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米澤穂信おすすめ小説15選|ミステリーファン必読の名作を徹底紹介
ミステリー界を代表する作家である米澤穂信のおすすめ小説を詳しく解説します。『折れた竜骨』や『満願』といった名作から、シリーズものの『古典部シリーズ』や『小市民シリーズ』まで、幅広い作品を網羅。
まだ読んだことがない人はもちろん、普段から米澤さんの作品を読み込んでいる人もぜひ、参考にしてくださいね♪
『折れた竜骨』
私にとって『折れた竜骨』と『黒牢城』は、同じ根から生じた兄弟作です。
この小説を書けてよかったと、時が経つほどに思います。――米澤穂信
第64回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞
ロンドンから出帆し、北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナは、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。いま最も注目を集める俊英が渾身の力で放ち絶賛を浴びた、魔術と剣と謎解きの巨編!
2011年、第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞、第11回本格ミステリ大賞(小説部門)候補、第24回山本周五郎賞候補になった作品。本作は魔術が存在する世界観と、それを駆使した本格ミステリーの融合。
魔術があるからこそ成立する謎解きが読者を唸らせます。魔術が使えるから何でもアリでは?」と思わせながらも、伏線を見事に回収し、読後の満足感を高めてくれるのが米澤流の巧みさが光ります。
『儚い羊たちの祝宴』
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。
本作は短編集で、全編が「バベルの会」という読書サークルを軸に描かれています。暗黒ミステリーとしての完成度が高く、一気読みしてしまうこと間違いありません。全体を通して、上品ながらダークな雰囲気が漂い、余韻の残る読後感が魅力です。
『追想五断章』
五つの物語にひそむ秘密。精緻な本格ミステリ
古書店に居候する芳光は、依頼を受けて五つのリドルストーリーを探し始める。やがてその著者が、未解決事件の被疑者だったことを知り──。精緻でほろ苦い、大人の本格ミステリ。(解説/葉山 響)
第63回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補、第10回本格ミステリ大賞(小説部門)候補作品。リドルストーリーとは物語の形式の1つで、作中で提示された謎が解決しないまま終わる作品のことです。計算し尽くされた伏線と、エレガントなストーリーテリングが見どころ。物語に隠されたメッセージ性も深く、大人の読書時間にぴったりの一冊です。
『満願』
死にたい人たちのあいだで、随分評判らしいのよ。
磨かれた文体と冴えわたる技巧。この短篇集は、もはや完璧としか言いようがない――。驚異のミステリー3冠を制覇した名作。
「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
本作は第27回山本周五郎賞受賞、第151回直木三十五賞候補、第12回本屋大賞第7位、2014年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、2015年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、2015年「本格ミステリ・ベスト10」第2位と受賞歴も素晴らしい作品です。2018年さん主演でテレビドラマ化されています。『満願』は6編の短編を収録した短編集。ド派手なトリックではなく、心理描写と緻密なプロットで読者を引き込むのが特徴です。
『氷菓』
大人気シリーズ第一弾! 瑞々しくもビターな青春ミステリ!
何事にも積極的に関わらないことをモットーとする奉太郎は、高校入学と同時に、姉の命令で古典部に入部させられる。
さらに、そこで出会った好奇心少女・えるの一言で、彼女の伯父が関わったという三十三年前の事件の真相を推理することになり――。
米澤穂信、清冽なデビュー作!
第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞受賞作品。米澤さんのデビュー作で、角川スニーカー文庫内に新たに立てられた「スニーカー・ミステリ倶楽部」の第1回配本となりました。2012年に漫画化、アニメ化、2017年に山﨑賢人さん主演で映画化されています。
小市民シリーズ『春期限定いちごタルト事件』
小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、2人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。
本作は、小市民シリーズの第1作目。人が死なないミステリー、日常の謎系のミステリーです。シリーズを通して、小鳩と小佐内の関係性や成長も楽しめる点が魅力。殺人事件に頼らないミステリーの魅力を味わえる作品です。
『犬はどこだ』
開業にあたり調査事務所〈紺屋S&R〉が想定した業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。――それなのに舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして……いったいこの事件の全体像とは? 犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵、最初の事件。新世代ミステリの旗手が新境地に挑み喝采を浴びた私立探偵小説の傑作。
2006年「このミステリーがすごい!」第8位にランクインした作品。続編が出るとされながら、2025年1月現在、まだ出ていないという作品です。本作刊行前まで高校生を主人公とした作品を発表してきた米澤さんが、初めて年齢層を引き上げた主人公を描いています。
『インシテミル』
車を買う金欲しさにアルバイト探しをしていた学生・結城がコンビニにあった求人情報誌で見つけたのは、時給11万2000円という破格の好条件の仕事。
それは、1週間「ある人文科学的実験の被験者」になるだけという、短期のアルバイトだった。インターネットや雑誌を見て、山間にある施設に集まったのは12人の男女。
彼らは、実験の内容を知り驚愕する。
それは、より多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった――。
地下の実験用施設「暗鬼館」に閉じ込められた12人。最初の殺人が起こり、疑心暗鬼に駆り立てられる参加者たち。互いに推理を戦わせ始める彼らを待ち受ける衝撃の運命とは!?
映画化も大ヒットした、60万部突破の大人気ミステリー。
第8回本格ミステリ大賞の最終候補作に残ったほか、本格ミステリ・ベスト10で4位、週刊文春ミステリーベスト10で7位に、このミステリーがすごい! で10位になった作品です。2010年には藤原竜也さん主演で映画化されています。デスゲーム系ミステリで没入感があり、一気読みしてしまいますよ。
『さよなら妖精』
1991年4月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。謎を解く鍵は記憶のなかに――。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。『犬はどこだ』の著者の代表作となった、清新な力作。
2005年「このミステリーがすごい!」第20位にランクイン。日常の謎系青春ミステリーです。結末には切なさと感動が押し寄せ、ミステリーでありながら人間ドラマとしても秀逸。異文化交流や戦争の影響について考えさせられる、深みのある作品です。
『王とサーカス』
【主要ミステリランキング三冠達成! 】
*第1位『このミステリーがすごい! 2016年版』国内編ベスト10
*第1位〈週刊文春〉2015年ミステリーベスト10/国内部門
*第1位「ミステリが読みたい! 2016年版」国内篇
*第3位『2016本格ミステリ・ベスト10』
国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を送ろうとしていた太刀洗だったが、王宮では国王をはじめとする王族殺害事件が勃発。太刀洗は早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり……。『さよなら妖精』の出来事から十年のときを経て、太刀洗万智は異邦でふたたび大事件に遭遇する。
2015年「週刊文春ミステリーベスト10」、2016年「ミステリが読みたい!」、「このミステリーがすごい!」で第1位となり、前年の『満願』に続き2年連続でミステリーランキング3冠になった作品。2001年6月にネパールの王宮で実際に起きたナラヤンヒティ王宮事件を題材にしています。社会の矛盾を映し出す鋭い描写は、読み応えたっぷり。現実の事件やニュースに興味のある方にもおすすめです。
『可燃物』
2023年ミステリーランキング3冠達成!
(「このミステリーがすごい!」第1位、「ミステリが読みたい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位)
余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。
群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の周りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って〝刺殺〟したのか?(「崖の下」)
榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」)
太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」)
連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
米澤穂信さん初の警察ミステリー作品です。本作には「崖の下」「命の恩」「可燃物」など5つの短編が収録されており、それぞれに独自のミステリーが描かれています。緻密なプロットとリアルな警察描写が印象的で、シリーズの今後が楽しみな一作です。
『Iの悲劇』
Iターンプロジェクト担当公務員が直面するのは、
過疎地のリアルと、風変わりな「謎」――。
無人になって6年が過ぎた山間の集落・簑石を
再生させるプロジェクトが、市長の肝いりで始動した。
市役所の「甦り課」で移住者たちの支援を担当することになった万願寺だが、
課長の西野も新人の観山もやる気なし。
しかも、公募で集まってきた定住希望者たちは、
次々とトラブルに見舞われ、
一人また一人と簑石を去って行き……。
直木賞作家・米澤穂信がおくる極上のミステリ悲喜劇。
2019年「週刊文春ミステリーベスト10」第4位、2020年版「このミステリーがすごい!」第11位、2020年版「本格ミステリ・ベスト10」第12位。本作は、過疎地を再生させるプロジェクトを題材にしたミステリー。過疎化が進む村や、現代社会の問題に鋭く切り込むストーリーが特徴。単なる謎解きではなく、田舎暮らしや人間関係の現実が描かれており、社会派ミステリーとしても楽しめます。
『ボトルネック』
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
『ボトルネック』は、一風変わった設定が特徴の心理ミステリー。人生の選択や後悔について深く考えさせられるテーマが盛り込まれています。読者に感情移入を促しながら、衝撃のラストへと導く作品です。
『黒牢城』
第166回直木賞受賞! ミステリ史に輝く金字塔
本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。このままでは城が落ちる。兵や民草の心に巣食う疑念を晴らすため、村重は土牢に捕らえた知将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めるが――。
事件の裏には何が潜むのか。乱世を生きる果てに救いはあるか。城という巨大な密室で起きた四つの事件に対峙する、村重と官兵衛、二人の探偵の壮絶な推理戦が歴史を動かす。
第166回直木三十五賞受賞、第22回本格ミステリ大賞受賞、第12回山田風太郎賞受賞。2022年「このミステリーがすごい!」第1位、2021年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、2022年「ミステリが読みたい!」第1位、2022年「本格ミステリ・ベスト10」第1位と、史上初となる4大ミステリランキング制覇を達成して話題となりました。「2021年歴史・時代小説ベスト3」第1位にも輝いています。歴史的背景の中に巧妙なトリックを仕込み、緊張感のあるストーリーが楽しめます。
小市民シリーズ『冬期限定ボンボンショコラ事件』
【特別書き下ろし作品】
高校生活の終わり。
小市民の時代の終わり。
小鳩君を轢き、密室状況から
消え失せた車はどこへ?
シリーズ最大の事件を描き
四部作掉尾を飾る冬の巻!
小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。
2024年「週刊文春ミステリーベスト10」第2位、2025年「このミステリーがすごい!」第2位、2025年「ミステリが読みたい!」第2位、2025年「本格ミステリ・ベスト10」第9位の作品。小市民シリーズの4冊目で最終巻です。
まとめ|米澤穂信おすすめ小説15選|ミステリーファン必読の名作を徹底紹介
米澤穂信さんの作品は、日常の謎から歴史、ファンタジーまで幅広いジャンルを網羅したミステリーがあり、どの作品も緻密な伏線や深みのあるキャラクターが魅力です。
まだ読んだことがない本があったら、ぜひ手に取ってみてくださいね♪