たくあんづくりのシーズンを迎えるにあたって。(3)
昨日は大根の種まきから成長期に台風シーズンと重なることを書きました。
だいこんの収穫間近になってくると、大根櫓の建設に取り掛かります。これまで何度も書いてきましたが、釘一本つかわず、竹を組んで紐で固定していきます。
このだいこんやぐらづくりには約10日~14日くらいかかります。今ちょうどだいこんやぐらが立ち始めているところです。
やぐらができたらいよいよだいこんを掛けていきます。
※この写真は以前撮ったものです
2本の大根をしばって、それを夫婦息を合わせて長い棒を使って渡してやぐらに掛けていきます。
そうして天気が良ければ、約二週間後に立派な天日干し大根となって工場へ持ち込まれます。
この大根をかけるとき、実は1週間の天気予報やその年の気候に合わせて、だいこんをかける位置や、かける間隔などを微妙に調整しているのです。
というのも天日乾燥するため、雨が降ったり、寒波が来たりするのでそれを予想して風通しなどの空気の流れを考えて掛けていかないと途中でやり直すということができないためです。
雨のときにはこのようにシートをすっぽりかけて濡れないようにします。ただ、2~3日間雨が続くとあっという間にだいこんが黒くなってしまいます。
宮崎県の冬の気候は太平洋高気圧が張り出し、比較的温暖で降雨量が少ないため、こうした天日干し大根を生産するのに最も適した土地です。だからこそ、天日干し大根生産量日本一なのです。
つまり、
・良質なだいこんができること
・12月~2月上旬まで冬らしい天候になること
※今日入荷した新物の天日干し大根
この2つの条件が重なることがもっとも理想的です。このまま地球温暖化がさらに進んでいくと、今以上に天日干し大根をつくることが困難になってしまうかもしれません。
だからこそ、宮崎県の天日干し大根という貴重な作物をもっと多くの方に知ってもらえるよう、私もどんどん発信していきたいと思います。
続く。