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3. マッキンゼーの7S【DX】CX(コーポレート・トランスフォーメーション)を変革する

『2025の崖』経産省が警鐘を鳴らしてから、数年経過しました。
昨今、感染症対策がトリガーとなって「DX変革」が否が応でも必然となり、さらに政府が推進する「働き方改革」とも相まって、仕事環境が大きく変化しています。
「リモートワーク」へスムーズに移行できた企業、​なかなか思うようにはという企業、様々だと思います。​ビジネス環境での変化は加速している為、「変革すべき」ということに異を唱える人は流石にいないと思います。
ただし「どう変革するか?!」は、当事者がよくよく考える必要があります。​「変革することが目的」 ではなく、「最適な変革をしてビジネスの成果を上げていく」 ことが目的です。​

1.スマイルカーブ【DX】印刷業の最適なビジネスモデルへの変革
2.ファイブフォース【DX】成果を出せる最適なビジネスモデルへの変革
の、2つの章では、印刷業においての変革ビジネスモデルについてお伝えしました。​

「DXの定義(経産省)【一部抜粋】」にある、​
顧客や社会のニーズを基に、「製品やサービス、ビジネスモデルの変革、それとともに業務そのもの、組織、企業文化、風土」を変革する、​といっても、すべてが複雑に関連していて、切り離して考えるとなかなか進まないという声も多く寄せられています。​そこで方法論が参考になればと、一つのフレームワークをご紹介いたします。

マッキンゼー:7Sフレームワーク

職場環境は感染防止策と相まって、仕事を進めて行く上で必要なコミュニケーションにリモートワーク、​オンラインとICTが占める割合が著しく増え、手段としてなくてはならない存在になっています。
​既に、否が応でもDXは始まっていることになります。また、そうしないと業務存続すら難しくなっています。

いざ、​「CX:コーポレート・トランスフォーメーション」と言っても、​
「何から手を付けている!?」​
「変革はするけど、優先順位は……!?」 ​
現状の企業を継続するには、既存ビジネスモデル​(事業)を継続しつつ、変革も実行し、​更に「新しいビジネスモデル(事業)」を立ち上げる。​

そこで「新しいビジネスモデル」を立ち上げると​言っても、やみくもに行うのでは意味がなく、​根拠のあるプランが必要です。

マッキンゼーの7S

ハードの3Sとは

・Strategy(戦略):持続的に競争優位を保てる源泉​
System(システム):社内システム、社内ルールの変革​
Structure(組織構造):あるべき組織体系・権限​
この3つを指します。​ 

■ Strategy(戦略):持続的に競争優位を保てる源泉​
・変革を短期的に見ることは危険
・既存ビジネスを進化させる組織と、変革させる組織を両立させて移行する​
・経営サイドの評価基準は、違う尺度で行う必要がある
(ただし、事業の内容が異なっている為)​

■ System(システム):社内システム、​社内ルールの変革
既存の部門毎の都合に合わせたシステムは、各部門が情報を共有できるシステムへ移行する(クラウド化)。リモートワークに対応でき、業務に関わるシステムを優先し、ツールを活用する。(SFA/CRM、MA、RPA……)​
重要なのは、情報を共有できる環境。改めて権限のルール化をする必要がある。​

■ Structure(組織構造):あるべき組織体系・権限​
「既存ビジネス推進」「変革事業推進」と別組織にする​

ソフトの4Sとは

・Shared Value(シェアードバリュー):共通の価値観・理念​
Staff(人材):採用と育成​
Style(経営スタイル・社風):
 
トップの意思決定、​社員の行動、発想スタイル​
Skills(スキル):戦略実現に必要なスキル​
の4つを指します。

■ Shared Value:共通の価値観・理念​
社員が同一の価値観の共有ミッション・ビジョンなど、企業等の組織が共有すべき「存在意義や目指す姿」の​総称。​「企業理念」をベースに、事業を通じて成し遂げたいことや、成し遂げたい状態を具体化する。
時間軸を入れて策定し、時代/市場に合わせて変えていく。​
→「事業ビジョン」「経営目標」​

 Staff(人材):採用と育成​
「どんな人材が必要か」だけでなく、どのような人事をしているか/必要なのかを考える​
【キーワード】
  ・社外リソースの活用も    ・個人のキャリア重視​
  ・流動性                           ・多種多様で、適材適所​

 Style(経営スタイル・社風):トップの意思決定/​社員の行動/発想スタイル​
「Shared Value」をベースに、「行動指針」「行動​規範」まで、”具体的にどうするか” を落とし込む​必要があります。
(例) Credo /クレド​ :理想は社員全員が自身の業務に関わる際に、​「クレドカード*」まで具体化していること。​
* クレドカードとは:企業の信条、行動指針を簡潔に示した言葉を書いたカード。経営判断や社員が現場で行う判断の指針となる。

■ Skills(スキル):戦略実現に必要なスキル
社員個人ベースの能力です。​
また、会社(企業)がもつ特徴的(独自の)スキルも​含まれます。
例えば、​
「この会社だけの技術」​
「この業界(市場)には、めっぽう強い」とか​
​特に、変革組織/グループでは、​必要なスキルを明確にし、スピード感を持って、​積極的な外部リソースの雇用にも対応する。​
また、さらにスキルアップに必要な​研修/トレーニングも計画する。
​勿論、既存ビジネス推進組織にも適用する。


今回は、「マッキンゼーの7S」を取り上げました。
次回は、PEST分析です。

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