2. ファイブフォース分析【DX】成果を出せる最適なビジネスモデルへの変革
「失われた20年」「新型コロナウィルスのパンデミック」という強力な直撃を受けた日本経済。低迷から抜け出す「ビジネスモデルの変革」が、否が応でも迫られています。社会生活自体が、「インターネット、クラウド・コンピューティング、モバイル端末、AI、IoT」の台頭により、大きな変化に直面しています。
今回は「成果を出せる最適なビジネスモデルの変革」を、ミクロ環境分析の視点から「事業環境」分析を行うフレームワーク【ファイブフォース分析】を駆使して分析しました。
ファイブフォース(5F)分析とは、マイケル・ポーターにより提唱された手法で、外部環境分析のうち「事業環境」の分析を行うフレームワークです。(※マイケル・ポーター『競争戦略論』)
経営戦略を考えるうえで [業界の競争状態]=[競争要因] には、5つの要因(ファイブフォース)があり、これが業界の収益性を決めます。
企業の環境分析を行いますが、ファイブフォースは外部環境の中のミクロ環境分析を行うフレームワークと言えます。
ファイブフォース(5つの力)とは?
1. 買い手の交渉力(顧客)
2. 供給企業の交渉力(サプライヤー)
3. 新規参入者の脅威
4. 代替品の脅威
5. 既存企業同士の競争
ファイブフォース分析の効果は?
・業界の構造を明確に理解でき、業界における自社の競争環境がわかる
・自社の「強み」「弱み」をはっきり理解でき、競争力を把握できる
→ 結果、対応ビジネス戦略研究、企業戦略立案に役立ちます。
以降で一つずつ説明していきます。
■ 供給企業の競争力(サプライヤー)
全てのバイヤー/サプライヤー/仕入れ(購入)は、利益に直接影響します。
サプライヤーの交渉力の要素は、
・供給の差別化 ・代替共有品の存在
・供給企業のボリューム ・供給企業の後方統合の脅威
・サプライヤーのスイッチングコスト ・サプライヤーとバイヤーの比率
※ 後方統合とは? :
メーカーと原材料の企業が統合し、さらに交渉力が上がる
■ 買い手の交渉力(顧客)
顧客(買い手)数で大きく左右される。自分のビジネスに対して顧客の重要性
・買い手のボリューム ・前方統合能力 ・製品についての情報力
・代替商品の存在 ・買い手の価格感度
・買い手のスイッチングコスト(他社へ乗り換えコスト)
※ 前方統合とは? : メーカーと販売企業が統合する ex) バリューチェーン
【川上】原材料 > 製造(メーカー) > 販売(卸/小売り) > 消費者【川下】
■ 既存企業同士の競争
業界内の既存の企業間の競争
・競合他社の数 ・競合他社の多様性
・競合他社の想定的規模 ・産業の成⾧率
・製品の差別化 ・退出障壁
・固定コストと変動コスト
■ 新規参入業者の脅威
業界の競争力が強い程、新規参入が容易になる。
新規参入は市場環境の決定要因。
【市場シェア、価格、顧客のロイヤリティ】を変更することができる。
既存企業は「反応と調整」のプレッシャー
・経済の規模 ・製品差別化の価値
・資本要件 ・流通経路へのアクセス
・政府の政策 ・既存業者からの報復
・切り替え(乗り換え)コスト ・参入障壁
■ 代替品の脅威
「同じ目的で、良い性能をもち、より安い価格」がある場合、代替品の脅威
・代替品の数 ・買い手のブランドへの忠誠心
・買い手のスイッチング・コスト
・代替品の相対的価格パフォーマンス
印刷業界をファイブフォース分析すると
1. 買い手の交渉力
印刷EC の存在(生産性が高く、コスト低く、さらに価格の尺度低)印刷会社を簡単に変えられる。(スイッチングコスト【低】)
→ これにより、値下げ交渉力が強い(値下げに対応する企業【多】)
2. 供給企業の交渉力
サプライ品(インキ・紙等)では、値上げのたびに揉めているが、結果、供給側がイニシアチブを持ち、受け入れる形に
3. 新規参入の脅威
従来の『伝統的な印刷会社』ビジネスモデルでの新規参入率は低いが、大資本による買収等での、グループとしての新たな印刷会社。
総合力ポテンシャルの高い会社の出現。
デジタル・プリンターの出現で、顧客企業の印刷の内製化もある。
4. 代替品の脅威
デジタル技術の台頭で、既にWeb(PDF など)にて、電話帳、地図、書籍などのコンテンツは置き換えられ、商業印刷においては、チラシ、パンフレット、雑誌も置き換えられた。新聞も同様です。
5. 競争企業間の敵対関係
市場規模は約9兆円だった30年前と比べ、現在は約5兆円と59%まで落ち込むが、デジタル技術の台頭により、品質の標準化が進み差別化も難しくなり、更に生産性は上がっている。また、印刷EC の存在も大きく影響している。
したがって、厳しい価格競争になっている。
結論:3つの Right(最適)
正しい(最適)顧客に
正しい(最適)情報を
正しい(最適)タイミングで
デジタルドリブン(データを使いこなす!)
※ デジタルメディア、HP(自社サイト)/ メール/ SNS/ ブログ/
デジタルサイネージ
・MSP:マーケティング・サービス・プロバイダー
顧客企業からデータを預かり、MA(マーケティングオートメーション)を駆使して、メール、DMの発送、事務局、電話営業、コールセンター、集客まで..
・BPO:ビジネス・プロセス・アウトソーシング
たとえば、クレジットカードの申し込み、コールセンター(入会サポート)請求書に関わるすべての代行業務
※ MSP / BPO は、いずれも業務支援サービス
MSP:マーケティング・サービス・プロバイダー
販促支援、集客代行(Telアポ、事務局)
データリレーション(※結果に対してコミット)
BPO:ビジネス・プロセス・アウトソーシング
データプリント代行業務
アウトソーシング(コールセンター、顧客サポート)
コンテンツ・デジタルメディア制作
ドキュメント、Web、SNS、サイネージとか
PSP:印刷プロバイダー
デジタルプリント、小ロット、パーソナライズ
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次回は、マッキンゼーの7Sフレームワークをテーマに説明します。