱している、びりびりに破かれたおふだらしき何か。口内に絡みついた彼自身の髪の毛。それらの痕跡は、まるで恐怖に苦しんだ結果、超自然的な儀式に手を染めたかのようで───
文芸部で発見されたUSBメモリ、新聞部の校内記事、合唱部の変遷レポート…etc.
筆者がある高校から収集した、一見無関係な情報から浮き上がる”真実”とは。
――これは青すぎるほど青い、とある「なけなしの救い」の物語。

Amazon公式紹介文より引用

梨さんの青春小説とホラーが融合した異色作。登場人物たちの過去と怪異が交錯し、読者の感情を揺さぶります。実際にQRコードで情報を読み込めるなど、新たな試みが面白い作品。


東京二十三区女』長江俊和

ライターの原田璃々子は、二十三区のルポを書くため、いわくつきの場所を巡っていた。自殺の名所と呼ばれる団地、怨念渦巻く縁切り神社、心霊写真が撮れた埋立地、事故が多発する刑場跡……。後ろ暗い東京の噂を取材する璃々子だったが、本当の目的は、同行する民俗学講師・島野の秘密を探ることだった。心霊より人の心が怖い、裏東京散歩ミステリ。

Amazon公式紹介文より引用

『放送禁止』、『富豪刑事シリーズ』などの監督としても有名な長江俊和さんの作品。2019年に島崎遥香さん主演でテレビドラマ化されています。実際にありそうな噂話が、より一層のリアリティを生んでいます。


出版禁止』長江俊和

ある廃村に関する噂。
未解決事件の謎。
近畿地方のある奥深い山間部に、村はあった。心に深い傷を負い、積年の恨みを抱えた人々が最後に辿りつく「すくいの村」。だが、そこには呪いで人を殺すという根強い噂が……。2008年、近隣の廃村で陰惨な死体遺棄事件が発生。現場は暗い森に囲まれた酒内湖畔。遺体は切断され、樹木に釘で打ち付けられていた……。発禁となったルポライターの手記、エグすぎる真相。二度読み必至の衝撃作!『出版禁止 いやしの村滞在記』を改題。

Amazon公式紹介文より引用

こちらも長江俊和さんの作品。架空の設定であり、本当に放送禁止になった映像や出来事を使用しているわけではありませんが、作中作の形式をとり、「本当に起こったのか?」と思わせる構成が秀逸です。


撮ってはいけない家』矢樹純

「その旧家の男子は皆、十二歳で命を落とす――」映像制作会社でディレクターとして働く杉田佑季は、プロデューサーの小隈好生から、モキュメンタリーホラーのプロットを託される。「家にまつわる呪い」のロケのため山梨の旧家で撮影を進める中、同僚で怪談好きのAD・阿南は、今回のフィクションの企画と現実の出来事とのおかしな共通点に気付いていく。そして現場でも子どもの失踪事件が起こり……。日本推理作家協会賞短編部門受賞『夫の骨』著者の最新作!

Amazon公式紹介文より引用

『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』、『或る集落の●』などの著者としても有名な矢樹純さんの作品。廃墟探索を題材にしたホラーミステリーです。「撮影してはいけないもの」が映り込んだとき、何が起こるのか…、ゾクゾクしながらあっという間に読み進められますよ。


右園死児報告』真島文吉

右園死児案件が引き起こした現象の非公式調査報告書である
明治二十五年から続く政府、軍、捜査機関、探偵、一般人による非公式調査報告体系。右園死児という名の人物あるいは動物、無機物が規格外の現象の発端となることから、その原理の解明と対策を目的に発足した。

Amazon公式紹介文より引用

『棺の魔王』シリーズの著者としても有名な真島文吉さんの小説です。報告書形式、歴史資料のような語り口が、リアリティを強調し、引きこまれます。


まとめ

モキュメンタリーホラーは、フィクションでありながら、まるで実話のようなリアルな恐怖を体験できるのが魅力です。

あなたの「本当にあったら怖い」感覚を刺激するモキュメンタリーホラーの世界へ、ぜひ足を踏み入れてみてください。

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